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37、睦月1月 その1 明けました


 1月1日の午前。私はみんなと待ち合わせて初詣に来ていた。うちの近くの神社と言うことでちょっと早く着きすぎてしまったらしい。ぼんやりと待ち合わせ場所で待っていると声をかけてくる人が。

「らいらちゃん? 明けましておめでとー」

声をかけてきたのは晴れ着姿の里羅だった。いつもの三つ編みがなく、髪の毛をあげているせいなのか別人のように見える。

「おめでとー、里羅。晴れ着綺麗だねぇ」

「そういうらいらちゃんだって。みんなはまだ…っぽいね」

そうなのだ。私も晴れ着姿なのだ。みんなで初詣に行くと言ったら、おばあちゃんがうきうきと準備をしてくれた。

「いやぁ、年が明けた感じしないね」

「あっという間だったね」

そんなことを言っていると、続々とみんながきた。恋はもちろん晴れ着姿で。ほかのみんなは普段着で。

「あけおめー。二人とも晴れ着だー」

「そういう恋だってー。そういえばみっさんは着てないのね。てっきり恋が無理やり着せてくると思ったのに」

里羅がそう言ってみっさんのほうを見るとみっさんは苦笑いをして言う。

「全力で逃げた」

「うん、逃げられた」

そのかけあいに一同で笑う。

「そういえば夜宵は?」

恋が夜宵の不在に気づく。と、柚樹がスマホを持って言った。

「夜宵は海外に行っとるってよ」

「へーえ、海外ってまたなんで?」

「仕事だって」

そういって柚樹がみせた画面には夜宵からのメールが。その文面を読むとみんなが納得したように頷いた。

「大変そう…」

「だねぇ…」

松崎姉妹が口々に声をそろえて言う。それもそのはず、メールの文面からは新年の挨拶から始まって、大量の愚痴で埋め尽くされていたからだ。

「帰ってきたら、何かしてあげないとな」

「とりあえず休ませることが先じゃないか」

「それよりもまずお参りして夜宵の無事を祈ろう」

その言葉にみんながはっと気づいたようになった。本来の目的を忘れていたようだった。そしていそいそと鳥居をくぐる。

「しかし、無事って言い方もおおげさだよな」

「でも、いつもそんな感じで終わったらぐったりしてるじゃない?」

「じゃあやっぱ無事を祈る?」

そんなことを言っている間にお宮につき、私たちは手を合わせる。そしてそれぞれお願い事をする。それが終わった後に話すことといったら。

「何お願いしたのー?」

「秘密―」

「で、だれか夜宵の無事はお祈りしたのかよ」

「俺したで」

お願いごとの話になる。話したら叶わなくなるというジンクスを信じているわけではないのだけど、みんなに言うのはちょっと照れくさいことだから。

「おみくじするー?」

「するするー」

そうしてまた日常が始まっていく。


――願わくば、こんな時間がずっと続きますように




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