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24.VS盗賊ギルド

「ここにナナシさんがいるのですね」

「これ以上は近づかない方がいいかな。多分気づかれるよ」



 馬車に乗って急いで盗賊ギルドの拠点に付き合ってくれたのはローブに身をまとったドロシーと外套を身に着けているベロニカである。いきなりの話だったが二人とも二つ返事で来てくれた。



「ナナシさんを連れ出すですか……彼女は義兄様の夢を共に叶えようと誓い合った仲です。おいて行くと言われてもついていきますよ」

「ふふ、私の予定を気にせずの命令……ああ、たまらないね!! もちろんついていくよ。その……終わったらご褒美とかくれたらうれしいな」



 俺の夢って爆乳ハーレムだけど大丈夫? とか、あくまでお願いベースで命令じゃないんだけど……とかいろいろとツッコミがあるがまあいいとしよう。

 そして、ちょっと嬉しいのは俺の手にあるこのポーションである。



「グレイブ様……お気をつけてくださいね」



 とナルヴィが渡してくれたのであるどうやら俺の身を案じて状態異常を効かなくするポーションを作ってくれたらしい。前世で女の子からプレゼントをもらったことのない俺は最高にテンションが上がった。

 これはやっぱりフラグが立っているのでは……? 疲れたようって泣きつけば「大丈夫、おっぱい揉みますか?」とか言ってくれるのでは……?



「お義兄様……何か不埒なことを考えていませんか?」



 じとーっと湿度の高い目をしたドロシーに見つめられ冷や汗がたれてくる。こいつ勘が鋭いんだよな……助けを求めるようにベロニカにはなしをふる。



「なにを言っているんだ。これから戦いだっていうのにそんなことを考えているわけないだろ? なあ、ベロニカ」

「え!? ああ、そうだね。もちろんだとも。騎士として恥じない働きをしてみせよう」



 うわぁ……こいつ絶対エッチなこと考えていたじゃん……



「んんっ、我が主の咎めるような視線が気持ちいい♡ とはいえ、私の騎士としての力まで疑われては困るからね。本気でやらせてもらおうじゃないか」

「お兄様……なんでベロニカさんは顔を赤らめているんですか?」

「俺に聞かないでくれ……」



 げんなりした俺をよそに、剣を構えるとまるで散歩にでもいくような軽快な足取りで盗賊ギルドの拠点へと進む。ベロニカがこれ以上は近づくなといったラインを踏んだ瞬間だった。

 


「うふふ、悪いけどここを通すわけにはいかないわ!! グレイブ=アンダーテイカーあなたの器を見極めさせてもらう!!」



 女性の声と共に背筋がぞくっとする感覚と共に何かが遠くで光って飛んできて……


 

 カキィン



 というと音ともに投げナイフが宙を舞う。ベロニカが飛んできたナイフを切り払ったのである。そして、彼女はそのまま空中でくるくると回っているナイフを蹴り飛ばすと、壁に潜んでいた女に突き刺さった。女ははうめき声をあげて、しばらくぴくぴくとしていたがやがて動かなくなる。

 ベロニカつよ!!



「ふむ、マヒ毒だね……君たちも私たちを殺すつもりはないようだ。これは私たちの……いや、我が主の力を見極めようって魂胆かな。隠れても無駄だよ。出てきたまえ」



 剣を持っていない方の手でかかって来いとでもいうように、手のひらを上にして指をまげて挑発するベロニカ。

 それに反応したのか、四、五人の盗賊が現れるもあきらかに気おされているのがわかる。



「ベロニカさん、すごいですね……」

「ああ、さすがはアテナ騎士団の団員だな」



 驚愕の声を漏らすドロシーに同意する。ゲームでも無茶苦茶強いし、かっこよかったんだよ……こんな風に騎士っぽい姿を見ていると、時おり見せる痴態が夢のようである。

 だが、その直後に夢ではないとちゃんと教えてくれた。



「ふん、いくら腕が立とうが、この人数相手に勝てると思わないことね!!」

「ふふふ、主からもらった鎧を身に着けた私に敵はいないよ」



 外套をばさーっとかっこよく脱ぐとそこにはもちろんビキニアーマーをみにつけた体が晒される。豊かなおっぱいに、健康的なふともも、鍛えられた無駄な肉のないおなかにそして、豊かなおっぱいが視界にはいる。



