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田舎娘ミレーヌが妖精になるまでの物語  作者: 葉裏
第一章 見かけは十才の女の子
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キノコの収穫結果

着替えの服を着ていたことに対してミレーヌは苦し紛れに架空の人物を作り出します。

 私は自分の着ている服を見てから顔を上げる。

ミレーヌ「ああ、これかぁ。実は間違って谷川に落ちてしまってね。

 ずぶ濡れになったとき、女の冒険者がやって来て助けてくれたんだよ。

 とにかく着替えを持っていてそれ譲ってくれたんだ。

 助かったよ。濡れた服は預けて来ちゃった」

ラルズ「その人ってキノコ採りに来てた冒険者ですか?」

ミレーヌ「いや……あの中にはいなかったな。奥地から来たって言ってた。また戻って行ったけれどね」

ケリー「奥地って、人が生活できるような所じゃないよ。そんな所から来て、また戻って行ったって信じられない。どんな人? 名前聞いたんですか」

ミレーヌ「名前を聞いたら、笑って何も教えてくれなかった。でもとっても綺麗な人だった。まるで吟遊詩に謳うわれているウェスティーネのようにね」

ケーン「ウェスティーネって?」

 そこで私は集合場所に向かいながら『麗しのウェスティーネ』の叙事詩のさわりを要約して話してやった。

 少年たちは目を輝かせて話に聞き入っていたが、ラルズが変なことを言った。

ラルズ「俺はウェスティーネのような美人よりもミレーヌさんのように可愛い女の子が良いと思う」

ミレーヌ「うぐっ……ごほごほっ」

 これには私は思わずせき込んでしまった。急いで話題を変えてキノコの後処理について話した。

「 リクラエ茸はリクラエの針葉樹の枯葉塗れになっているから、それを取り除くと即商品として売れる。

 でも傷みやすくなるから水で洗い流したりしちゃいけない。そこは布で磨くようにして綺麗にするの。

 ニリ茸は筆や羽毛のようなもので埃を払うようにすること。

 これは水に濡れたらすぐ溶けてしまうし、そのまま放置しても傘の裏側が真っ黒になって劣化してしまう。

 すぐにでも料理して食べると良いのかもね。

 両方とも石突きの先端の白い菌が付いている所を切り取って、後で採取場所と同じところにばらまいてやると、次に来たときにまた生えてくれるんだよ」

ケリー「ミレーヌさん、そういう処理をすれば商会に引き取ってもらうとき高値をつけてくれるのですか?」

ミレーヌ「そうね。でも表面を綺麗にするだけで良いわ。根の部分をカットすると嫌がる場合もあるから」

ケリー「どうしてですか?」

ミレーヌ「うーん? 多分足が速くなるのかな」

ケリー「えっ?」

ミレーヌ「早く腐ったりして駄目になりやすくなるってこと」

「「「なるほど」」」

 そうこうしているうちに集合場所に着いた。

 私たちが一番遅かったらしく、もうキノコの引き取りも終わっていた。

 やはりおばさんたちは圧倒的に大量収穫をしていた。

二十人いて合計三十キロだというから一人平均一・五キロ採ったことになる。

 キノコってそんなに重くないからそれだけ採るというのは大したものだ。

 冒険者たちは一人平均一キロ未満だったが、奥地に入っただけあって珍しいキノコも何種類か採っていた。

 そのほかにウサギや鳥を数羽ずつ獲って来たのには恐れ入ってしまう。

 さて私たちの番で計量して貰うと、二人に一籠という関係で一人平均七百グラムほどになった。

 この中には私の採った者は含まれていない。

 私は監督専門で僅かしか採らなかったということにした。

 それでもみんなが予想したよりも多かったので驚かれた。

おばさん一「今日初めて採ったのでしょう?

 これは末恐ろしいわ。私たちの商売あがったりになるかもね」

おばさん二「うちの養子にならないかい? 私最近腰が痛くて引退しようかと思ってるんだよ。ねえ、誰か後継ぎにならない?」

 などと勝手なことを言ってるが、概して評判が良い。

 手当も良い額貰えたようで、二の銅鑼どらの時、戻れなかったので弁当を貰って遅いランチにした。

 みんな腹が減っていたらしく、物凄い勢いで食べておばさんたちを引かせていたよ。


 その後休む暇もなく私はキノコ祭りの手伝いに駆け回った。

 時間の関係からキノコの清掃処理はできずにそのまま販売するがその分安くしているので、飛ぶように売れる。

 またキノコを使ったスープも作って即日販売をする。

 そうやってキノコ祭りが終わり、またしてもキンブル氏に呼ばれることになった。 

最後まで読んで頂きありがとうございました。またしてもキンブル氏から呼び出しがかかります。

褒められるだけなら良いけどそうでなかったらどうしよう。

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