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M.D参上

散々煽っていた人が飛び出します。

食堂に集まったDの名前を持つ人達。

人なのかは微妙だけど、それを言ったら俺もこの身体は微妙に人じゃないしな。尻尾をパタリと動かす。


序列でもあるのか長方形の大きいテーブルの短い一辺の上座にB.Dさん、そのすぐ横の長い一辺の角にH.D、S.Dの順に並び、反対側にはC.D、F.Dと並ぶ。F.DとC.Dの間だけやたらと空いている。正直F.Dは床でもいいんだけどな、ホント。


「さて…、一心地着いた所で本題に入ろうか…」

「まだ部屋にも入ってないよーー」

「悪いが、M.Dが来る前に話をしたいのでな、我慢してくれ…。あいつが居ると会話にならないからな…」

「そうね…。全部吹き飛ぶわね、あのこがいると」

「まぁ、妖精がついてからまだマシなんじゃねぇのかな?昔はもっと凄かったぜ。楽しいからいいけど」

「あー、F.Dはノリが似てるもんねーー。F.Dも妖精さんが一緒にいた方がいいんじゃない?お爺ちゃん系の地霊とか気にいられると思うよ」

「え~俺だって可愛い娘がいいよ~。目覚めは耳元で『起・き・て♪』とかされたいじゃん」

「………ウルサイ……夢を見過ぎ…」

「あれ?今C.Dさんが素だったような…」

「あら?何のことかしらメイドさん。私分からないわ」


あれが本性か…。女って怖い…。しかし俺達もなし崩し的に参加していいのかな?この話し合い。というか、とりあえず先に部屋に案内したりとかして落ち着きたいんだけど。よっぽどなんだな、そのM.Dさんとやらは。


「あぁ、居てくれて構わないよユウスケ君、コンスケちゃん。君らにも関係している話だから。それと座ったらどうかね?」

「そうなんですか~?」

「じゃあ、お言葉に甘えて、失礼します」

「狐ちゃんこっち!俺の隣!」

「いや、俺S.Dの隣でいいや、せくはらされそうだし。S.Dちょっと詰めてー、ごめんなー」

「じゃあ、私もその横で~」

「シクシク」

「………日頃の行い…因果応報…」


また止まらない流れになりそうなのをマスター、B.Dさんが咳払いで止める。


「ゴホン。とにかくだ、いいかね?」

「はい」

「はいです」

「この場にいるのは、証を渡した者達だ。何であれ君達を認めた者だよ」

「『料理対決』とか、『観光地の知名度アップ』とかもありましたけど…。というか、全員のは貰ってないはず…」

「私、黒と透明なの持ってますよ~。マスターと、C.Dさんの」

「コンスケいつの間に貰ってたんだ!?じゃあ全員分貰ってるわけか」


机の上に並べてみる。真珠、赤、黒、透明(水色の乱反射)、透明(黄色い乱反射)の五枚。社長は門は7つあると言っていた。つまり後二人はいるわけだな。…ってあれ?門も触ってないぞ?


「コンスケ、お前門って二つ触ったの?」

「え?知りませんよ?」

「私の水晶の谷の鏡を見たでしょ…?あれが一つよ…。はい、ネタばらし…ふふ……うふふふふ……」


何がおかしいのかクツクツと笑うC.D。うん、この人怖い…。


「もう一つは俺が管理しているが、まだ触らせるわけにはいかない。鱗は渡したが、見極めは済んでいない」

「そういう事ね…」

「これから来るM.Dも間違いなく何か試練を与えてくるだろうが…。我々以上に一筋縄ではいかないぞ…」

「あぁ、あのこは…すごいものね…」

「あいつはヤバイからなぁ~」

「うん、M.Dは色々スゴイから二人共覚悟してね」

「………………楽しみ…」


何があるんだよ…。ヤバいのかスゴイのか…。

その時、けたたましくドアベルが鳴り響き、それ以上にけたたましい声の持ち主が参上した。


「チャオ!アミーゴ!!遅くなってしまってスクーーージィ!」

「あぁ…来た…。ちょっと耳栓欲しくなるわね…」

「おっす!M.D相変わらず飛ばしてるなぁ!!」

「あーM.Dこんにちわ…」

「…………やかましい……」

「分かっていてもきついな…。久しいなM.Dよ…」

「エラ、ウンセイコロ~~~!!!久しぶりだね!我が仲間達!!!」


あぁ……うん、何か、あんだーすたん。理解したよ…。首にキラキラと光る赤いスカーフたなびかせ、『すな○きん』みたいな黄色い帽子被って、上はピンクのピッタリしたシャツに、下もなんかタイツみたいな緑のを履いている。マントは色取り取りだ。何これ…。F.Dが普通に見えて来た。どうしよう…。本当どうしよう…。コンスケも『え?』って顔して固まってる。うわ、そのM.Dさんがこっちを見た。


「セニョリ~ナ!可愛い狐さん達じゃないか!?配役にもピッタリだ!グラッツェ!B.D!」

「あぁ…うん。喜んで貰えて何よりだ、M.Dよ…」


B.Dさんすら引き気味なんだけど…、誰も止められないのこの人…。何その配役って…。


「というわけでだね、君達」

「え?あ?はいです?」

「ほわっつ?」


何かノリで中学の時に勉強した基礎の英語が飛び出したよ。これは…M.Dはイタリア~ノな言葉なのかな?


「僕のテアットロ…お芝居に出て頂こう!」

「ええええええええ??」

「何でぇぇぇぇぇ!!!」


目をキラキラさせながら俺とコンスケの手を握り締めるM.D。近い!距離が近い!鼻当たる!!


「さてと…おかみさん部屋への案内をお願いしますわ…」

「あら?もういいのかい?面白い一幕だったわね~」


頭を抱えながらおかみさんに話しかけるH.Dに、カラカラと笑いながら対応するおかみさん。待って~助けて~。


「あ!僕も部屋案内して下さい~」

「…………私も少し休むわ…。お兄様!私の部屋に来て下さってもいいのよ!!」

「あ、あぁ…。お店の準備もあるので、そろそろ帰らせて頂くよ。すまないなC.D」

「代わりに俺っちが行こうか?C.D」

「………カエレ……」

「ひでぇ…」


皆そそくさと二階へ去って行く。マジカ…友達甲斐のない…。S.Dだけは階段登る時にチラッと目顔でそれとなく謝ってた。いい娘だ…。


「さてセニョリーナ…。君達にはある神話を芝居として演じて頂くよ!タイトルは『アポカリッセ ディ ジョバンニ』だ!!」

日本語と、イタリア語を混ぜて喋ると、結構す凄い事になります。音で聞くと破壊力あります…。こういう演出家実際見た事あります。

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