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試験休みに朝ラーメンをキメようとしたら、クラスの優等生女子がバイトしてた  作者: 椎名 富比路


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1/1

いつもと違う時間に出会うと、ドキドキするね。

 今日は試験休み。有意義に過ごすぞ。


 ソロ活バンザイなボクは、友だちがいない。作ろうとも思っていなかった。帰宅部で、授業が終わったら即帰宅だ。

 バイトはしていないが、おこづかいでポイ活しているため、お金はそれなりにある。


 土日はミックで試験勉強していたけど、学生がうるさくて集中できなかった。


 今はそんな生徒たちも、いない。部活の朝練でも、あるのだろう。


 今日はポイントを使って、前から行きたかったラーメン屋さんに行くぞ。

 朝からラーメンをキメるとか、不良まっしぐらさ。


 ここのラーメン屋さんは、ボクの帰り時間だとめちゃ混むんだよね。


 よし。並ばずにすぐ食券を買えたぞ。食レポサイトが勧めていた、チャーハンセットの券を買う。


 いざゆかん!


「えっ!?」


 そこには、クラスメイトの小町(こまち) 哨子(しょうこ)さんがいた。


「あっ。岡山(おかやま)くん」


 いつものきちっとした制服姿ではない。真冬なのにTシャツ姿というのが、またいつもと違う感じがしてドキドキしている。


「お、お願いします」


 ためらっている場合じゃない。こうしている間にも、お客さんが殺到してしまうんだ。


 ボクは、食券を小町さんに差し出す。

 

「承ります。め、麺の硬さは、いかがいたしましょう?」


 来たぞ。ラーメン屋独特のオーダーが。


 ラーメン屋には、独特のルールを持っている系統もある。


 いわば、試験のようなもの。

 

「硬めで!」


 張り切って答えてしまった。

 変に思われてないかな?


「はい」


 小町さんはクラスの優等生らしく、テキパキとオーダーを取る。


 どうやら、うまくいったみたい。シミュレーション通り、試験を突破したようだぞ。


「味の濃さは?」


「濃いめ!」


 いかん! 食い気味で答えちゃった!


 店員から聞かれる前に答えるのは、マナー違反である。


「油の量は?」


「普通で、お願いします」


「かしこまりました。硬め、濃いめ、普通で」


「お願いします」


 ふうううううううう!


 水を一気飲みする。


 ああ、オーダーできた。


 でも、嫌われないかな?


 それにしても、バイトしている小町さん。めっちゃかわいすぎ。


「おまたせしました」


「ありがとうございます」


 ふたりともかしこまって、頭を下げまくってしまった。


「どうぞ」


「あっ。すいません。いただきます」


 お見合いしてしまったじゃないか。

 食べなくちゃ。


「ハフハフ。ズズウ!」


 うんまい!


 朝一番から、並んだ甲斐があった。最高だ。

 醤油豚骨ベースの、中細麺。

 大学生ウケがいいとされる、濃厚な味わいである。


 ラーメンには珍しい、うずらが入っているのが特徴だ。


 チャーハンもうまい。二大巨頭の白飯と悩んだけど、チャーハンも最高に美味しいじゃないか。

 これをラーメンに入っていた海苔で巻いて……飛ぶ! これは、飛んでってしまう。

 今のボクは、紙ヒコーキにされた問題用紙だ。

 いろんな悩みが吹っ飛びそうな、深みがある。


 小町さんと目が合ってしまった。


 いかん、いつもと違う小町さんを、どうしても目で追ってしまうよ。


 ダメだダメだ。相手は微笑みかけてくれるけど、あれは営業スマイル! 


 そそくさと食べて食べて、さっさと帰るぞ。


 ごちそうさまでした。


「おいしかった?」


 レジで、小町さんから声をかけられた。


「はい。めっちゃおいしかったです。ありがとうございました」


 ポイントで会計をして、店を出ようとする。

 

 でも、通い詰めるのはやめよう。

 小町さん目当てだと思われちゃうからね。

 キモがられるのはイヤだから。


「あの、岡山くん!」


「あ、う」


「また、お越しください。待ってます」


「はい」


 よし、通い詰めよう。

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