「なんて格好をしているのよ!! 痴女!?」

「くっそ、貴様もだが、主も変態でしょ!! こんなやつにナナシを任せられないわ!!」

「んんっ♡ 侮蔑の言葉が!! 冷たい視線がたまらない!! 君たちの視線はここで釘付けにさせてもらおう!!」



 熱をおびた奇声をあげるベロニカに、感情を乱さないようにとトレーニングを受けているはずの盗賊たちがドンびいている。

 てか、俺の評価もさがってない? とはいえだ。ここで陽動するという任務ははたしてくれた。俺たちは裏からこっそりと忍び込めばいい。



「ん……? どうした?」



 いきなり、服の裾を引張られて振り返るとドロシーがなぜかほほを膨らましていた。



「お兄様がベロニカさんのあの鎧を作ったんですか……?」

「え、ああ、そうだが……それには事情があってだな……」



 やばい、このままでは俺が好きこのんでベロニカにビキニアーマーを着せている変態だと思われてしまう。エロゲの世界とは言えやはりやべえ格好だからな。懐いている妹に変態扱いはシンプルにつらい。

 

 ビキニアーマー大好きなのは本当だけど!!



「いいなぁ……お義兄様、私にも作っていただけませんか?」

「え? ドロシーには似合わないと思うぞ」



 だって、胸当てがスカスカになっちゃうと思う。



「そうじゃないです!! ああいう格好はさすがにはずかしすぎます。そうではなくてですね、私もお義兄様が作ってくれたものを身に着けたいんです!!」



 顔を真っ赤にして、声を上げるドロシーを見て思わずにやにやとしてしまう。こいつ可愛いなぁ……貧乳なのは残念だが懐いてくれているのは素直にうれしい。



「そうだな。戦いが終わったら何かつくってやるよ。ナナシにもプレゼントするか」

「うふふ、そうですね。でしたら彼女とおそろいのものとかだと嬉しいです」



 そんなことをはなしながら、俺たちは足跡を忍ばせて盗賊ギルドの建物に向かい……違和感に気づく。ひとの気配が少ないのはベロニカが圧倒的な力でその存在感をしめし、大人数がその対応に追われているからだろう。



「お義兄様……この中からあの時の……邪神の気配を感じます」

「まじかよ……」



 ドォンと乱暴な音をたててドアが開く。そして、一人の女が必死の形相で何かから逃げるように飛び出してきて……



「ひぃぃぃ、誰かたすけ……」




 それを追いかけるようにして扉から出てきた触手によってとらえられるとそのまま引きづりこまれていく。俺のはその光景に見覚えがあった。



「お兄様……今のは……」

「ああ、今のは敵の召喚魔法だよ。異世界から魔物を召喚したんだ」

「そんな……召喚魔法は失われた技術のはず……何者なんですか?」

「テュポーン教団が幹部『六奇人』が一人、『異界の調停者』だ」


 

 ゲームではきもい触手を持つ魔物……『海魔』を召喚してはプレイヤーを苦しめた強敵である。ゲーム中盤にあらわれるはずだというのになんでこんなところに……

 ちなみにそいつのネット上の通称は『エロトラップダンジョンメイカー』である。



「ああ、そうか……このタイミングだったのか!!」



 そして俺はゲームで、盗賊ギルド襲撃事件があったことを思い出す。一人の才能のある盗賊が邪教にさらわれて洗脳されてしまうのだ。

 メインキャラでもなかったし、ゲームでも一文ほどの説明だったから失念していた。


 ナナシは無事だよな……嫌な予感を流しながらも俺は扉をにらみつけるのだった。




ベロニカさん書いているのくっそ楽しい。


ランキングがみなさんのおかげで七位になれました。

ただ、もう少しで6位と5位まで100ポイント差……


ワンちゃん表紙の五位にのれるので、頑張りたいです。

五位になるといっきにみんなにみてもらえるようになるんでモチベがむっちゃ上がるんですよね……


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