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闇竜と騎士団  作者: 山﨑
174/292

174話

国王が革命軍宛に書いた親書には大まかにこの様な内容が記載されていた。


一つ、伯爵家の者を全員ドラグ騎士団に引き渡す事。

一つ、伯爵家の不正等については国が調査を行う事。

一つ、後から派遣される代官がしばらく領主の代わりをする事。


上記の事が革命軍に承認されるのであれば罪には問わない事も明記されていた。

しかし、これを決定事項ではなく革命軍と国との交渉だと思っていた彼らは、親書を届けたドラグ騎士団の心象を大きく損なってしまう。

四番隊隊長サイサリスが館を出た後、革命軍の主要人物たちから散々に責められたリーダーは、死にたくないと悲壮に暮れる革命軍を宥めつつもサイを呼び止めるよう部下に指示を出していた。


だが。戻って来た部下はドラグ騎士団の誰一人も連れて来てなどいなかった。

このままでは一族郎党処刑されてしまうと焦るリーダーだったが、落ち着いた様子でリーダーに話しかける者がいた。


「何を慌てていらっしゃるのか。こちらには水帝がついているのですよ?ドラグ騎士団など彼の手にかかれば赤子の手を捻るようなもの。そしてそのままこの領地は独立を宣言すればよろしい。」


そう言う男は、貴族のように上品なスーツを着ていた。歳は初老に差し掛かった頃であろうか。フリルのついた袖と胸元からは金銀に輝く宝飾品が見えている。

でっぷりと太っているかと言われればそうではなく、寧ろ細身なそれは華美な服で隠していても分かってしまう。


彼は革命軍への出資者。つまりはパトロンだ。

伯爵家に仕える私兵も巻き込んだ反乱がここまですんなりと上手くいったのには相応の理由があった訳である。だが、革命軍の面々はこの男が一体何者なのか知らされていなかった。


「そ、そうか。水帝殿がいた…!彼は今どこに?」


絶望した表情から一変、リーダーの顔には一縷の希望が宿っていた。如何に護国騎士団と言えど、冒険者最強の一人には敵わない。そう思える程度には、帝という立場は民からすれば隔絶した存在だ。


「リーダー。水帝殿なら地下に向かったって報告を受けてる。侵入者がどうとか、って言ってたらしい。」


二人の会話に気付いて口を挟んだのは、ガタイの良い大柄の男だ。彼も革命軍の主要人物の一人である。


「そうか。ならばすぐに呼び出してくれ。いつドラグ騎士団と戦闘になるか分からん。お前たちも戦闘準備を。」


リーダーがそう言えば、悲嘆していた革命軍はすぐに動き出した。誰だって死にたくなどない。自身の手で家族の命を救うのだ、と誰もが気合を入れていた。


「ククク…。これでドラグ騎士団も終わりだ。私の恨み、倍にして返してくれるわ…。」


幸か不幸か、その呟きはドタバタと動き出した革命軍の耳には入らなかった。貴族のような男の嫌らしい笑みだけが気になったリーダーだったが、これから来る戦闘に意識を取られすぐに忘れてしまうのだった。













「サイ。そちらの首尾はどうだ。」


領都の外に設営した簡易野営地にスタークが戻って来ると、そこには革命軍と会っているはずのサイが既に戻って来ていた。

これは何か問題でもあったか、とスタークが声をかけるが、サイはいつもと変わらぬ笑顔だった。


「おつかれさま、スターク。こちらは思った以上に革命軍の頭が悪かったせいで決裂よ。おそらく伯爵家を人質にこちらへ攻めてくるわ。そちらは?皆んなの怪我は治ったかしら?」


サイが言っているのは地下での戦闘の事だ。竜化して戦ったのだから、魔力が地上まで漏れていても不思議はない。そもそも、地下で使用したのは遮音結界だけなのだから。

これは戦いの結末まで分かって言っているのだと気付いたスタークは、サイを安心させるように笑みを浮かべて頷く。するとサイは安心した様に笑みを返した。


「相手は水帝だった。どこで雇われたかは知らんが、こちらを闇竜の眷属と言っていた。であるならば、彼奴は水竜の眷属だろう。その力を発揮する前に倒してしまったが。」


サイは地下で戦いが起こった事も隊員が負けた事も、そしてスタークが敵を倒した事も気付いている。しかしその相手が水竜の眷属だとは思わなかったようだ。驚いたように目を開き、スタークの表情を見て嘘ではないと分かって開く口を手のひらで隠した。


