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眠くなる程寒くなったり

どうにか自分なりの締め切りを完遂出来ました。もっと早く投稿出来る予定だったのに…風邪引いてました。ずみまぜぬ

吹きつけてくる雪の中で、私は乗っているきちゅねさんの背中にしっかりとしがみ付き、さらに着ている上着も隙間がない様にきっちりと止めている。私の前に乗っているユウスケさんの尻尾をハグさせてもらい、時々チラッと前を見る。目的地は見えない…。


寒いなぁ…、何か眠くなってくるのは何でだろう…。


「コンスケ?寝たら駄目だぞ」


思わずビクッと身体が跳ねる。振り向かずにユウスケさんが前を見たまま声を掛けてくる。


「らいじょーぶでしゅよ?」

「…駄目だな…。とりあえずだ、寝たらそのまま意識が戻らなくなる可能性があるんだぞ?怖いんだぞ?」


何だかユウスケさんが脅してくる。でも、寒いより気がつくと眠いになって…。駄目だ寝てしまいそう…。こういう時はあれだ、頭を動かそう。羊が一匹羊が二匹…*おおっと!*危なかった。これは危険だー。そうじゃなくてえっと、そもそも何でこんな寒い場所に私達がいるかというと…。




★★★




この間のお芝居は中々盛況だったようで、大熊亭もさらに繁盛。常連さん以外にも、普段来ない村の人達も結構来てくれて嬉しい悲鳴だった。私とユウスケさんは忙しさで悲鳴上げっ放しだったけど。

そんな忙しい日々が何日が続いたある日、ランチタイムの後片付けもご飯も終わって、部屋のベッドで溶けていた私はおかみさんに呼ばれたのだった。


「コンちゃんこれ、手紙が来てたわよ。この前のお客さんからじゃない?」


そう言って渡された手紙は二通。一通は私宛、もう一通はユウスケさん宛。

とりあえずユウスケさんはお昼寝してるみたいでドアを叩いてみたけど返事もなかった。しょうがないので二通持って屋根裏の私の部屋へ。

ぼふーんとベッドに飛び込みつつ、まどろんでたきちゅねさんを抱きしめ自分宛の手紙を開ける。S.Dさんから、この間の楽しかったね~という内容と、そろそろ何かが動く占いが出てるから用意はしておくように…という内容だった。


何かって何だろう…?とりあえずもう一通はユウスケさん宛で手紙だけじゃなくて何か入っているのか、少し膨らんでいる。勝手に開けるわけにもいかないけど、気になるなぁ~と、手に持ってジロジロと見ていたら、下からガタガタと音がして、ユウスケさんが階段昇ってきた。


「コンスケー手紙来てたって聞いたけど~」


寝起きそのまんまで来たのかな?寝癖もついたまんまだし、頭の上から飛び出している耳もくったりしている。普段がしゃっきりしてるから何か可愛いなぁ。あ、心の声が聞こえたのか、ちょっとムッとされた。危ない危ない。カッコイイお姉ちゃんで通したいみたいだし。とりあえず、ユウスケさん宛の手紙を渡す。


「む?M.Dさんからだ。何だろ…」


尻尾をパタパタしながら私のベッドの端に腰掛けてくるユウスケさん。私も見てもいいのか、しっかりと広げてくれた。それによると…

最後の門、そして最後の一人がようやく見付かった。この大陸の北端コーラルタウンにいる。場所があまりにも遠い為、かなりきつい旅になる可能性がある。また、非常に寒い地域の為、防寒具をしっかりと用意するように…との事。


「防寒具なぁ…、二人分発注しておくわー」

「遠いってどれだけかかるんでしょうね?」


一週間くらい離れた事はあったけど(首都に行った時)、それ以上は離れた事がないからなぁ。そもそも私が行って足手まといにならないのかな?そんな事を考えていると、ユウスケさんに手紙を渡された。


「コンスケ、これはお前宛みたいだぞ」


そうやって渡された手紙は随分と小さな封筒で、M.Dさんの手紙の中に入っていたみたい。私の手でも少し小さな棒と私宛の手紙、凄く小さな文字だけど頑張って読んだらファータさんからだった。自分の身を守る為に弱いけれど魔法のかけてあるスティックだって。私の気持ちはそんなに色々な人に読まれやすいのかなぁ。でも、ありがたく頂いておこう。




親父さんと女将さんに話したら、コーラルタウンは本当に遠いから、行くだけ一ヶ月位はかかるかもしれないらしい。馬車で行く場合はここからだと、首都まで行かないといけないみたい。また姉妹で旅行か気をつけてねと快くお休みもくれた。


