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屋根付きベランダ駅より徒歩1時間20分
狐の嫁入り 空高みより
雨の降りよる 晴れの昼
籐の椅子を持ち出して庭を眺めると
妻の植えた花が咲いていた
雑草に負けじと色鮮やかに咲いていた
純白の微笑みで慈雨を迎える その花
私はその花の名を知らない
小さな体で風に身を揺らす その花
私はその花がいつ植えられたのかさえ知らない
ただ その花を植えた人だけを知っている
赤い実つけるあの木には 蜘蛛の巣
中央におわすは八本脚の タナトス
ベランダの屋根から滑る雨だれが時を刻み続けていた
コツ コツ コツ コツ コツ コツ
時はすでに手遅れだろうか
コツ コツ コツ コツ コツ コツ
主人をうしなったこの庭に 私は立てるのだろうか
コツ コツ コツ コツ コツ コツ
お天気雨よ 日照りの雨よ しめやかなる空よ
私の気が変わらぬうちに そこから雨粒拭っておくれ