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喫茶探偵物語  作者: ゆきんこ
17/27

宇宙大戦争編


ー喫茶探偵物語17ー  


宇宙大戦争編



喫茶店。


今日のボスはお仕事で所員さんと外出。


ミヤコさんもヨシダさんもお仕事で来られない。


お客さんゼロ率も、たまにあるんだよな・・。


テーブルを拭く。


カウンター席のヨシダの指定席の砂糖入れの脇にYOの小さい玩具。


忘れ物?ヨシダさんYO好きか?今度来たら振ってみよう。


手に取る。


店内に流れるクラッシクの音楽が止まり、


DAのテーマに切り替わる。


tantantantatatan tatata-n♪


わ?なになに?


tantantan tatatatatata--n♪


鈴鳴る。


入口にDA卿参上。


「・・・・・・・」


co-ho co-ho co-ho


中へと入って来る。


凄い有名な人来ちゃったよ・・。


テーブル席に座る。


えー常連さんじゃないよね・・。


DAの元へと。


「ご注文は・・」 ドキドキドキ


「アイスコーヒー。ストローもお願いします」


何で敬語?イメージ壊れるんですけど。日本語だし。



コーヒーの準備。


完全な演出だよね?


動物編が終わったと思ったらなんか方向転換してきたな。


完璧にかつがれてるけど面白いから乗るよ!


店内でも撮影してるはずだから、冷静に、驚かない。


事前に知ってれば対処できる。動物編で学んだ。よし!



co-ho co-ho co-ho


「お待たせいたしました」


アイスコーヒーをテーブルに置く。


「ごゆっくりどうぞ」


co-ho co-ho co-ho


両手で持ちストローを使いアイスコーヒーを飲むDA。


初の飲食のシーンだ。新鮮だ。


あまりこういうの見たくなかったけど・・。



カウンターへ戻る。


なんか話した方がいいのかな?


DSの進み具合はどうですか?的な?んー。


写メ撮ってもいいかな?けどまがりなりにもお客さんだし・・。



鈴鳴る。


ドアが開く。


C参上。


「・・・・・」


ついにドロイドさんまで・・。


双方お互いの存在に気付く。


しばらく見つめ合い、よそよそしくCはカウンター席へ。


避けた・・。


「アイスコーヒーを。ストローもお願いします」


「・・はい」


次々と仕込んでくるな。


ん?このツーショット、サーガ的に会っちゃいけない2人では?



アイスコーヒーを準備。


様子を伺うと、お互いチラチラと見ている。


凄い気まずそう・・。




「お待たせしました」


「有難うございます」


C、ストローで飲む。


静寂のなか、


co-ho co-ho co-ho co-ho co-ho co-ho


この空気、一体私にどうしろと!


co-ho co-ho co-ho co-ho co-ho co-ho


あーもう!


Cに、


「今日は相棒の、Rさんは?」


「あいつはどこかに行きました。どうしようもない奴ですよ、まったく」


「・・・・・」


「まあ、いろいろ想うこともあるんでしょう。・・ある人が、亡くなりましてね」


カタン。


何かが落ちた音。


動揺のDA。


足元にRSが転がっている。


「・・・・・」


RSを拾い上げ、ベルトに戻す。


俯いて落ち込んでいる様子のDA。


これは、双子を出産して亡くなったAの悲しみか!?


とういうか何この小芝居・・。



鈴鳴る。


部下のSTがb(光線銃)を携え入って来る。


「・・・・・」


DAの元へ。耳打ちをしている。


頷き指示を出しているDA。


ST、Cの存在に気付きb(光線銃)を向ける。


わ!


Cは降参とばかりに手を上げる。


DA、b(光線銃)を手で抑える。


ST、諦めたようにb(光線銃)を下げて喫茶店を去る。


「・・・・・」


co-ho co-ho co-ho


この状況が楽しい自分がいる・・・。



鈴鳴る。


今度は誰?


えーーー!!!


茶色いフードの老齢のOBが入って来る。


「・・・・・」


まさかの生身の人間!そっくりさん外人だ。


着ぐるみの範疇を越えて、役者も投入か。


DAをチラリと見、Cの横に座る。


避けた・・。


「omuries」


まさかの私特製、裏メニューきた!


「・・かしこまりました」



オムライスの準備を始める。


CがOBに話しかける。


これは興味深い、聞き耳を立てざる得ない。


「最近どうですか?」


「厳しいな。街の武器屋でリストラされたよ」


「はあ~、まったく嫌な時代になりましたね」


リストラって何?宇宙規模の壮大な物語はどこに!


「誰かさんのおかげでな」



zooooom


RSの音が響き渡る。


DA、RSを持ち立ち上がる。


わわわわっ、それは!


RSを手にOBも立ち上がり、2人の睨み合い。


ここでまさかの師弟対決が!まずいまずい!


「あの、すみませんが、店では対決、お断りなんですが・・」


お互い不満そうだが納得し、RSを戻しそれぞれ元の椅子へと座り直す。


落ち着く2人。


決闘見たい。推奨したいけど、それまずい・・。


いや?やる前提の小芝居を打ってるのか?


