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第0話:穏やかに吹く

この小説は一部同性愛的表現が含まれます。苦手な方はお読みになられない事が賢明です。それでも良い方はどうぞお読み下さい。

雪がしずしずと降る中、男が独り立っていた。

肩に、頭に、腕に、降り積もる雪を払おうともせず、唯立ちつくしていたのだ。

「滅びが来る。」

呟きは空に吸い取られるが如く静に響いた。*****

「イェン、何してるの?」

公園でのんびりと座っていると、教え子のアリスが声をかけてきた。

彼女の髪は、太陽の光に透けてキラキラと輝く。

この世界の人の殆んどがそうであるように、彼女の髪も色素が薄く栗色を為ていた。

「アリス、ちゃんと先生って呼びなさい。」

リェンがたしなめるとアリスは頬を膨らませ、リェンを睨む。

其れがあんまり可愛らしくて、リェンは思わず微笑んでしまった。

「もぉ!!子供だと思って馬鹿にしたわね!?」


「そんなこと無いよ。唯、可愛いなと思ったんだよ。」

リェンが言うと、アリスは赤面し、何か言おうと暫く口をパクパクさせていた。

「そ、そう言う所が子供扱い為てるって言うんですの!!わ、私はもう12になるのよ!?」

やっとでてきた言葉をアリスは叫ぶように言うと、くるりとリェンに背中を向けた。

そういう行動が子供らしいのだと、思わず笑いが漏れそうになるのをアリスの機嫌をこれ以上悪くさせない為に堪え、リェンは彼女の頭に優しく手をのせた。

「アリス、そんなに言うのなら君に少しくらい多めに宿題をだしてもいいんだよね。」


「えっ!?」



困惑為たように声を上げたアリスにリェンは優しく微笑み言った。



「大人、なんだもんね?」




昼下がりの公園には優しく春の風が吹き、新たな命の息吹がそこかしこに満ちていた。



そんな中、少女の叫びと若い男の笑い声が響いていた。



優しい風が全てを筒みこむ。




‐next‐

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