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田舎娘ミレーヌが妖精になるまでの物語  作者: 葉裏
第一章 見かけは十才の女の子
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蘇った記憶

ここから地の文から訛りが消えます。前話ではご迷惑やらご苦労をおかけしました。

 目が覚めたとき、私は自分の新しい記憶を目覚めさせた。

 私は日本という国に住んでいた二十六才のОLだった。

 そう、私の名前は左沢あてらさわ結愛ゆあ

 中学生の頃からどんどん背が伸び出して高校生になった時は百七十センチ越えしてしまった。

 そして顔もなぜか鼻柱の長い大人顔で名前のようには可愛くない。

 身長があるのだからスポーツで活躍できるかというと、それも駄目。

 小学生の時には普通の運動神経だった気がするが、背が伸び始めると大きな体を持て余すようになった。

 とにかく動作が鈍いのだ。脳から手足の先にまで命令が伝わるまで時間がかかるみたいで、よく転んだりするようになった。

 同じ年ごろの男の子で私より大きい子は数えるほどしかいなくて、とても寂しい思いをしている。

 その頃は、異性から見上げられて鼻の穴を見られるのが、とても恥ずかしかった。

 OLになってから初めて貯金を下ろしてハワイに行ったとき、私並みの身長の女性がたくさんいるのを見て、心が癒されたのを覚えている。

 それで私は決心した。計画を立てて海外に移住しそこで伸び伸びと暮らそうと。

 そして自分より背の高い素敵な男性と結婚して幸せに暮らすのだと。

 私は海外の情報を集めて、移住先まで決めた。もちろん語学の勉強を徹底的にした。

 運よく向こうでの仕事も目途がつき、いよいよ出発の日になって、空港に向かう駅周辺にさしかかったとき騒ぎが起きていた。

 文化包丁を振り回している若い男が周囲の人たちに斬りつけているのだ。

 そして一人の女性が私の方に向かって走って来た。

 その後を例の刃物男が追いかけて来る。

「助けて」

 その女性は素早く私の背中に隠れてそう言ったのだ。あろうことか、私に救いを求めたのだ。

 わたしはその刃物男より背が高かったからだろうか?

 だが私は素手だったし刃物を防ぐ手立ても身のこなしも持っていない。

 刃物男は私の腹部に包丁を突き刺した。

 避けようとしたがそれよりも向こうの方がはるかに速かった。

 ものすごく痛かった。

 血がたくさん出てわたしはその場に座り込んだ。すると包丁を引き抜いた男は第二撃で私の首に突き刺した。

 その後は覚えていない。

 死んだと思うから。


 真っ暗な闇の中で私は心の中で叫んだ。

 もっとまともな運動神経をくれぇぇぇ。

 もっと可愛い顔に生まれたいぃぃぃ。

 この次生まれ変わるなら欧米世界だぁぁぁ。


(願いは聞き届けた)

 

 えっ? 今何か言った?

 誰が言ったの?

 

(今のお前の願いを叶えるちょうど良い転生先が見つかった。

 ピグマリオンという異世界でお前は新たなる生を受けることになる。

 だが今までの記憶を持ったまま転生するのはなにかと耐えがたきことが多いので、ある程度成長してから復活させることにする)


 えっ、異世界転生? そんなことがネット小説じゃなくて実際に起こるの?


 そして前世の記憶を取り戻した私にさらに謎のメッセージが届いたのであった。


(さて、この記憶が蘇った今、今までのミレーヌとしての記憶をもう一度今のお前の記憶に焼き直して刻むことにする。

 言語は前世のものをこの世界の標準語に直して記憶を再生する。

 つまりミレーヌとしての記憶と左沢あてらさわ結愛(優愛)としての記憶を融合して人格統合を行うのだ)


 そして私はミレーヌの記憶を結愛の魂で思い出すことになる。

 

   

 最後まで読んで頂きありがとうございました。

 ここまで読んで下さったあなたに非常に親しみと縁のようなものを感じます。

 遠い親戚に出会えたようなそんな感じです。

 ですからどうか次の話も読んで下さい。

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