それだったら、私の言葉ひとつでアドリブをしてる?


それならそれで話しかけてもいいとか?



とりあえず注文のオムライスを作る作業に。


OBがCに、


「子供は?元気か?」


「はい。8歳になりました」


あなたドロイド!生産工場で作られたドロイドでしょ!


もう、私に突っ込んでくださいと言う会話だな、これ。


「OBさんの所は?」


「娘が嫁いだ」


居るの!


「敵側に」


まさかの敵側!


DA、うんうんと頷いてる。


軽いな。ここのサーガ・・。


「息子の方は今はこちら側でな」


新たなるサイドストーリーが・・息子は後を継ぐの?


聞きたい!いやせっかくだから聞こう!アドリブ力を試したい!


「あの・・息子さんはJを継ぐんですか?」


顔をしかめるOB。


C3が、


「すみませんが、私、少し電源を落としますね」


電源を落とすと眼の光が消える。


あったな。こんな場面。



「息子は才能がなかった。マスターYOに預けたがそれでも覚醒はしなかった」


なんか逸れまくってますよ・・お話しが・・。


「その後はグレて荒れて、家に引きこもった・・」


宇宙のお話しがどうしてこうなった・・。


「しかし今では更生して、Xのパイロット乗りとしてエースを担ってるそうだ」


「・・よかったですね」


「うむ」


少し軌道修正してきたな。




オムライス完成。


あれ?ケチャップが。あ、事務所の方か。



事務所の中へ取りに行く。


ボスの机の裏の冷蔵庫へ。


ケチャップを手に取ると喫茶店内から、


zzjaowwww znn znnn


ZZooooMM


え!対決始まった!見逃せない!いや止めなきゃ!


恐る恐る戻り、ドアを開ける。



DA、人王立ち。


OBの姿は消えており、床には服のみ。


「・・・・・・・」


短縮過ぎだが凝り過ぎだろう、この小芝居・・。


co-ho co-ho co-ho


DA、入口へと向かい喫茶店を出る。


・・・代金は?



床に落ちた服を拾い上げ、服をたたむ。


オムライスがムダになった。・・私のお昼ご飯にするか。



電源を落としたCに近づく。


全体像を眺める。


「本物そっくりだな。忠実なレプリカ。これはそそられる。欲しい」


ボディをコンコンと叩く。


いいねー。


電源のスイッチを探すが見当たらない。


起こし方が分からないよ・・。


頭を触るとポロリと取れる。


「うわあああ!」


床へ落ち転がる。


コロコロコロ


「何で触れただけで取れるのよ・・」


ボディの方もバランスが崩れ、椅子から転げ落ちる。


「うわあああ!」


え!?中の人大丈夫?


ボディの首から中を覗く。


中身が空洞。


「?」


転がった頭を持つ。首の中も空洞。


「???」


空っぽで動くはずない。


今の技術はこんなに高性能なのか?いやないない絶対ない。




「よっこらしょ」


椅子に座らせバランスを整い戻す。


推理する。


事務所のドアを見る。


ケチャップを取りに事務所の冷蔵庫に行った時に、


OBさんが服を床に置いて、Cと一緒に外へ退場。


スタッフ(?)か誰かがこの空っぽのCを置く。


・・・大がかりだな。


そういえば昨日のボスの夕食、ケチャップと言われ持って行って、


そのまま事務所の冷蔵庫に。


前日からの仕込みでしたか・・。


一体何をしたいのか?私の驚きをそんなに見たいのか?


正直、私も嫌いじゃないけど。・・なかなか経験できない余興・・。



Cの頭をテーブルに置く。


もう小芝居も終わったのかな?


ガン!ガン!ガン!


入口のドアを叩く音。


終わってないっぽい・・。


ガン!ガン!


なによなによ・・。


ドアまで歩き開ける。Rの姿。


「キャーーー」


歓喜の声。


「待ってたよ!Rちゃん!入って入って!」



入口が段差で入れない。


手伝い中へと。


これはバリアフリーにしないと!


店内へと入れるとCの元へ。


これは写メ撮らないと!


カウンター裏に置いてあるスマホを取る。


「ん?」


Cの頭が首の上に乗っている。


「・・何で?え?私テーブルに置いたのに・・え?え?」


目の光が点く。


「おっ」


突然動き出す。


「うわあっ!」


Rの方向に向き、


「やっと来たか、このポンコツ!」


「pipipipo-」


「???」


なぜ動く?空っぽで動く?それは絶対ない・・。


C、Rに文句を言っている。



「あの、・・何で動くんですか?」


「はい。私はドロイド。宇宙生物とコミュニケーションを取るための、ドロイドとして設計されております」


「・・うん」


「60万を超える宇宙言語や多種多様の儀礼に精通しておりますー


「あ、はい、非常に高いスペックと言うのは皆さん存分に理解を。とくに地球のみなさんは、何億人と知ってるかと・・」


「さすがキクチヨ様ですね。わかってらっしゃる」


キクチヨ様・・私この世界観には部外者ですけど・・。


「見ろ、この広い宇宙で私はー


Rに力説しているC。


いやいや地球人しか知らないから、あなたのこと・・。


それより・・・そうか!


