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田舎娘ミレーヌが妖精になるまでの物語  作者: 葉裏
第三章 商業国アストラ
43/52

パーティの解散

 私は一角獣ユニコーンの角をビーチェに渡すために、どうしたら良いか知っている。

 一角獣ユニコーンの死体は腐ってなかった。

 私の収納亜空間から出して見せたとき、それはまだ血も乾いてないほどの新鮮な死体だった。

 いつのまにか時間凍結の機能まで備わった収納亜空間を身に着けてしまっていたのだ。

 それはともかく私は一角獣ユニコーンの魔石を角と一緒においておけば、後はビーチェが勝手に探索して見つけてくれると考えたのだ。

 しかしそれでは『軍団エックス』がいつまでも殺人犯のままである。

 角と一緒に事情を説明した置き手紙を添えることも考えたが、自筆の文字を残すのはまずい。


 それで私は久しぶりに老婆アリアに扮することにした。

 そしてビーチェに会いに行くことにした。

 ビーチェの泊まっている宿はすぐ分かった。

 耳を澄ませば彼女の声が聞こえるからだ。

 

ビーチェ「ミレーヌの持っていた寸鉄はギルドに保管してある寸鉄よりも細くて短かった。

 それと使っている痺れ薬ももっと弱いもので、ウサギやキツネに使うものらしく、配合や成分も微妙に違っていた」

男「そうか、だが原始林出身ならそういう寸鉄や薬を使う者に心当たりがないか聞いてみてくれ。

 そこから軍団エックスのメンバーを特定できるかもしれない」

ビーチェ「分かりました。この後会ってみます」

男「頼む。きっと奴らはこのアストラのどこかにいるに違いないと睨んでいる。

 せめて魔石を魔法袋から出してくれればな。お前の探索能力で場所が分かるのだが」

ビーチェ「実はちょっと前にごく近くにその反応があったのです。

 それで慌てて外に飛び出したのですが、その時はもう反応がすっかり消えて……」

男「そうか。やはりこの辺りに潜んでいるのだな。

 なんとか短時間だけでも位置が分かるように工夫してみてくれ」

ビーチェ「はい。その為には違う部屋に移りたいのです」

男「何故だ? この部屋は気に入っていたではないか」

ビーチェ「魔石反応のあった方向は分かるのですが、それだけでは範囲が絞り切れないのです。

 別の部屋からもしキャッチできればそこからの方向とここからの方向が交わる点が魔石の場所になると思うのです」

男「分かった。さっそく宿の者に言って部屋を用意させよう。

 この部屋からなるべく離れていた方が良いのだな?」

ビーチェ「はい、その通りです」


 私は危なかったと思った。

 もう一度一角獣ユニコーンを亜空間から出したら、冗談抜きで場所を特定されていたのだ。

 魔獣探索のビーチェは侮れないっ。


 私はアリア婆さんの姿でその宿に入って行った。

 そして、ビーチェの泊まっている部屋のドアの前まで行くとノックをした。

ビーチェ「誰?」

ミレーヌ「ベアトリスさんのお部屋ですか? 

 私はアリアと言う者です。

 お話がありまして、ちょっと宜しいでしょうかのう」

ビーチェ「なんだろう? 今開けます」

 ビーチェは私の姿を見ると首を傾げた。

ミレーヌ「ロクサーヌさんからの言伝を預かっていますじゃ」

 ビーチェ「えっ、ロクサーヌ?

言伝って?」

ミレーヌ「ちょっと中に入っても宜しいでしょうか?」

ビーチェ「えっ、ええ……どうぞ。どういうことですか?