「本当に?いえ、貴方がそんな嘘は吐かない事くらい知っているわ。けれど…。何故水帝が今?彼が水竜の眷属である事はカサンドラがそう予想していたから分かるの。でも、このタイミングで革命軍の手助けをする理由が分からないわ。」


驚きはしたものの、事実をすんなり受け入れて考察までするサイの頭の回転は速い。様々な状況や立場から水帝の行動理由を推し量ろうとするも、サイには分からなかったようだ。

実際に対峙したスタークなら何か掴んでいるのでは、とスタークの顔を見れば、スタークも同じ様に何やら考えている様子だった。


「おそらくだが、水帝自身は私たちの力が見たかったのだろう。頻りに竜の力を見せろと言われたという報告を受けている。実際、隊員たちは竜化しても負けたのだから相当に強かった筈だ。」


スタークはそこで一度言葉を止めると、考え込んでいるサイを見た。相変わらず彼女は悩む姿も美しい。雪景色の景色に咲いた金の薔薇のようなその髪は、二日以上騎獣に跨って移動して来たとは思えない艶を維持していた。


そんなスタークの視線に気付いたサイはふと目を上げ、ごめんなさい、と考えに没頭していた自身を詫びる。気にしていない、とスタークが首を振れば、サイは細い指を顎に当て数秒考えた後ゆっくり口を開いた。


「水帝を革命軍に繋いだ者がいるわね。そしてその人物はまだあの館にいる。戦闘が始まれば逃亡するわ。もしくは水帝が破られたと聞いたら、ね。」


「あぁ。そう思って部下を館に残してある。報告によれば貴族のような服を着た男がいるらしい。今はその者の監視と、貴族の顔が分かる奴を監視に送っている。本当に貴族ならそれで身元が分かる筈だ。」


サイの推理に、スタークは澱みなく対策を返す。サイとてスタークがそこまで思いつかないなどと思っておらず、その対策も頷く事で同意を示した。今回のリーダーはスタークのため、サイに許可を取る必要など無い。しかしそれでも情報の共有をするのはドラグ騎士団の方針である。

この情報は二人の横で聞いていた副官から各中隊に伝達される。そして小隊に届き、最終的には全員が流れを把握するのだ。

命令にのみ従っていれば良い他の軍隊と違い、ドラグ騎士団には現場の判断を求められる事が多い。その時に情報があると無いとでは大きく違うためである。


「ならリーダー。この次の私たちの行動は?」


サイは緩やかに微笑んでスタークに問う。その質問すら予期していたとばかりに、スタークは一つ頷いて作戦を告げた。













「待たせたな。さて、ヴェルムの話を聞こうか。…と、その前にユリアよ。私にも茶を淹れてくれ。」


グラナルド王城内、国王の執務室。急に訪れたヴェルムを待たせて仕事をしていた国王は、キリが良い所まで仕事が済んだのか、もしくは愛娘と楽しく談笑しながら茶を飲むヴェルムに集中を切らしたのか。ユリアが来てから僅か三十分程でペンを置いた。

そんな国王を呆れた様に見る宰相を見れば、どうやら後者であるらしい。しかしそんな目は意にも返さずソファまでズンズンと歩み寄った国王。一人がけのソファにドカッと座って娘に紅茶を要求した。


そんな国王に驚いた様子を見せたユリアも、すぐに優しく微笑んで紅茶が入ったポットに手を伸ばす。彼女が保有する魔力は聖属性に偏りすぎているため、国民の殆どの者が出来る物を温める魔法が使えない。

このような生活に根差した魔法を生活魔法などと呼んだりもするが、それはあくまで俗称だ。

そんな俗称生活魔法が使えない者は多くないものの、それでも一定数存在する。加温の魔法火属性のため、火属性が無い者も使えない。そんな時に便利なのが、ユリアが現在手を翳しているポットだ。

中に入っている物を温めるというだけの魔道具。外部に取り付けられた魔石に魔力を込めれば誰でも使える上、温度は込めた魔力の量に依存する。つまり、丁度いい温度に温め直す事が出来るのだ。

水なら沸騰させ、紅茶なら飲みやすい温度に。丁度いい温度にするためには込める魔力を調整する必要があるため練習が必要にはなるが、貴族や富豪に仕える使用人たちからは絶賛の嵐である。何より、薪を使ったり魔石を使用したコンロで沸騰させるよりも早く温まる。主人を待たせない事が使命である使用人たちの反応は、開発したドラグ騎士団が驚く程のものだった。