事務所のドアを見る。


そうか!Rちゃんに気を取られ、喫茶店に迎え入れてる時に、


後ろでは事務所のドアからCの入れ替えが行われてたんだ。


なんという巧妙なトリック。


感心するというか、飽きれるというか・・。



鈴鳴る。


Tが入って来る。


「・・・・・」


テーブル席に座る。


でかいな!


咆哮。


注文を聞くと咆哮を繰り返すだけ。


多分注文はアイスコーヒーと思うけど・・。


Cに、


「すみませんが、翻訳してくれませんか?」


「アイスコーヒーをお願いします、と言っております。ストローもと」


「・・有難うございます」


アイスコーヒーみんな好きだな。ストロー付きは宇宙での定番か?着ぐるみだからか?


「何!」


ビクッ!


Cの大きな声に驚く。


「キクチヨ様!大変です!」


「え?・・部外者の私に、振るの?」


「敵が攻めてきます!」


「・・・・・」


「どうしましょう?キクチヨ様!」


どうしろと、言われても・・。


「大変ですよね・・」


Rに文句を言うC。


とりあえず私はアイスコーヒーを。




アイスコーヒーを準備。


にぎやかだな。こんなにお客が来たの初めてだ。シュールだけど。



Tの対面にC。


2人で将棋を打っている。


「・・・・・」


アイスコーヒーをTに。


「お待たせいたしました」


ここは最低限チェスにしておけよ・・。


ていうか敵が攻めてくるのにのんきに遊ぶな・・。


Tが怒り、盤をひっくり返す。


「あーー、だからやりたくなかったんです」


怒りの咆哮。


ズレまくってるけど、要所要所を抑えてるところが愉快過ぎる。



鈴鳴る。


忙しいな。今度は・・・・。


Iの着ぐるみ帽子を被ったメイの姿。槍を持っている。


「・・・・・」


キャラたちを無視し。カウンターに座り、


「omuries」


なんかもう笑っちゃうよ。


このセンス。ツボだよ・・。


「出来合いのあるけど温めたら今すぐ食べられるよ。いい?」


頷くメイ。


メイちゃん特別出演だ。


ドロイドたちは、あーだこーだと口論している。



オムライスをメイの前に、


「はい、どうぞ」


「いただきます」


食べるメイ。


さすがに主役クラスの3人の出演は無理だろうな。


「Help me!!」


事務所に繋がるスピーカーから女性の叫び声。


なになに?



事務所のドアを開けると目の前に実物大のJ。


「うわああああああああ!!!!!!!」


巨大なJの上にR姫のそっくりさん。


大きな鎖で絞め殺そうと奮闘中。


どこのアトラクションよ?これはもう逆に感動物だよ・・。


横を見ると冷凍(?)装置の中のH。


「うおおっ!」


メイは後ろから不思議そうにこの光景を見ている。



悲鳴も出るわ。Jに生涯一驚いたわ!小象の比じゃないわ、完全に負けたよ。


Jに近づき腹を触る。


ブニブニ


気色悪っ!けど、出来いいな。


R姫が叫ぶ。


「Help me!!」


いや、あなた優勢。首絞めてるだろ。


メイ、興味津々でJを見ている。


「メイちゃん、この映画観たことある?」


首を横に振る。


「今度観る?」


頷く。


1、2、3から、いや、初見はやはり王道の・・。



「キクチヨ様来てください!」


「私?」


R姫ガン無視?


「Help me!!」




喫茶店内へ。


「うわあっ!」


黒いフードコートの小柄の男がうつ伏せで倒れている。


「・・・この黒い小さい人は・・ラスボス、の、Pだっけ?」


その横に倒れたDAがLのそっくりさんに抱きかかえられ、


DAが息を引き取る瞬間。


沈黙。


天井を見て思いを馳せるL。


「・・・・・」



え?終わり?終わったぽい・・。


壮大だ。主要キャラクター、一応みんな出たんじゃない?あ、YOが・・。


ふと天井を見上げると、


プロジェクトスクリーンで、微笑みのOB、YO。改心したDAが映し出されてる。


「・・・・・」


ファンファーレの音楽が鳴り響く。


「!」


ラストの音楽。


ta-ta-tatatata-ntan♪



あっという間に旧3部作が終わったよ。


メイちゃんに思いっきりネタバレさせてるよ。


壮大な茶番劇に、一体お金をいくら使ったのか・・。



倒れたPが立ち上がり、キャラ達と共に無言で撤収。


DAが入口のところでRを引っかからないよう、外に押し出しているのが心温まる。


ドアが閉まる。


「・・・・・」


メイはオムレツ食べ、いつものクラッシック音楽が流れ日常の喫茶店に戻る。


テーブルの上のYOの玩具。


なんともかんとも・・・。


私を驚かせる為だけ、反応を観るための劇?余興?


何考えてるの?いや、最高に楽しかったけど。


「あーー!写メ!Rちゃん!・・せめてJだけでも!」


事務所のドア、鍵が掛かっている。


あーもう!



17end



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