「またツリータウン経由で首都行ってそれからだなぁ」

「また温泉泊まって行きます!?」


一応遊びに行くわけじゃないんだぞ?といいながら、ユウスケさんも骨休めかなぁとちょっと嬉しそうだ。とりあえず、色々用意して、出発は明後日という事になった。




きちゅねさんに乗ってツリータウンへ。そしてF.Dさんの温泉宿へ。一泊して翌朝に乗り合い馬車で首都へと向かう予定だ。

受付の女の人に声をかけたら黙って大広間に通される。そこには…


「ちょっ!さっちゃんハメ技駄目って言ったじゃんか!」

「うひひぃ~勝てばいいのよ~。はいオシマイ」


何やらピカピカした小さい装置?を、黒い蝙蝠さんみたいな羽の生えた可愛らしい女の子と、F.Dさんが二人してお互い自分の手元を覗きながら高速で指を動かしていた。あ~と息を吐きながらF.Dさんが背中から倒れ込む。


「マジかー、マジないわー。ずるいわー。緑のシマシマはありだわ~」

「あれ…この前舞台に出てた人ですね。この間はお疲れ様でした」


何故か当たり前の様にユウスケさんのスカートをそのまま覗くF.Dさん、これまた当たり前に様にF.Dさんをしっかりと踏み付けながら、ユウスケさんがもう一人いた女の子に声を掛ける。

確かに前回舞台でご一緒した方かなぁ。鎧着ててほぼ前見えなかったからあんまり分からないんだよね。声はこの前の魔王役やってた人かな。


「おぉー、オキツネさん達よく来たね。ゆっくりしていってよー」

「さっちゃん一応俺の温泉宿…」


F.Dさんを無視してユウスケさんと女の子は二人で手元の装置の様な物について話し始めた。時々『めくり』とか『こんぼ』とか聞こえてくるけど何なんだろう…。


「おし!自分がキャプチャーまでされたゲームで負けるわけにゃーいかん。いざ尋常に勝負勝負~」

「いいノリだねオキツネさん。私の魔王と呼ばれた私の…この私の技を見せてあげようじゃーないかー」


何だか凄く熱い二人。踏まれていたF.Dさんをユウスケさんの下から引きずり出して、装置をユウスケさんに奪われたF.Dさんと二人して横のクッション(座布団というらしい)に座ってお茶を飲みながら見学する。きちゅねさんも興味があるのか耳をピクピクさせながら見つめている。ちなみにこの女の子は「土星 さちこ」という名前でさっちゃんとみんな呼ぶらしい。


「いっくぞー!さちこスペシャル!!」

「うっわ…。弱パンチだけじゃん…って見せ掛けて投げへのつなぎか!」


何かカチャカチャと音を立てて二人が白熱している。何やら勝負している…らしい。暫くするとユウスケさんが勝ったらしく、立ち上がって喜びの声を上げている。物凄く悔しそうなさっちゃん。


「こんなんビギナーズラックだぁー。うわぁぁん」

「残念ながら俺もやり込んであるのだよ…。ふふふ」


見てると凄い大人げなく見えるユウスケさん。思わずそういう目で見ていると、勝負は情け無用だと答えられた。うーむ。

もっかいだぁーと、せがむさっちゃん。仕方ないとか言いながら楽しそうなユウスケさん。まだまだ長引きそうだ。部屋でゆっくりしたいなぁと思ってたのに。F.Dさんがお茶菓子を取りに行った。


「嘘!ずるいずるい!あっち行けー」

「ずるくないぞー、ハッハッハー」


さっちゃんはよっぽど嫌なのか、本気で泣きかけている。お菓子を手に戻って来たF.Dさんがハメ技えげつねぇなぁとか言っている。


「これで…とどめだ!」

「わーわーわー。あっち行けってー。ささやいて祈って…」

「やべ!マズイ!さっちゃん駄目だ!」

「え!?」


急にF.Dさんが物凄く焦った顔で、さっちゃんを止めようと走りこむ。白熱しているユウスケさんと私、きちゅねさんが一直線に並び、そしてさっちゃんの手元が光ったと思うと…気が付いたら真っ白な世界にいた。


格闘ゲーム自体は作者は物凄く苦手です。JOJOだけは弟達とはまったけど、それ以外は技もほぼ使えない位でした。最近はモーションが綺麗で凄いなぁとゲームセンターでチラッと見ると驚きます。

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