十三話。都市伝説の全貌
和希は、話を進める。
「その共通点は、模様だった。
消えていった人たちの身体には、黒いほくろのような、痣のような、刺青のような模様が浮かび上がっていた。出現場所は、首筋、足首、背中と様々。
そして、その模様の総称は'デュアージュ'と呼ぶらしい。」
「.....デュアージュ。」
冬馬は、名前を口に出す。
脳内で、反復されていく言葉。
「それって.....。」
冬馬は、自分の怪しい腕を見つめた。
「そう。まさに、今の冬馬の身体で起きている現象そのものだと思う。
つまり、デュアージュは、異世界行きの切符の役割をしてるみたい。」
和希はそう言うと、椅子から立ち上がった。
「これが、話の全貌。分かった?」
「あー、なんつーか、まとめるとこうだよな?
俺は、異世界に飛ばされる。」
「あは、要約しすぎだけど、ま、そう言うこと。」
「そもそも、異世界って何だよ。
ラノベとかじゃ、お決まり文句みたいなとこあるだろ?
異世界、つまり、地球以外の世界ってことか?
とれとも、タイムワープしても空間が違うから、異世界なのか?」
異世界の定義について、冬馬なりに解釈を広げていく。
「ふーん。意外と、動揺しないんだ。」
その様子を見て、和希が茶化す。
「いーや。マジすげー作り話だと思ってる。ただ、いまいちピンとこねー。」
「ん?」
ここで、冬馬は疑問に思った。
「つまり、俺はクズ男って言うわけじゃ無いってことだよな。」
「いや、クズでしょ。」
間髪入れずに、ツッコミが入る。
「いーや。異世界に選らばれし者。天才でチートじゃなきゃおかしいじゃん。
くぅー。俺の時代、キター!!」
「それこそ、クズの考え付きそうな事だよね。」
「何だと?」
「あー、はいはい。落ち着こうね。単細胞の単純思考回路野郎の冬馬くん?」
「ぬぐぐぐぐ。」
完全に、馬鹿にされた。あー、腹立つ。
「まあ、お前は学校じゃ優等生だしな。クズの俺様とは正反対だもんな。」
「そうだね。校内トップと学校一の馬鹿には、天と地の差があるね。」
「くっ。」
話が、あからさまに逸れてきた。
もはや、この言い争いで冬馬に勝ち目は無い。
そんな事を思っていると、冬馬には、ある一つの疑問が生まれた。
それにしても、いくら和希が秀才で勉強が出来ても、
あんな都市伝説を1から10まで把握しているものなのか?と。




