33、師走12月 その1 メリークリスマス 前
それじゃ、今年のクリスマスはどうする?」
朝一で恋の声が響く。12月の師走の初めごろ。テストもそろそろな頃合いに恋が持ち出してきたのは、この時期お約束の話だった。
「ちょうどテストも終わっていい頃なんじゃねえの」
と、都も同意する。みんなも頷いている。
「じゃあ今年も24日にうちでいい?」
恋がいつも通り仕切っていく。しかし、里羅が苦い顔をしながら口を開く。
「今年、24日ダメっぽい…」
「なになに? 珍しいね、どうしたの?」
恋がニヤニヤしながら里羅に詰め寄る。里羅は笑って話す。
「共同研究してる日下氏からお誘いがあってね…」
そうして都を見る里羅。都は納得したように頷いて話を続ける。
「あの人か」
「うん、その人。なかなか断りづらくて」
その言葉を恋と柚樹がニヤニヤしながら聞いている。
「その人、里羅に気があるんじゃないの?」
「それは…ないんじゃないかなぁ」
「面白いって頭ん中のことはべた褒めだったけどなぁ」
そういって里羅の頭を指さす都。里羅は困った顔をする。そこへみっさんが助け船を出す。
「とりあえずこっちは25日でもいいだろ、恋」
「え、うんまあね。大丈夫だから楽しんできなさいよ」
その顔はまだ笑っていたが、からかっているような雰囲気はいつの間にかなくなっていた。そしてそのまま25日の計画を立てていく。
「まあ料理とかはうちでやってもらえるから、プレゼント交換くらい?」
「毎年のことながら、お前の家だと楽やな」
柚樹が笑って言う。真澄と夏希も頷いた。
「まあそれはそれで面白みが欠けるのもあるんだけどねぇ」
そう言いながらもスマホを取り出して、メールを打ち出す恋。そして顔をあげると私たちを見回して言う。
「さて、何食べたい? ケーキは必需品として」
そう言って私たちがあげていったものを順にメモしていく。それが終わるとすぐにメールを送信した。
「よし、これでオッケー」
「相変わらず、恋のところの執事さんというか家の人って万能だよな」
そう言われて恋ははにかむような笑顔になる。
「で、あと必要なものは?」
「とりあえずこっち泊まって帰るでしょ?」
「んじゃそのテのものか」
そういってどんどん話を進めていく。
「ちょ、ちょっと待って。お泊り?」
私がそう聞くと里羅が「ああ」といった顔をした。
「らいらちゃんは初めてだもんねぇ」
私が頷くと、恋が笑って言う。
「おじいさまのほうには私からも言っておくけど?」
どうも恋は私の懸念がわかっていたようだった。その言葉に心配になりながらも私はほっとした。
「まあ、みっさんいるからなんとかなるんじゃないかしら」
そう言って恋がみっさんのほうを見るとみっさんはそっぽを向いた。恋はそのままみっさんの腕を叩いて言う。
「というわけでらいらちゃんのおじいさまの説得の協力よろしくね」
そうしていい笑顔になった。
テストとクリスマスと、あともう少しです。




