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41.グレイブの秘策

ナルヴィは俺の頭を持ち上げるとこちらの顔をジーと見つめると、そのままナイフを振りかぶって……



「グレイブ様……ドロシー様をお守りください……」



 そうささやくといきなりディープキスをしてきた。彼女の舌の艶めかしい感触と共になにか苦いものが口から流し込まれる。



「なにをやっているんですの!! 男と女がそんな風に唇を重ねるなんてけがらわしいですわーー!!」



 後ろでイリスが大声で叫んでいるが、徐々に頭がクリアーになっていく。ナルヴィが俺に口移ししてくれたのは状態回復ポーションだろう。

おかげで俺は催眠効果が薄れてきたようだ。



「怖かっただろうに、頑張ってくれたな。あと、俺はドロシーだけじゃない。お前も守りに来たんだよ」

「グレイブ様……」



 震える彼女を優しく抱きしめて胸の感触と甘い匂いを一瞬だけ楽しんだ俺は動揺しているイリスにナイフを投げつけると今度はその足にささる。

 


「また、私を傷つけてぇぇぇ!! なんでこの子が正気だってわかったんですの!! 絆の力とでもいうんですの!?」

「お前には一生わからないだろうさ!!」



 だって、俺とナルヴィは別にエッチな関係じゃないからね(涙 いや、本当はありがとセックスがあるはずだったんだよ……だけど、それがなかったからこそ、彼女の『グレイブ様……いつものようにご奉仕させていただきますね』で気づけたのだ。

 だって、ご奉仕されたことないもん!! ご奉仕されたことないもん!!(大事なことだから二回言いました)



「美しないから使いたくはなかったですけれど、奥の手を使わせていただきますわ!! 『私は強い、誰よりも』」



 その一言と共にイリスの体のあちこちがバキバキと音が鳴ったかと思うと、どんどんその体が肥大化してきてドレスを破って筋肉隆々の肌が露出していきブラジャーがちらっと見えた。

 自己暗示ってレベルじゃねーぞ。ってかさ……



「くっそ、ちょっとエッチなシーンなはずなのに全然興奮しない……?」

「グレイブ様……私をリラックスさせるためにそんな軽口を……さすがです」



 思わず本音をポロリとした俺に、ナルヴィが目をキラキラとさせていった。この信頼がもうしわけないよう……とはいえだ。

 戸愚呂100%みたいになったイリスをどう倒すかだ。



「けがらわしい男が……美少女に抱き着かれてゆるされませんわーーー!!」



 イリスは俺に対して嫉妬に満ちた目を向けると、俺の部屋にある柱をべきべきとはがしてまるでこん棒のようにふるいやがったのだ。



「うそだろぉぉぉぉぉ!?」

「きゃぁぁぁぁぁぁ?」



 いやいや、身体能力あがりすぎでは……? さっきまでの接近戦でのアドバンテージがなくなってしまった。

 とっさにナルヴィをかかえて避けて、ナイフを投げるが、強靭な筋肉によってはじかれてしまう。



「お前はどんだけ男が嫌いなんだよ!!」

「当たり前でしょう!! あんなにけがらわしいものを美しい女性の体に入れるなんて信じられませんわ!! あんなに細くて!! けがらわしいものを!!」



 なおも柱をふるって暴れるイリス。急にマッチョになった状態になれていないからか大振りだから回避はたやすいが、このままでは屋敷がこわされてしまい、後ろで戦っているベロニカや、いまだ催眠によって動けないドロシーも危険だろう。



「グレイブ様……あの人は私が狙いのようです。投降すればスキができると思うのでその間にドロシー様を助けていただけないでしょうか?」



 背後でやわらかいおっぱいを俺に押し付けているナルヴィが震える声で言う。



「お前は一回だましたんだ。今更降参してもただでは済まないだろ」

「そうかもしれません。ですが、グレイブ様がドロシー様を助けるだけの時間を得ることはできると思います。そのあとに、王都にいる領主様や盗賊ギルドにいるナナシさんと合流して、私を助けに来てくだされば問題はありません」



 あわてて振り向くと精一杯の笑顔を浮かべながらナルヴィが俺に提案する。この子はなんて忠誠心なのだろうか? 俺は絶対助けにいくつもりだが、それでも怖いに決まっている。

 だけど、その恐怖を乗り越えて俺やドロシーのことを想って自分の身を犠牲にしてまで救おうとしてくれているのである。



「本気で言ってるのか? どんなひどいことをされるかわからないんだぞ」

「私はあなたが悩んでいる時に何もできなかった……ドロシー様が病で苦しんでいる時も自分一人では何もできませんでした。だから、今こそお二人の役に立ちたいのです。あなたたちのメイドとして!!」



 本来のグレイブとナルヴィがどんな関係だったかはしらない。彼がナルヴィをハーレム要員にしようとしたのは最後だった。ひょっとしたら俺の知らない物語でもあったのかもしれない。そして、ドロシーのことで彼女がどれくらい悩んでいたかも俺は知らない。

 これはグレイブの気持ちなのだろうか、俺の瞳から勝手に涙があふれ出す……彼女の忠誠心は本物だと嫌ほど伝わってくるから。



「それに……グレイブ様ならば私を絶対助けてくれるって信じてますから」



 そう、ほほ笑む彼女に俺は胸があつくなる。まるで恋でもしてしまったかのように……


 ああ、くそ……ここまで言われたらやるしかねえよな。


 実のところイリスの倒し方はナルヴィの胸が押し付けられていたことによって、「大丈夫、おっぱい揉む」が発動したせいかすでに対処法は思いついてたのだ。



「ようやくこの状態にも慣れましたわ!! 次で仕留めますわよ」



 イリスがぼろぼろになった柱をかかえながらにやりと笑う。その動きは確かに先ほどよりもスムーズであり、これまでのように簡単に攻撃を避けることはできないだろう。

 俺は意を決して自分のズボンにてをかけた。



「ナルヴィ……俺を嫌いにならないでくれよ」

「何をおっしゃっているんですか、私がグレイブ様を嫌うことなど……きゃぁ♡」



 ナルヴィが可愛らしい悲鳴を上げるのも無理はないだろう。なぜならば俺はたった今ズボンと下着を一気にずり下したからだ。

 そう今の俺はフルチン状態である!!



「ぎゃぁぁぁぁぁ、けがらわしいものを見せるなぁぁぁぁ!!」

「はっはっは、それだけじゃないぞ。これを見るがいい!!」



 悲鳴をあげるイリスにさらに両手でチ〇コをもした剣を握りしめ斬りかかる。引かれていないかなと一瞬ナルヴィをみると、自分の手で真っ赤な顔を覆っているがじっくりとこちらを見ている気がする。

 そして、もう一つ視線を感じるとドロシーがまばたきもせずに俺のチ〇コを凝視してきた。



 やっべえ、美少女たちに見られていると思うとちょっと興奮してきたわ!!



 ちょっとテンション上がって下半身が元気になった俺は意気揚々とチ〇コソードを片手にイリスにきりかかるのだった。



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