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40、睦月1月 その4 双子の話

 私たちは双子だ。一卵性だから、とてもよく似ていて、親戚でも間違えられるほうが多かったくらいだった。だからこうやって見た目で、特技で、わかるようにといつの間にかお互いに意識していた。


「で、なんでまた同じような格好したいとか言い出したの? なっちゃん」

「いやさー、なんとなく?」

ある休日。松崎姉妹こと私・真澄と一応姉の夏希とでめずらしく二人で買い物に来ていた。それもこれもなっちゃんが、中学以来していなかったおそろいをしたいと言い出したからだ。私も反対する理由がなくて今に至っている。

「なんとなく…ねぇ。まあたまにはいいよねぇ」

「そうそう! たまにやってどーっちだって悪戯とか?」

「あ、それは面白そう~」

そう言ってお互いにはしゃぎながらいろいろお店を見て回る。そうして気になるものを見つけては着て回る。そうしてみるとやっぱり私たちはそっくりだった。

「なんでこんなそっくりなんだろうね、私たち」

私がぽつりとつぶやくと、隣で夏希が首をかしげた。

「そりゃあ、一卵性だもん」

「いや、そうだけどね」

そうやって笑い合っているとなんだか小さな悩みなんて吹き飛ぶくらいだった。


「ねえねえカノジョたち、暇?」

買い物を終えて、せっかくだからとおそろいの服を着て歩いていると声をかけられた。どう見てもチャラそうにしか見えない二人組だった。

「なんですか」

「へぇ、双子でお揃いかー。カワイイねー」

どうも人の話を聞かないタイプなようで、不躾に私たちを見ていた。その視線に耐えられなくなった私は夏希の腕を取って早足で歩く。しかし男たちも慣れているようで、すぐに追いついてきた。

「暇ならお茶でもどう?」

「暇じゃないです」

「じゃあ用事終わってからでも」

どうしてもあきらめてくれない様子にイライラしていると、夏希が手を取ってダッシュした。しかし、それはすぐに信号に阻まれてしまう。と、そこに見知った人影が立ちはだかった。

「お兄さんたちなにしてるんですか?」

「俺らの知り合いに迷惑かけんでください」

ふと顔を上げると都と柚樹だった。男たちはがっかりした様子で退散していく。

「で、大丈夫やったんか? 夏希も真澄も」

自然と私たちの名前を間違えずに言う柚樹。その言葉にポカンとする私たち。

「って、なんでお前らおそろいなんかしてるんだよ。わかりにくいじゃねえか」

都も気づいたようで驚いた様子だ。

「あーうん、大丈夫大丈夫」

未だ呆けている夏希に代わって私が答える。と、夏希がふと言葉を発する。

「私たちの見分けがつくの?」

その言葉に何を言っているんだという顔を見せる都と柚樹。そして都がおもむろに口を開く。

「俺ら、どれくらい付き合いがあると思ってんだよ」

その言葉に私たちがあっけにとられた。そして変な感じににやけてしまう。

「何にやけとんの? 大丈夫か?」

その柚樹の言葉に二人して笑いながら頷き返す。


 私たちはお互いをちゃんと見分けてほしかったんだなって、やっと気づいた。


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