第七話 成功率一パーセントにかけろ!? 4
夕食を食べた後も、芽々は成功率一パーセントの『茨姫病の特効薬のレシピ』に挑戦し続けていた。
エルヴィンにクリストファー王子とクルーエル大臣が倒れたことを伝えると、成功率一パーセントの魔法薬製作を手伝ってくれた。でも、今のところ、エルヴィンと芽々で〇勝三十五敗だ。
一回もできやしない……! 成功率一パーセントはだてじゃない!
その後も、芽々は魔法薬の調合に精を出していた。芽々の集中力はすごかった。エルヴィンが席を立った後、ラボラトリーに戻ってこないことも気づかなかったのだから。
いつの間にか芽々は魔法機にもたれて眠っていた。清々しい空気と新しい日の光の気配がして、芽々は目を覚ました。
「う……? 朝か……? いたたた……!」
変な体勢で眠っていたせいか、身体がボキボキだ。芽々は涙目になりながら、起き上がった。
「アレ? そういえば、エルヴィンは? 一度も帰ってきてないみたいだけど?」
芽々は、ようやく異変に気づいた。おかしなことに、いつも香ってくる朝食の匂いもしない。
「ま、まさか、エルヴィンって調子が悪いの……!?」
芽々は、ずっと前にクルーエル大臣に脅されたことを思い出した。
すぐさまラボラトリーのドアを開けた。
「エルヴィン! 大丈夫!? ねえ、もう朝だよ!?」
エルヴィンの部屋をノックした。でも、返事がない。
芽々は心配になってドアノブを回した。
鍵はかかっていないようだ。芽々は思い切ってドアを開けた。
「えっ……?」
エルヴィンは幸せそうに熟睡していた。しかし、普通の状況ではない。
エルヴィンの周りを茨がうねうねしていたのである。
「……!」
茨は、芽々に気づいたのか、うねうね動いていた蔓を停止させた。
しかし、その五秒後――。
いきなり、芽々めがけて茨が突き刺すように蔓で攻撃してきたのだ。
「どぅわっ!?」
芽々は慌ててドアを閉めた。
慌ててラボラトリーの方に避難してドアを閉める。入って来れないように材料の麻袋を積み上げた。
「や、ヤバいぞ!? 早く、『茨姫病の特効薬』を完成させないと!」
その時、上半身だけのホログラムが現れた。
『芽々さん、こんにちは~!』
「烏羽玉先生……!」
芽々は、頼りになる烏羽玉先生が来てくれて心底安堵した。烏羽玉先生が来てくれたから何とかなるはずだ。しかし、烏羽玉先生はやはり曲者だった。
『芽々さん、問題です! 成功率一パーセントの調合を成功率百パーセントにできる方法があるんですよ! それは何でしょう~!』
芽々は、烏羽玉先生の明るい声にムッとした。烏羽玉先生は芽々で遊んでいるのだ。
「烏羽玉先生、こんな時に私で遊ばないでよ!」
『ホラホラ、早くしないとエルヴィンが~! 茨の蔓が~!』
くっそ~! 烏羽玉め!
「ヒントちょうだい!」
『六枚の調合レシピです! それをよ~く見ていると、分かってきます!』
六枚の調合レシピ?
芽々は、調合レシピとにらめっこした。
ま、マズイ……。な~んも、思いつかない……。
一パーセントの成功を百パーセントの成功にするんだよな。
一パーセントか……! 理屈はどうでも、一回でも成功すればいいのに。
待てよ、一回成功すればいいんだよな?
「烏羽玉先生、私、分かったかもしれない!」
芽々が喜びの声を上げると、烏羽玉先生はにっこりした。




