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猫は被るのか、装備品なのか

今回登場する人が今までで一番多いです。

全ての準備が終わった次の日。


ランチタイムが終わって、賄いも食べて予約のお客様達に備える。結局私達もいつぞやのメイド服を来てお出迎え要員だ。お城の人達並に出来る自信はないけど頑張ろー。


横でユウスケさんが何故か凄くしっかりとストレッチをしている。何と戦うんだろう…。


SDさんは最近あったけど、他の人達は多分久しぶり。C.Dさんもきっと来るんだよね…怖いなぁ。初めての人も来るみたいだし…。でも、妖精さんはちょっと会ってみたいなぁ。


「ユウスケさん…ちょっとトイレ行って来ます…」

「そんなに緊張してるのか?」

「ユウスケさんは味わってないからですよ~。あの至近距離で垂れ下がった前髪から覗く赤い目…ひ~」

「おいおい…」

「とにかく…来たら…お任せ…しますっ!」


走って一階のトイレへ。パニエって付けてるとスカートが綺麗に広がって可愛いんだけど、用を足すのはちょっと大変。あれ?入口のドアベルが鳴って何か声も聞こえるけど、もう到着したのかな。急がなきゃ。



「いらっしゃっいませ~。ようこそ大熊亭へ…って誰ですか?」

「え?コンスケ会った事あるんだろ?C.Dさんだそうだよ。綺麗な人じゃないかー」

「あら、褒めても何も出ませんことよ」


そう言って、ユウスケさんを小突く謎の女性。誰?本当誰この人。服はユウスケさんがよく着ている和装セーラーに似た雰囲気で、黒髪ロングが少しカールしてて、前髪も後ろにやって顔がハッキリと見えている。美人さんですね。目は赤目…え?本当にC.Dさん?


「あの…、C.Dさんなのですか?」

「そうよ」

「本当に……、C.Dさんなんですか?」

「そうだって言ってるじゃない」

「本当に本当にホンットにC.Dさんですか????」

「もうっ失礼しちゃうわね。水晶の谷で会ったでしょ?」


嘘だぁぁぁぁぁぁ、偽物だぁぁぁぁぁ。人が違い過ぎるぅぅぅぅぅ。

大混乱している私を余所に、おかみさんが受付をして、ユウスケさんが荷物を運び、二階に消えていくC.Dさん?

入口のベルが鳴ってS.Dさんが入って来た。今日は旅装のマントを羽織った下はスカートに上は半袖だ。


「久しぶりコンスケちゃん…ってそこまで経ってないけどね。どうしたの…?」

「あぁぁぁぁお久しぶりですS.Dさん。ちょうどいい所に!C.Dさんって変形します!?」

「あぁ…先に着いてたんだ…。うん…、最早変身とかじゃなくて変形するね彼女。外だと無茶苦茶猫被るんだよね」

「猫を装着すると変形出来るんですか!?」

「いや…あの…、言葉のあやだね。本来の意味は『本性を隠しておとなしくみせる』って事なんだけど、おとなしくというより、大人になってる?感じだねC.Dの場合…。慣れないときついと思うけど、あれもC.Dだよ…」

「そうなんですか…」


あそこまで人が変わった様に出来るなら、水晶の谷でもあの位は愛想振りまいて欲しい。不気味なあの雰囲気の方が狙ってやるのは難しい気がするんだけど…。とにかくS.Dさんを案内しなきゃ。


「S.Dさんは荷物は?」

「うん?僕はほとんどないから別に自分で運ぶよー。ありがと」

「じゃあ、後でお部屋に案内するからちょっと座って待ってて下さいね。お茶でも淹れましょか?」

「あーお願い~。久々にしっかり馬車に乗ったから疲れたよー」


おかみさんが案内してくれるから、食堂の椅子に座ってもらい、お茶を淹れる為にお湯を沸かそうと厨房に向かったら声が聞こえてきた。


「あら、随分可愛い格好してるじゃない。淹れるならハーブティーあるわよ」

「H.Dさん!お久しぶりです~」

「おーH.D随分久しぶりーー」

「あら、S.D何か見ない間に女の子らしくなったわね」

「え?あ…そうかな?えへへ」

「服装だけじゃなくて…、うん。雰囲気が柔らかくなったというか。恋でもしてるのかしら?」

「そんな事あったり…ナカタリィ…」


相変わらずH.Dさん綺麗だなぁゆったりしたロングスカートに上はカーディガン。そしてS.Dさんが顔を真っ赤にして俯いてる。うん、どうみても女の子だねー。

H.Dさんが厨房のカウンターにハーブティーの入った缶を置いてくれる。


「余ったらそのまま貰っていいわよ。お土産ね」

「わぁ!ありがとうございます~」

「お!S.DにH.Dもう来てたのか!早いなぁ!俺なんて近いからって油断してたぜ」

「あら、その騒がしい声はF.Dね。相変わらず変わりないようね」

「おーF.D久々ー。さっちゃんが最近遊んでくれないって文句言ってたよ」

「元気がいいって言ってくれよ!俺も最近遊びたいんだけどなぁ~。温泉忙しいんだよ~。今日は流石に任せて来たけどな~。うちの部下ちゃん達に」


火は落ち切ってなかったから大鍋でお湯を沸かしてる内に、F.Dさんも来た。今日もいつもと同じ格好で頭には手拭を巻いている。知り合いが沢山いるなぁ。あ、コップ足さなきゃ。そうこうする内にユウスケさんとおかみさんが二階から下りて来た。