そんな魔道具ポットで紅茶を温めた後、新しいカップに注いで国王の前に置くユリア。それを嬉しそうな目で見る国王だったが、続いてもう一つカップを用意し始めたユリアを見て落胆した。

貴族の前では威厳のある凛々しい国王だが、娘を前にした彼はただの親バカである、というのは国の上層部にいる者ならば周知の事だ。


もう一つ淹れたカップを宰相に渡したユリアは背を向けていて気付かない。宰相に向かって鬼の形相を浮かべる国王に。

宰相は笑顔でユリアからカップを受け取りながらも、理不尽な上司の事で頭を悩ませた。

紅茶を受け取った今、見る者を射殺さんばかりの視線に耐えなければならない。しかし受け取らねばそれはそれでユリアの淹れた茶を飲めぬと言うのか、と叱られる未来が視える。

唯一助けてくれる可能性があるヴェルムをチラリと見れば、分かっている、と言わんばかりにウィンクが返された。

それだけで何故か心の底からホッとする自分がいる事に、宰相自身も驚いた。


「さて、じゃあ早速報告するよ。」


困惑する宰相や、そんな宰相を睨むのに忙しい国王はヴェルムの一言で現実に引き戻された。

そうして始まったのは、グラナルド東部の伯爵領で起こった民の蜂起とその結末についてだった。













「スターク。彼は倒したんじゃなかったの?見る限り元気いっぱいだけど?」


雪原に立つ走竜に跨るサイは、若干の恨みが籠った視線をスタークに投げた。彼女の言う通り、水帝は革命軍を引き連れ先頭を走ってこちらに向かって来ている。

帝を示すローブを着ていないという事は、あくまで彼個人としてこの戦いに参戦しているという事なのだろう。ある意味、そちらの方が都合の良いドラグ騎士団ではあるものの、五隊の隊員が数人がかりで倒せない相手が先頭を走っているというのは見ていて気持ちの良いものではない。


「あー、その筈だったんだがな…。腹に穴を開けた程度では直ぐに復活するらしい。流石は竜の眷属か。」


語尾が消えそうになる程弱々しく言ったスタークだが、それで許される訳ではなかった。サイが跨る走竜よりも大型の走竜に乗るスタークは、自身の身長もあってサイよりかなり高い位置に顔がある。

しかしサイの斜め後ろにいる副官からは、何故かスタークがとても小さく見えた。


「竜の再生力は貴方もよく分かっているでしょう?これで部下に怪我人が出たらどうするの。帰ったら貴方も特訓の必要があるわね?」


美人が凄むと怖い。スタークはこの時改めてそう思った。

だがそんな事を考えていても目の前の水帝は止まらない。自身の落ち度は自身でケリを着けねば、とスタークが考えた所で、横からふと声がかかった。


「スターク隊長。貴方は今回の総司令っすよ。あの程度なら俺でも余裕なんで、我が麗しの隊長のご機嫌でも取っててください。」


そう聞こえたかと思えば、その言葉を発した人物は騎獣に乗ってスタスタと前に出て行った。その男、普段は軟派な態度で注意を受ける事も多い。しかし医術に長けた四番隊の中で最も高い攻撃力を誇るこの男は、本来なら隊長の副官などに収まる人物ではない。

本人の熱い要望があって副官に配されているが、本来なら零番隊にいてもおかしく無い程度には実力がある。


「さぁて、麗しの隊長には笑顔でいてもらわねぇとな。て事で水帝さんよ。お前はここまでだ。」


隊長二人を背に騎士団が組んだ陣形の前方に来た彼は、ポツリとそう呟いた。そしてその瞬間、彼の頭上から眩い光が生じた。

輝く太陽のように周囲を照らしたかと思えば、急に収束して革命軍の先頭を走る水帝の胸に真っ直ぐ伸びたその光。ジュッという音がしたかと思えば、次いで悲鳴が雪原に響き渡った。


ぎゃぁぁああああ!!!


