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天才調合師の魔法薬には事情がある!  作者: 幻想桃瑠
★・・・・・・・★*☆*★【第四章】★*☆*★・・・・・・・★
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第十二話 お祝いと心配事

 その日、エルヴィンラボラトリーでは、釈放されたブランダ先生と一緒に祝勝会が行われていた。エルヴィンとブランダ先生は発泡酒で乾杯している。


「エルヴィン、ありがとう!」

「芽々のお蔭なんだ」


 ブランダ先生は、エルヴィンとグラスをカチンと鳴らした。


「芽々ちゃんも、ありがとう!」


 芽々は嬉しくなって、ブランダ先生と柑橘系のジュースとグラスをカチンとさせた。


「ブランダ先生、アベリルを褒めてあげてください! 必死だったんですから!」

「芽々おねえちゃん……!」


 アベリルがあたふたしている。


「アベリルもありがとうね!」


 ブランダ先生は、アベリルの柑橘系のジュースのグラスともカチンと鳴らした。


「はい……! お師匠様が釈放されて本当に良かったです……!」


 アベリルは、独り感動して、声を詰まらせていた。

 いやぁ、良かった良かった! 一件落着だね!


「さあ、みんな食べようぜ!」

「うお~、おいしそう……!」


 テーブルに並べられた料理を見て、芽々の喉が鳴る。

 今日は、エルヴィンがごちそうを作ってくれたんだ。鶏肉のソテーに、香草のサラダにとろける野菜のスープ。それに、トマトマの果実のパスタにそれからそれから――。


 キラキラ光るごちそうに目移りしながら、フォークをどれに刺そうか迷っていたとき、エルヴィンは席を立とうとした。

 エルヴィンは、ふわりと飛び出しそうになってよろめいた。


「おっと……!」

「エルヴィン、大丈夫~?」


 グラグラした声で言ったブランダ先生はすでにへべれけだ。

 って酔うの早ッッッ!?


「って、まだ一滴も呑んでないじゃな~い」


 ブランダ先生は、エルヴィンのグラスを覗き込んで言った。

 えっ!? 一滴も発泡酒を飲んでないのに……!?


「エルヴィン、体調悪いの!?」

「あ、ああ、徹夜したからかな……」


 ま、まさか、クルーエル大臣が本当にエルヴィンに毒を……!?

 でも、クルーエル大臣はそんなに悪い人に見えなかった。クリストファー王子もあんなに信頼を寄せておられたし……。


「あ、治ったよ。心配かけたな!」


 料理をキッチンからまた持って来て、エルヴィンは発泡酒を飲みだした。

 か、考えすぎかな……? でも、本当だったら……。


 ああ、もうっ! クルーエル大臣には振り回されっぱなしだ……!

 芽々は、終始エルヴィンの事を気に懸けながら、味気なくなったごちそうをやけ食いするのだった。


◆◇◆◇◆ 第四章完結! 第五章に続きます! ◆◇◆◇◆

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