スーホと白い馬
昔々、モンゴルにスーホという男がいました。
スーホは寝てばかりでたまに起きては馬乳酒を飲む自堕落な生活を送っている男でした。
栄養は馬を殺して食べていました。
ある日、その噂をききつけたフビライハーンは頭を抱えてこう言いました。
「ころせ」
スーホは困りました。殺されるのは嫌です。そこで思いついたのは、フビライハーンの馬を食うことでした。
こっそり拠点に忍び込み、スーホはフビライハーンの大切にしている白い馬を解体しました。
音もなく忍び寄り喉に杭を一突きしたので、馬はいななく間もありませんでした。
朝になり、フビライハーンは悲しみました。その涙はモンゴル帝国を湿らせるほどで、フビライハーンはスーホのことなどすっかり忘れてしまいました。
こうしてスーホは平和に寝てたまに馬乳酒を飲む生活を取り戻し、今でもたまに起き上がっては馬を殺して食べているのです。