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11. 父への提案

「どうぞ」

「ああ、ありがとう」



 ハーブティーの入ったカップが置かれ、俺は父と対峙し本題に入る前に世間話する。



「最近は鍛錬も順調なうえに、加護にも目覚めたようだな。私も父として鼻が高いぞ」

「ありがとうございます。父上が探してくださった先生が優秀だからですよ」



 俺をほめたたえる父の言葉に謙遜しながら先生を褒める。だって、万が一首になったら娘の爆乳騎士と会えなくなるからな。

 それに先生として優秀なのは事実だ。嘘は言っていない。



「ドロシーと一緒に社交パーティーに出たいとのことだったな。構わん、許可しよう」

「ありがとうございます。可愛い妹だけでの参加では悪い虫がついたらと不安でしたからね」



 そう、俺は貴族から招待状を受け取ったドロシーの付き添いをする許可をもらいにきたのである。もちろん、世間知らずな妹が心配だという事も少しある。

 だが、そのパーティーでは俺の夢である爆乳ハーレムを作るために必要なとあるイベントがおきるのだ。



「それと盗賊ギルドから護衛を一人とのことだったな……お前好みの女を手配しようではないか」

「ありがとうございます!!」



 まじか!! もしかして爆乳シーフがやってくるのだろうか? おっぱいでかかったらハーレムの一員にくわえたいものである。



「それにしても……あの子もようやく前を向けるようになったのだな」



 まるで重荷が下りたかのように、だけどどこか嬉しそうに笑う父を見て、俺は気になっていたことを訊ねる。病が治ったからドロシーを政治的に利用する方向に切り替えようとしてる可能性も少しだけ考慮していたが、この表情で違うと確信できたからだ。



「父上はドロシーのことを厄介者だと思っていたのではないのですか?」

「そんなはずがあるか!! それならばこの家に招き入れるはずがないだろう? あの子の母とは親しかったのに、何もしてやれなかった。その罪滅ぼしだ。まあ、全てを拒絶しているあの子とどう接すればいいかわからず、放置したのは事実だがな」



 どこか自虐的に笑う父の姿は何かを懐かしむようで、悔いるような複雑な表情だった。ドロシーの母はアンダーテイカー家の分家の人間らしいし、それなりに親しかったのだろう。

 今思えば、ドロシーは衣食住はもちろん、薬なども定期的に与えられていたのだ。本気で厄介に思っていたらそんなことはしないだろう。ちゃんとした生活をしていたからこそ、治療薬を飲んですぐにあんなに元気になったのだ。



「だからお前には感謝しているのだ。グレイブ……ありがとう」

「父上……」



 俺はナルヴィの好感度を稼ごうとしただけです!! と言うわけにはいかず困惑しまう。それに、グレイブの記憶だと父がこんな風に感謝の言葉を彼に行ったのは記憶にない。不思議と胸の奥がぽかぽかしてきやがる。



「それにしても、最近ドロシーとやたらに仲が良いみたいじゃないか」



 父がニヤッと笑った。なんか嫌な予感がする。



「ええ、たまたま彼女の病を治すことを手伝ったからか懐かれたようです」

「ふふ、まさか、お前が貧乳好きとはな……おっぱいに貴賤はないというが、意外だったぞ。お前はてっきり俺と同じ性癖の持ち主だと思っていたからな」

「は……?」



 俺はどれだけ間の抜けた顔をしていただろうか? 俺は爆乳派だが? 貧乳はお呼びでないが? こちらの反応にわかっているとばかりに父は言葉を続ける。



「ふふ、思春期だな。恥じることもあるまい。夜遅くにドロシーが、背伸びした格好でお前の部屋を訪れているとはこの屋敷の人間ならばみな知っている。いい年をした男女がベッドを共にして、何もないはずがあるまい」

「いや、あれはドロシーが一人では寝れないと言っててですね……」



 あれ……無茶苦茶誤解をされてるんだけど!! エロゲの世界でもやっぱり良い年の兄妹が一緒に寝るのはおかしかったのかよ!!

 俺が必死に真実を語るも父は愉快そうに笑っている。



「男同士なのだ。別に隠さないでもいいではないか。それに気持ちはわかるぞ。義理とはいえ妹との禁断の関係!! しかも、命をかけてまで救った相手だ。燃えるだろう!! 俺は貧乳の良さはわからないが、シチュエーションの良さはわかるぞ!! 『流石です、お兄さま』とか言われているのだろう!? 最高ではないか!!」

「さすがはご主人様ですね。器がでかい」



 よくわからないことを熱弁する父に専属メイドがぱちぱちと拍手する。そのたびに谷間が揺れるから目の毒だ……じゃねーよ!!

