表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
喫茶探偵物語  作者: ゆきんこ
24/27

撮影所での出来事


ー喫茶探偵物語24ー  


撮影所での出来事




3週間前、入学式前。


撮影所スタジオ。


相川先生を先導に都内の撮影現場を見学。大勢のスタッフや機材に囲まれる役者たち。スタッフが拡声器で本番を伝える。喧騒が静まり撮影が始まる。


剣菱彩が間近で演技をしている。圧巻だ。贔屓目だがこの存在感は別格、私の中では憧れでナンバー1の女優!



1か月前、鶴田三郎監督と組んで撮る映画は無期延期と発表された。監督は制作中倒れ救急車で運ばれる。容態は、くも膜下出血。

急遽手術を行い、早期治療が早く大事には至らず大きな後遺症もなかったが、長い療養に入るため映画は一時中断された。


題名もストーリーもジャンルさえも知らされていない、公開日まで謎の前代未聞の映画。


予定のクランクインまで間に合わない為、制作側は監督の代行を剣菱彩に打診したが、鶴田監督以外では撮らないと宣言し、いろいろな問題が発生した。


「強行する人たちをここに呼びなさい、賠償金払うから。そのかわり今後一切関わり持つことないから。

妥協するなら1年限定で、映画でもCMでも好きに使ってくれて構わない」


代替え案に異議を唱える者は居なかった。

主演映画1本。出演映画3本。1クール主演ドラマ1本。ドラマ、バラエティー数本。CM6本の契約を結ぶ。


今日の撮影は契約の中の1本、2時間ドラマの準主役。

主役クラスの女優がドラマやバラエティなど少し前までは考えられない配役だ。ファンとしては本数が増えるのは嬉しいけど。



休憩中。


剣菱彩は人目にはばからず犬と接触し抱き合っている。その横には沙希と相川先生。高畑はずっと緊張したまま。高畑は子役として小さい時から活躍して現場慣れしていそうだが、私同様に目の前の剣菱彩は別格な存在で緊張している。


沙希は撮影見学に来ることに微妙な表情だったが、剣菱彩に執拗に絡まれ、犬がべったりと、それなりに楽しそうにしている。ここに来た犬の目的は娘の沙希と分かる。


メイだけはいつもと変わらず無表情だ。ここ何日か一緒に行動しているが、私の傍に居る頻度は高く傍を離れない。今は私のセットの写メを撮るのに付き合っている感じだ。



「メイは剣菱彩の事知ってるの?」


「あまり、知らない。ボスのこんやくしゃ。映画は、こんど観る」


あまり興味はないらしい。



スマホの画像チェック。


彩様とのツーショット、皆との写真。これはもう家宝だよ!画像を引き延ばして、額買って飾ってと・・。


満足げに眺めていると、


30代くらいの男性がカメラを向け、カシャカシャカシャとメイと私をを撮り出す。


「2人とも可愛いね。特に眼帯の子の目力が半端ない」


メイと共にその男を睨み、


「何ですか?あなたは?」


いや、ここに居るなら業界の人?いまの反応はまずい?



「島っち、めずらしいねー、私以外を撮るなんて、その子らは一般人」


剣菱彩が近づいてくる。


「とくにこの子は、最年少二つ名持ち」


驚きとともにメイを見て、犬を見て、剣菱彩を見る。


「これは驚いた」


二つ名って何?探偵所絡み?犬を見たということは事情も知っていそう。


剣菱彩が肩に手を掛けてくる。


うわああ!彩様があああ!


「この子はどうよ?確か役者目指してるのよね?」


「は、は、はい・・」


男はフェンダーを覗き、


「いいね」


カシャカシャと撮る。



男は名刺を渡す。


「芸能界進出の時は御指名お願いします」


カメラマン 鹿島雄吾



「ボスに睨まれてるし、この場を退散しますか」


「今日はありがとね」


「いつでも馳せ参じます」


男は去る。


剣菱彩はニッコリ笑顔で、


「話しをするのは初めてね。2人の事は聞いてる。私の事情も聞いてるね?」


「・・はい」


メイ頷く。


「タイゾーの事だけど、恋愛関係に発展するとかないよね?」


「ないです。・・私の初恋は、一応あそこにいる奴です」


高畑を見る。


「卒業式の後、告白したら撃沈して友達宣言されましたけど・・」


「・・そう。その子の雰囲気を察するに沙希の事好いてるみたいね。沙希にはそれが伝わってないようだけど」


見る人見れば分かるんだ。


犬が終始、高畑を睨んでいる。


そりゃ一人娘、睨むか。



メイに振り向き、


「あなたは?タイゾーに?」


「ない」


「チヨっちのスマホ見たら、馬乗りに乗ってたね」


「心配するな。乗りごこちがいいだけだ。いやならやめる」


「今後一切乗らないでもらうよ」


「わたしのかんじょうは、父親や、師に、近いものだ。ボスやミヤには、恩がある。攻撃するものが現れたら、はいじょする。身をていしてでも。それが、わたしのやくめ、しめいだ」


なにこの忠誠心!めっちゃ重いくない!使命って言葉、初めてて聞いたよ・・。


「タイゾーの盾になってくれるの?」


「盾にもなるし、敵をこうげきする、りょうけんにもなる」


「あなた最高ね。これからも乗ってもいいわ。許可する」


メイを抱きしめる。


「・・そうか」


触れたり抱きしめたり、密着度が高いな、彩様。


それにしても聞いてた話し通り、犬に対しての嫉妬心凄い。敵に回したら恐そうだ・・。


何者か分からない暗殺者みたいな言い方をするメイも・・。



24終わり


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