 ロクサーヌは死んだ私の妹ですけど。意味が分かりません」

 私は中に入ると話しても良いものかどうか躊躇う様子を見せた。

ミレーヌ「実は私は樹海王国にも足を延ばして薬草採りをしているものでございますだ。

 で、そのとき魔獣に襲われて危なかったところを助けてくれた人たちがいて、その人たちに頼まれてここに来たのですじゃ。

 その人たちは顔を隠していて、名前も名乗りませんでしたが、命の恩人の頼みですので、ロクサーヌさんの言づけをあなたに伝えて欲しいという頼みを聞くことにしたのですのう。

 なんでもその人たちは樹海網の中で一角獣ユニコーンに出くわして、雷光を浴びせられ攻撃されたので反撃して殺したのじゃそうな」

ビーチェ「そうですか。あなたはその人たちと会ったのですねっ」

ミレーヌ「はい、そのときロクサーヌさんと一緒に来た冒険者たちと獲物の権利を巡って言い争いがありまして、ゴンザレスという人がいきなりその人たちの代表の女性に斬りかかって行ったそうです。

 一角獣ユニコーンには別に誰のものだとかいう印は付いてないので、野生の魔獣を仕留めたのと同じということで、正当な権利は恩人の人たちの方にあるのだと言ってました。

 でも後から来たその人たちは話し合いの途中でいきなり斬りかかって相手が女性一人だと思い込んで殺そうとしたらしいです」

ビーチェ「それはひどい」

ミレーヌ「ロクサーヌさんもそう思っていたらしいですが、戦いが始まると白い霧が出て、次々と仲間の人たちが倒されるのを気配や物音で知ったそうです。

そして霧で視界が効かないためか、ロクサーヌさんは仲間の人に間違って攻撃されてそれが致命傷になったのですわ」

ビーチェ「ああ、ロクシー。なんて可哀そうなの」

ミレーヌ「息を引き取る前にロクサーヌさんは双子のお姉さんのベアトリスさんに一角獣の角を渡して欲しいと、恩人の人たちに頼んだそうです。

 あとから聞くと最初からそう頼めば、相談に乗っていたとも言ってましたのじゃ。

 ロクサーヌさんによると、なんでも故郷の国の貴い人への贈り物に使いたいのだとか。

 恩人の方たちは、その願いを聞いてやろうと考えました。

 だからベアトリーチェさんにその角を渡しても良いと言ってます」

ビーチェ「かたじけない。それで角はいつ? そして幾らでお譲りしてもらえるのか」

アリア「お金はいらないそうです。

 ただ、自分たちの正体を探ったり復讐をしようとかいうのだけはやめてもらいたいというのが条件とのことですじゃ。

 そして明日になれば角のある場所を魔石で教えるので受け取りにくるようにとのことですだ」

ビーチェ「何時ごろですか?」

ミレーヌ「それも秘密とのこと。探知できるようになったら、魔石の反応を追って探索すれば角を手に入れることができるだろうと言ってました。

 恩人たちによれば妹さんのロクサーヌさんが死に際に頼んだことなので、叶えてやりたいと思ったんですがのう」

 私はそれだけ言うと部屋から出て来た。

 ビーチェはぼうっとしていたので、後から呼び止めていたような気もするが構わず私は姿をくらました。


 ミレーヌの姿に戻った私のところにビーチェが訪ねて来たのは、その後すぐでした。

ビーチェ「ミレーヌさん、あなたから貰った寸鉄は私が捜していたものとは違いますね。

 参考までに聞きますが、この寸鉄はあなたの使っているものより大きいですが、どんな人が使っているか分かりませんか?」

 私はビーチェが差し出した寸鉄を手にして、匂いを嗅いだりした。

 そしてそれを戻しながら言った。

「寸鉄そのものは一般的なサイズで、原始林の狩人ならだれでも使うものです。

 先に塗られたものも私の使っている薬より強いですが、それも普通のもので特に特徴はありません。

 それとこの寸鉄は発祥は原始林ですが、今は色々なところに伝わっているので、寸鉄だけで使っている人を特定するのは難しいと思います」

ビーチェ「そうですか、いやどうもありがとう。お騒がせしました。

 もうあなたを煩わせることはないと思います」

ミレーヌ「いえ、どういたしまして」

 私はビーチェを見送りながらミレーヌとして彼女に会うことはもうないだろうと思った。


 翌日になって私は白百合の絆のメンバーと樹海網にクエストに向かった。

 薬草採りとホーンラビット五羽の獲得が内容である。

 そのとき目的地に向かう途中小用を足すという名目で皆から離れて土に穴を掘り例の角と魔石を埋めた。

 魔石の反応をキャッチしたビーチェはほどなく仲間を連れて角を受け取りに来るに違いない。

 果たして私たちがクエストを終えて商業国へ戻る途中で、大勢の者たちと一緒に樹海網に向かうビーチェの姿を遠目に確認することができた。

 彼女たちは地中に埋められた魔石と角を回収することだろう。

 

