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天才調合師の魔法薬には事情がある!  作者: 幻想桃瑠
★・・・・・・・★*☆*★【第四章】★*☆*★・・・・・・・★
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第七話 調合師たちの危機2

 ドロップ宮殿の庭を歩いていると、向こうから煙のにおいが漂ってきた。

 もしかして、これは……!

 芽々は、煙の方へ走って行った。すると、部下たちに囲まれてタバコをふかしている一人の男がいた。


「やっぱり、ガーディアンのフームス隊長!」


 ブランダ先生の事でドロップ宮殿に捜査に来ていたらしい。

 駆け寄って行った芽々だったが、フームス隊長はマイペースでタバコをふかし続けている。まるで相手にされてない。


「なんだ。芽々か」


 と思ったら、私の名前を覚えていてくれた!?

 い、いや、それよりもだ!


「ブランダ先生が捕まったって本当ですか!」


 芽々が尋ねると、フームス隊長は人払いをした。部下たちが一礼して去っていく。


「ブランダは三日後に処刑だ」

「そ、そんな!? ブランダ先生は何もしてないと思うんです!」

「何もなかったら、王妃様は倒れたりしないだろうが」


 こないだは、ブランダ先生に頼り切っていたくせに!

 芽々は文句を呑みこんだ。


「魔法薬は調べたんですか! ブランダ先生は、毒を盛るような人でもないし、そんなミスをするはずがありません!」


 クッと、フームス隊長が笑った。


「ほう? では、以前のように、お前が解決してみせるんだな?」


 くっそ~、そう来たか!


「わ、分かりました! じゃあ、時間をください!」

「時間? どれぐらいあれば事足りる?」

「え、えーと、三週間……」

「二週間だ。二週間で何とかしてみせろ」


 とにかく、時間稼ぎだ。すぐにブランダ先生が処刑されるよりはマシだ。


「わ、分かりました! できなかったら……」

「刑が執行されるだけだ。分かったな?」


 話は終わりだと言わんばかりに、フームス隊長はどこかに歩いて行ってしまった。


 とにかく、元凶を何とかしなくてはならない。おそらく、クルーエル大臣のせいだろう。芽々はそう決めつけていた。だから、すぐにクルーエル大臣の部屋に向かったのだ。


 お付きの人と顔見知りだったせいか、芽々はすぐにクルーエル大臣の部屋に通された。クルーエル大臣は、椅子に座って資料を読んでいた。何やら忙しそうだ。


「クルーエル大臣!」


 芽々に気づいたクルーエル大臣がどことなく嬉しそうに顔を上げた。


「芽々さんか。疫病の特効薬は作れたのかな?」

「どういうことですか! 私だけじゃなく、ブランダ先生まで陥れる気ですか!」

「なんのことだろうか……?」


 クルーエル大臣は迫真の演技だった。まるで、本当に知らないような。

 くっそ~、どこまでとぼける気なんだ!


「私、絶対に、クルーエル大臣には負けませんから! 必ず、王妃様とブランダ先生を助けて見せ――」


 その時、クルーエル大臣が天井を見て目を閉じた。そして、そのまま、椅子から転がり落ちた。


 えっ!? 何が起きたの!?


「く、クルーエル大臣!?」


 芽々の声に驚いたお付きの者たちが駆け寄ってきた。


「クルーエル様!」

「医者を呼べ!」


 辺りは騒然となった。クルーエル大臣は苦しそうにして、倒れたまま動かない。そして、首には発疹ができていた。


 もしかして、これってあの疫病……!?

 嘘でしょ!? クルーエル大臣が黒幕じゃないの!?

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