そして悲鳴と共に崩れ落ちる水帝。先頭を走っていた水帝は、革命軍にその立場を明かしていた。それが裏目となったかのように、革命軍へ一気に動揺が走る。

元気よく城門から出撃して来た革命軍は、たった一発の魔法で士気を挫かれたのだった。そしてそれに追い討ちをかけるようにドラグ騎士団が動く。雪上でも素早く動く騎獣に跨る騎士団、瞬く間に革命軍を包囲殲滅していく。

全面闘争になる筈の戦闘はこうして呆気なく終えたのである。







「頼むっ!この革命は俺の独断だ!コイツらは何も悪くない!だから、俺の首一つで勘弁してくれ!」


戦闘とも呼べない戦闘が終わって一時間後。サイとスタークは領都で一番大きな館に戻って来ていた。

目の前には魔力を封じる手枷を付けられた革命軍のリーダー。そしてその後ろには数人の主要人物が同じ様に後ろ手に手枷を付けられて座っていた。


「なっ!リーダー!俺たちは皆で話し合って革命を起こしたんだ!リーダーだけの責任じゃねぇ!」


「そうよ!リーダーに守ってもらってばかりの生活だったのよ!?最期まで守ってもらってちゃ、私たち何も返せないじゃない!」


そうだそうだ、と喧しい革命軍に、お前たち…、と涙ぐむリーダー。死んでも一緒だ、と叫んだ大柄の男を筆頭に革命軍は涙を流して来世での再会を約束などしていた。


だがそこに、極めて冷静で平坦な声がかかる。声の主はスターク。

短く切った茶髪が重力に逆らって立っているのは、何もそういうヘアスタイルにセットした訳では無い。スタークはこの髪型が良いよ、とリクに言われて以来ずっとそうしているだけだ。そしてそれを師匠と呼ぶ零番隊部隊長のゆいなから似合っていると言われたからでもない。多分。


厳しい顔つきのままスタークが発したのは、己の運命を死のみと思い込んでいる革命軍の涙を引っ込める言葉だった。


「何を勝手にゴチャゴチャと言っているかは知らんが…。お前たちの運命は決まっている。最初に国王からの親書を渡しただろう。それ以外にお前たちのするべき行動は無い。本来ならば不正をしていた伯爵一家を摘発した勇気ある者として表彰されるはずだったが…。戦闘までした以上それは無くなった。だがお前たちにあるのは早とちりで私たちに剣を向けた事のみ。それも結局こちらは誰一人怪我などしていないため、罰などは軽度になるだろう。」


話し始めてからすぐに革命軍の意識を集めたスタークは、ここで一度話を切った。そして唖然とする面々の顔を見回した後、一つ頷いてから話を続けた。


「筋書きとしてはこうなる。お前たちは伯爵家の不正を国に摘発。革命を煽った元子爵の甘言によってドラグ騎士団と争うも、元子爵の捕縛により誤解を解いた。ドラグ騎士団とは和解。そして国王からの親書に従いやがて来る代官を歓迎する。伯爵家と元子爵はドラグ騎士団に引き渡す。そしてお前たちは言った。"伯爵家が法の元で正しく裁かれる事を願います"と。」


それは国民に向けて発信される予定の話だった。革命軍とて元はただの一般人だ。しかしこの国は幼年学校に通う義務があるため、多少の読み書き計算は出来る。故に本なども読む事が出来るため、彼らの地頭は悪く無い。

真実がどうであろうと、それが国の決めた内容ならば文句など言えない。何より、国賊認定された筈の己らに恩賞が出るのだ。何も文句など無い。


先ほどまで悲嘆に暮れていた彼らは急に元気を取り戻した。

彼らの流す涙が悲しみではなく喜びに変わっている事に本人たちは気付いているのだろうか。

一度死を覚悟した者の見せる決意と、そこから救われた者の安堵の涙はスタークにとって苦手な物の一つだ。スタークは喜ぶ彼らから目を背けて部屋を去る。ワイワイと騒がしい部屋を出る際、リーダーがこちらに向かって深々と頭を下げているのが目に入った。


「馬鹿者。お前たちが本当に大変なのはこれからだ。」


スタークがそう呟いたのを聞いていたのは横に立つ副官のみ。そんな副官も聞こえぬフリをした。


隊長はお優しいですから。国民が国賊認定されて家族と共に死ぬ結果になるのは望まないんですよ。あの結果になって一番ホッとしてるのは、我が隊長とサイサリス隊長じゃないですかね?


後にそう溢した副官がいたとかいないとか。

お読みいただきありがとう御座います。山﨑です。


明けましておめでとう御座います。山﨑は正月も仕事で更新が出来ず。大変ご迷惑をおかけしました。

昨年は何度も更新に穴を開けてしまいまして、楽しみにしてくださっている読者様を落胆させる事もありました。

誠に申し訳ございません。


しばらくは忙しい日々が続きますが、ゆっくりとでも更新していきたく思っております。

乱文、駄文でお見苦しい点も多々あるかと存じますが、本年もどうぞ山﨑とドラグ騎士団の活動を見守って頂ければ幸いに御座います。


本作品がみなさまの日常の一つの華となりますよう。

山﨑

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