 ところで白百合の絆も少し絆が緩み始めて、意見の対立みたいのがこの日に出て来た。

リリー「デコラたち、何を揉めてるの?」

デコラ「ドミナとモーリーがここを抜けて冒険者養成所に行きたいんだってよ」 

リリー「なに言ってんの? どうしてそうする必要があるのよ。

 もうあんたたちは冒険者としてやってるじゃない。

 それをわざわざ行く必要がどこにあるって言うのよ」

ドミナ「だってあそこはギルド推奨の養成所だし、半年通えば無条件でGランクの人はFにしてくれるんだよ」

リリー「だってお金がかかるじゃない」

モーリー「かかったお金はすぐに払わなくても良いんだよ。

 冒険者として稼いでから少しずつ返せば良いのだから」

リリー「じゃあ、どうやって食べて行くの? その間は稼げないんだよ」

ドミナ「そんなことはないよ。最低限の生活費も出してくれるし、アルバイト的な簡単な仕事もさせてくれるんだ」

リリー「それも借金だろう? 借金は良くないよ。

 払えなかったら借金奴隷にされてしまうよ。

 ドミナは下級の性奴隷でモーリーは雑役奴隷だと思う」

 リーリーの終わりの方のこの発言がまずかった。

 主にモーリーが最初に激高した。

モーリー「どうして私は雑役奴隷なのさっ。 器量が悪いってことっ」

リリー「いや、あの。あんたは地道に働きそうだから」

ドミナ「私は下級の性奴隷って?」

リリー「わかるでしょ? あんたは私たちと同じで普通だけど、それじゃあ下級性奴隷だって。

ミレーヌくらいになれば違うだろうけど」

 なぜか私にとばっちりが来ている。

デコラ「ねえねえ、私も普通?」

リリー「私は奴隷商人じゃないけど、あんたは目はパッチリして可愛いけれど、体が小さくて痩せてるから好みによって……って何言わせるのよ。

 だんだん本題から離れてきてるじゃないっ」

ミレーヌ「あのう、私も発言して良いかな?」

リリー「言ってよ。うん、なんかあんたはしっかりした意見を持っていそうだから」

ミレーヌ「ハードル上げないでよ。「えっ、ハードルって?」いや、なんでもない。

 モーリーとドミナに聞くけど、あなたたちは十年後は何をしていたいの?」

「「じ…十年後っ?」」

ミレーヌ「うん、それから二十年後は? そういうこと考えたことあるかな?」

ドミナ「わたしは結婚して旦那さんの仕事を支えていると思う」

モーリー「同じかな? どっちにしろ冒険者は危ないからお金を溜めて違う仕事をしてるよ、きっと」

ミレーヌ「そうだよね。冒険者として一生頑張って行く積りはないよね」

「「当たり前だよ」」

ミレーヌ「つまり冒険者は人生の目的じゃないよね」

「「えっ?」」

ミレーヌ「二人とも他にしたいことがあるんでしょ。

 冒険者はその準備の為にとりあえずしていること……だとしたら」

「「だとしたら?」」

ミレーヌ「一番したいことじゃないことの為に、とりあえず仕方なくしてることの為に借金までする必要があるかな?」

「「……」」

リリー「そうだよ。私は少しお金を溜めたら、それを元手にしてお店を持ちたいよ」

マッキー「リリー、私と一緒に店を持とうって言ってたよね」

