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天才調合師の魔法薬には事情がある!  作者: 幻想桃瑠
★・・・・・・・★*☆*★【第三章】★*☆*★・・・・・・・★
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第五話 虹色の長命薬と冷感剤2

 就寝するために自分の部屋にエルヴィンが消えた頃、明日の為にラボラトリーで芽々は調合をしていた。勿論、クリストファー王子に献上するための魔法薬だ。


「『虹の粉末三グラ』と『七色の光蔓一〇〇グラ』……っと!」


 これは、クルーエル大臣から貰った調合レシピどおりだ。それを、魔法機の中に入れる。


「でも、ここに『ヒヤヒヤ油』を三滴入れる……!」


 すると、見た目も効果も『変わらない』滋養強壮の『虹色の長命薬』ができる。

 魔法機に両手を置く。すると、膨らんだり凹んだりを魔法機が繰り返して、ポンっと音がした。出来上がりの合図だ。


 芽々は、調合を無事に終わらせた。

 アリエンの助言はこうだ。


 『虹の粉末』と『七色の光蔓』に『オオガマの薬草』では猛毒だが、これに『ヒヤヒヤ油』を加えると毒素が完全に消えるらしい。『ヒヤヒヤ油』は毒消しの作用もあるのだ。だから、ただの滋養強壮剤になるというわけだ。


 時候の丁度良いことに、エルヴィンが『冷感剤』の材料で『ヒヤヒヤ油』を使っていた。 『冷感剤』を作るためには『ヒヤヒヤ油』と『ミンミンの葉』を調合するらしいのだ。だから、バレないように、『虹色の長命薬』と一緒に献上しろというありがたい助言だ。


 しかも、『虹色の長命薬』だけを飲んでしまうと『オオガマの薬草』のせいで猛毒になってしまうので、『虹色の長命薬』の中にバレないように『ヒヤヒヤ油』を練り込んでしまおうという、策略に富んだありがたいお言葉をアリエンから頂戴した。


「フフフフフ……! クリストファー様が元気になったら、クルーエル大臣はひっくり返るかもね……! しかも、私との交換条件も果たされて、言うことなしだね! フフフフフ……!」


 大魔女も吃驚の怪しい笑みを浮かべ、芽々は出来上がった魔法薬をビンに入れてラッピングしていた。


 その日、芽々は超が百個付くくらい幸せだったのだ。

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