女神
ー喫茶探偵物語26ー
女神
マセ子視点
朝。教室。ホームルーム前。
メイが真剣な目で私に問う。
「綾波はどうして名字で呼ばれてるんだ?」
「・・・・」
「皆、下の名前の方で呼ぶが、綾波だけが皆綾波と呼ぶ」
「・・それは、多分、直接は聞いた事ないけど、本人が名前で呼ばれるの嫌ってるんじゃないかな?」
「名前は、女神だろう?いい名前だ」
「・・いや、それキラキラネームなんだよね」
「なんだ、キラキラって?」
「変な名前とか当て字とか。読み方は「めがみ」と書いて、アテナと呼ぶの」
「・・・綾波はハーフか?」
「違うと思う」
「アテナ。十二神の処女神」
何かの神話だっけ?博識だな、メイ。
「悪くない、むしろ格好いい」
「日本人の女の子では、横文字はみたいの抵抗あるんじゃないかな?」
「親しい友達は名前で呼ぶものだ」
え?私マセ子だけど!・・まあこれはこれで親しみの部類か・・。
「アテナって呼びたい?」
頷く。
「英雄たちの守護者だ」
めずらしいな。受け身のメイが攻めている。
「綾波のことだから、アテナと呼ばれたらメイだけの守護神、女神になる!密着度加速するかもよ?」
「・・・・・」
綾波が教室に入って来る。
それを2人で見つめる。
「なになに?私の噂しっちゃてる?見つめちゃって!何の話し?」
沈黙。
「何でもない。お早う、綾波」
「メイ、お早う!ついでにマセ子もおはよっ!」
「おはよ・・・」
綾波の笑顔。
「ねえねえ、メイー
隣に座る。
「昨日ねー
ん、いつもの朝だな。
26終わり