 とにかく女子トークはどこに行くか分からない。

 私は着地点を求めて再度発言する。

ミレーヌ「ドミナ、モーリー、聞いて欲しいんだけど、お金さえ入れば冒険者でなくても良いんだよね?」

ドミナ「それはそうだけど、でも私たちには冒険者以外にできることって」

ミレーヌ「あるよ」

「「えっ」」

ミレーヌ「それは後で言うとして、とにかく借金はよくないってことは分かるよね。

 返すのが大変だし、借りた以上の額を返さなければいけない」

モーリー「えっ、そうなの? 借りた分だけ返すのじゃ駄目なの?」

ミレーヌ「そのことも後で言うけど、二人にとって冒険者というのは拘らなくても良いってことだよね」

「「うん、まあ」」

ミレーヌ「つまり冒険者の仕事はどうでも良い仕事だよね、二人にとって」

「「そうかも」」

リリー「あんたたちそんな積りでいたのぉっ」

ミレーヌ「お願い、リリー。今は黙っていて。

 借金は良くないことだけど、どうでも良いことに借金して苦労しちゃいけないよ。

 借金は駄目だけど、苦労するならどうでも良くないことで苦労しなくちゃ」

「「「どうでも良くないことで?」」」

ミレーヌ「よく胸に手を当てて考えて、ぜったいこれでなきゃいやだとか、ほかのことは考えられないってことない?

 それがどうでも良くないこと、ぜったい譲れないあなたたちの夢だよ。

 そして夢のために苦労するなら、絶対耐えられる。

 でも、どうでも良いことの為に苦労するのは耐えられない。

 いつか崩れて心が折れてしまうよ。

 養成所のことはどっちが言い出したことか分からないけれど、二人で行けばなんとかなるって考えてたら大間違いだよ。

 そもそも養成所に任せて冒険者としてランクを上げるという考えが他人任せだと思う。

 自分一人で考えて、自分が何を一番したいのか、そこから始めなきゃ」

モーリー「ミレーヌ、借金って返すとき金額が増えるものなの?

ミレーヌ「短期間で返すときでも利子というのがつくよ。

 それでなきゃ貸す方になんのメリットもないでしょう?

 でもあんたたちのは長期間で返済する借金だから、借りた額の倍くらいになるかもね」

モーリー「ええっ?」

ドミナ「ミレーヌ、冒険者以外で私たちにもできる仕事って?」

ミレーヌ「商業ギルドに行ってみると良いよ。

 ここは商業国だから特に仕事は色々あると思うよ。

 あなたたち二人は特に攻撃力はないけれど、細々としたことをするのに向いているから、商業ギルドで職を探せばきっと向いた仕事が見つかるよ。

 二人はまだ若いんだし」

リリー「ちょっ、ちょっと。それじゃあ、白百合の絆はどうなるの?」

ミレーヌ「はっきり言うよ。今まで私が目を光らせていたから、なんともなかったけれど、このパーティは同年代の男の子たちも含めて五つくらいの男のパーティに目をつけられているよ。

 その意味が分かるかな?

 女の子ばかりでFとGだけのパーティは簡単に食い物にされてしまうってことだよ。

 今までは様子を見ていたけれど、いつまた彼らが牙をむくか分からないよ。

 それでも続けて行く積りかな?

 リリーはマッキーと店を持ちたいのでしょう?