「随分賑やかになったと思ったら、皆さんお揃いか。H.D久しぶり。S.DとF.Dはちょっとぶりだな」

「お久しぶりユウスケ君」

「ユウスケさんちょっとぶり―」

「メイド服も可愛いね~。狐さんの今日のパンツの色は…、冗談だよ冗談!!」


全員から、もの凄い目で睨まれるF.Dさん。よく見たらここにいるのはF.Dさん以外女子だもん。睨まれるよ、そりゃー。


「F.D…あんたそこまで落ちたのね…。前々から知ってはいたけど…」

「F.Dサイテーーーー」

「本当に最低だよF.Dさん。もうこれは永年無料だな温泉」

「うわぁぁぁぁ冗談だって言ってるのに~~~~。しかも狐さん…条件がさらに吊り上がってませんか!?」

「自業自得ね。変態避けのハーブはないわよ」

「そういう星の廻りなんだね。あぁ残念さん」

「せくはら」

「うううううぅぅぅぅ。すいませんでした…」


総攻撃を食らって撃沈するF.Dさん。まぁいきなり挨拶があれで喜ぶ人がいたら見てみたい。ジークさんならやりそうだけど、S.Dさんの前だとやらないだろうなぁ。


「お茶が入るまでの間に、女性陣の荷物運んどくよ?F.Dは自分でやってね」

「あの…、一応お客なんですが…」

「正しいお客様はいきなり『せくはら』しないと思いまーす」

「はい、正座待機してます」


ユウスケさんが荷物を二階に運び、おかみさんが部屋割を説明する。椅子に腰掛けて聞いているS.DさんL.Dさん。本当に床に正座してるF.Dさん。でも何か嬉しそうに見えるなぁ。こういうのをマゾって言うって前にどっかでユウスケさんが言ってた気がする。


お湯が沸いて、お茶ポットを温めて、コップを温めようとしたらC.Dさんも下りて来た。コップ追加して…コップも温めて…。


「みんな揃ったみたいだな」


ベルの音を鳴らして烏龍亭のマスターが入って来た。マスターもいつも通りの恰好だ。あ、さらにコップ追加しなきゃ。


「あーB.D久しぶりーー」

「さっきからお互い久しぶりばかり言ってる気がするわね。お久しゅうB.D。息災?」

「おっすB.D景気はどうよー」

「お兄様!!!」


え?お兄様?しかも誰もマスターって言わないでB.Dって呼んでるけど、マスターはB.Dって名前なのか。へー。あれ?なんかみんな共通ぽい。


「だから、いつも『お兄様』はやめろといってるだろ?C.D。まぁ元々の住んでいた地域は近かったけれども」

「お二人は兄妹なんですか?B.Dさん」

「いいや、ユウスケ君。勝手に呼ばれているだけだよ…。懐かれるのはいいのだけどね…」

「だってお兄様がこんなに渋くてカッコよくて、マスターよ!いいのに!スゴクいいのに!萌えるのに!」

「………………オタクさんなのか……」

「…………あぁ…そんな言葉があったわね。多分そうよ…」

「まぁB.Dは渋いよねー」

「……いいなぁB.D…。俺も張付かれたいぜ…」

「F.Dさん…。外の納屋にヤギがいるから寝る時ハグするといいよ…。ついでに朝乳もみもみしてヤギ乳絞ってね」

「………なんかチガウ」


賑やかで、平和だなぁ。


「お茶入りましたよー。皆さん椅子に座ってくださいねー。F.Dさんは床でいいんですか?」

「ちゃんと椅子に座ってもいいの!?」

「早くしろよF.Dさん」

「F.D待ちなんだけどーー」

「F.Dさっさとしなさい」

「……………早く…」

「まぁ、ほら、座りなさいF.D。みんなお待ちかね…だからね」

「アリガトウゴザイマス」


何か今、素になったよC.Dさん…。とりあえず人数分のお茶を配って一安心。何故かハーブティーにドボドボと砂糖を入れてるF.DさんがH.Dさんに怒られてた。香りを楽しむものじゃないのかな。

今までに出て来た人達が集合です。力関係としては、F.Dさんは作中の通りです。残念なイケメンを地でやらかす人です。

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