 さすがはエロゲだ。倫理観がバグってやがるぜ!!



「義理とはいえ兄妹なんですよ!! 普通の親だったらおこるところでしょう!!」

「なぜだ? 別に血はつながっていないのだからいいではないか? それに屋敷の人間もみな祝福しているぞ」



 祝福だと……? 困惑してた顔で専属メイドを見るとすました顔で答えてくれる。



「はい、グレイブ様が頭をうってから嘘のように私たちの胸元を見なくなったので、もしや男色に目覚めたのか? と噂が飛び交っていましたのです。今は、ああ、シスコンであり、ロリコンでよかったと、皆安堵しています。男色ですと後継者問題がややこしくなりますからね」

「すました顔でなにいってんの? あんたさてはドSだな!!」



 俺の言葉に専属メイドがにやりと笑う。てか、屋敷の人間皆に誤解されているのかよ!! そりゃあナルヴィだってありがとイチャイチャしに来ないわけだよ。ドロシーにむっちゃ気を遣いそうだもん。

 もしかして俺とドロシーと仲が良いとナルヴィのフラグがたたないのか? だめだよぉぉぉぉぉぉ!! 俺は爆乳とイチャイチャしたいんだよぉぉぉぉ。セックスはできないけど!!



「二人とも聞いてください!! 違うんです。俺は巨乳が……いえ、爆乳が好きなんです!! いつもはスケベだなって思われないように隠して、胸を見ないようにしていただけなんですぅぅぅぅ!!」

「良い良い恥ずかしがるな。それに照れ隠しでも自分の性癖を偽るのは男として恥ずかしいぞ」

「そうですよ。ここだけの話ですが、先ほどもご主人様はあなたに見せるためにあえて、この時間にプレイしていたのですよ」

「それはまじで聞きたくなかった……」



 専属メイドが鞭を指さすと父が顔を真っ赤にする。すっげえ、うぜえし、きめえ……



「あんたはもっと自分の性癖を恥ずかしがれよぉぉぉぉ!!」



 俺のツッコミが屋敷中に響きわたるのだった。屋敷でのロリコンという誤解を何とか解かないと……このままでは爆乳ハーレムが遠のいてしまう。てか、ドロシーのやつ狙って俺の部屋に来たとかないよな……? 

 ちょっとおそろしい想像をしてしまい、慌てて頭をふるのだった。




 翌日、俺はドレスルームへと向かう。屋敷内でのロリコンシスコン扱いは即座には解消は難しそうだったが、すでに次の爆乳ハーレムの対象と仲良くなるための行動に出ていた。

 そう、ドロシーが招待されたパーティーには警備としてアテナ騎士団の団員がいるのだ。そして、俺は彼女が危機に陥ることを知っている。

 そこで助ければ爆乳騎士に恩を売ることができる上にありがとイチャイチャだってできるだろう。しかも、それだけではないのだ。俺の策略通りにいけば……みんな大好きなあれができるのである。



「ふははははは、待っているがいい!! 爆乳くっ殺プレイをやってやるよ!!」



 そう、正義感の高い爆乳女騎士が俺に「くっ、殺せ」と言いながらご奉仕してくるのだ。最高すぎないか?

 そんな俺は調子にのっていたため、後ろから近づいてくる存在に気づかなかったのだ。



「お義兄さま……何を笑っているんですか?」

「うふふ、グレイブ様がご機嫌そうで嬉しいです」

「あーそれはだな……」



 俺があわてて言い訳をしようとすると、ナルヴィがわかったとばかりに手をぽんと叩き豊かな胸が揺れる。



「ドロシー様と一緒にパーティーに出るのがそんなに嬉しかったんですね!!」

「本当ですか!! お義兄様……私も嬉しいです」

「あ、ああ……」



 顔を真っ赤にしているドロシーが腕にだきついてくる。またロリコンシスコン扱いされるじゃねーかと思ったが、まさか否定するわけにもいかずあいまいにうなづくしかできなかった。



「ちょうどいいですし、一緒に服を選びましょう!!」



 そして、嬉しそうなドロシーに腕をひっぱられるのだった。







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[一言] エロゲって頭悪くて最高やな
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