 デコラ、あなたは小っちゃくて可愛いから、一番攫われやすい。

 でも手先が器用だよね。

 きっと冒険者以外に向いてる仕事があるよ」

 私が言うことをすべて言ったら、五人のメンバーは茫然としていた。

 まさか話がパーティ解散の方向になるとは思わなかったのだろう。

 けれども私は白百合の絆を狙っている不心得なパーティを五つ知っている。

 男だけのパーティの彼らが私たちを遠目に見て何を囁いているかすべてお見通しなのだ。

 そしてどんな計画を立てているのかも、分かっている。

 もちろんそれは冒険者たちが女の子をゲットする為に通る道かもしれないが、ここで彼女たちが流されてしまうのはしのびないものがある。

 だから言うだけ言ってみた。

ミレーヌ「私はもう暫く冒険者を続けて行く積り。

 でもあなたたちはできれば違う道を選んだ方が良いと、そんな気がする。

 でも決めるのはあなたたち、一人一人だから、後は任せる。

 決めるならなるべく急いだほうが良い。

 それだけは言っておくね」

リリー「ミレーヌ、待って。五つのパーティって?」

 私はリリーに耳打ちした。

 私が立ち去る背後でリリーが他の四人に今伝えたことを教えている。

 驚きの声が聞こえる。

 その後、やはりすぐにでも解散して商業ギルドに直行した方が良いという話に傾いているところまで私は聞きとった。

 私はギルドの二階の資料室に行く振りをして階段を上り、武器保管庫に忍び込んだ。

 そして自分の本来の持ち物である武器を回収した。

 それから何食わぬ顔をして階段を下りる。

 そしてギルドに行き、白百合の絆を脱退する届けをして、シングルの冒険者として活動することを伝えた。

 この後リリーたちも解散の手続きをして商業ギルドに向かうことだろう。

 活動する場面が違えば、もう他のパーティの毒牙にかかることはない。

 彼女らの決断が早くて幸いだと思った。


同時に私は彼女らにすまないという気持ちで一杯になった。

 何故なら私が入る前は白百合の絆はそれほど周囲の注目を浴びていなかったのだ。

 だが加入した途端、ゴブリンを十五匹討伐するなど注目を浴びてしまったのだ。

 そしてクエストがあるたび、彼女らが実力を百%発揮できるように陰ながらサポートしてきたのだ。

 その為私たちのパーティは成績もよくクエスト達成率が高いということで注目を浴びてしまった。

 私という新しいメンバーが入ったことも関係しているかもしれない。

 そして妬みもあるかもしれない。

 急に男性だけのパーティたちから変な目でみられるようになったのだ。

 腹いせもあるかもしれない。

 つまり彼らの欲望の対象としてターゲットに選ばれてしまったのだ。

 初めのうちは話だけで終わっていたが、だんだん実現に向けての計画になって来た。

 もうこうなると私ひとりがパーティを抜ければ良いという訳にはいかなくなった。

 それでやむを得ず養成所云々の話をきっかけにして解散に持って行ったのだ。

 彼女らには本当にすまないことをしてしまったと思う。

 それまで私は一人だったから、火の粉が降りかかったら払い落とせばそれで済んでいた。

 けれども火の粉は一緒に行動している子たちにもかかってしまう。

 そして彼女らには恐らくそれを振り払う力がない。

 『ごめん』と私は心の中で呟いた。

 

 

 

 情報の伝達は速いものだ。

 白百合の絆が解散されて商業ギルドに行ったこと、私が単身の冒険者となったことはすぐ冒険者たちに伝わった。

 そして五つのパーティのターゲットは私一人に絞られた。

 一つや二つのパーティだったらやり過ごせるが、五つもあると面倒だ。

 そしてビーチェたちは魔石と角を手に入れたが、一緒に行動しているクランのメンバーに赤い疾風と繋がりがある者もいて、復讐の執念を持ち続けている者もいるのだ。

 そういう少数の者に同調して『軍団エックス』を探し当て一戦を交えると意気込んでいるのが大勢らしい。

 それとギルドの武器保管庫から『軍団エックス』の武器だけが盗まれたことも捜索の対象になっている。

 以上のことから私はこのマネーゲートの街から移動することにした。

 活動拠点を変えれば、その土地でのしがらみも消える。

 そういう訳で私は商業国アストラの入り口の街マネーゲートを後にして旅立つことにしたのだ。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

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