メイの1日
ー喫茶探偵物語16ー
メイの1日
5時
メイの部屋。
目覚めるメイ。
ベットから起き、準備運動。ストレッチを始める。
5時半
シャワー。
6時
家政婦が朝食の準備。
スーツのミヤコと和食の朝御飯。
「もっとゆっくり寝ててもいいのに」
「2日ぶりだ。ミヤとごはん、食べたい」
「・・・・・」
「今日は、帰ってくるのか?」
「会社の方は、今日で落ち着くはず。遅くとも20時までに戻るわ」
「わかった」
「メイは?」
「チヨのところに、行って、ボスのさんぽ。時間があれば、ジムに行く」
「ちょっと早くなるけど、朝ごはん済んだら、送ってく?」
「いや、なれるために、電車で行く」
「・・うん、気を付けてね」
頷く。
ベントレーで仕事場に向かうミヤコ。
家政婦に、
「今日は、昼ごはんも、夜ごはんも、いらない。仕事したら、定時で帰っていい」
7時半
駅の構内。
リュックを背負ったメイ。
改札口を通ってホーム、電車へ乗り込む。
発進。
隣りの女子高生が痴漢に遭っているのを発見。
「・・・・・」
女子高生は恐怖に怯え我慢してる。
触っている初老の老人の手を掴む。
「なにしてる?」
「!なななんだ!」
「さわってた」
「は?か、勘違いだ!」
「女、さわられてたな?」
「・・はい、この人に」
「失礼な!断じてそんな事してない!」
ビクビクしながら、
「確かに、この人です・・」
「いい加減にしないか!そうか、冤罪の罪を着せるつもりか!グルか!?2人は!」
大声を出す老人。
「皆さん!聞いてください!この2人は善良な市民を冤罪に貶める素行の悪い不良です!」
乗客の注目の的。
「信じられん!まったく、世の中狂ってる!」
触られた女子高生は泣きそうな表情。
「しょうげんはする。心配するな」
「金目当てか!恐ろしい子供たちだ。みなさんも気を付けてください!冤罪は犯罪です!」
睨むメイ。
怯む男。
「・・こんな所に居られるか!」
その場から逃れようとする。
腕を掴む。
「逃げるな」
「は、離せ!」
乱暴に突き放す。
裾を掴む。
老人の股間にスタンガンを浴びせる。
「わぎゃあああ!!!」
倒れる。
すかさずみぞうちを蹴る。
もだえ苦しむ老人。
騒然とする周りの乗客たち。
9時
駅前交番。
「きさまら!名誉棄損に暴行罪だ!訴えるからな!」
腰の低い中年男性と老人は交番を出る。
若い警官に、
「若いの、どっちを、信じる?」
「・・・・・」
「相手は、元かんりょう、じょうきゅうこくみんというやつか。
官側なら、答えずらいか?」
「・・・・・」
メイは警官に名刺を差し出す。
「桧山探偵事務所?」
「こんご、ここに連絡してくれ。帰ってもいいな?」
「・・ああ。・・しかし、君もやり過ぎだった。だが、個人的にはすっきりしたけど」
頷くメイ。
女子高生と交番を出る。
「・・あの、有難うございます」
「最後まで、みとめなかったな」
「訴えるとか・・」
不安そうな女子高生。
「まあいい、正体はわかった」
メイ、スマホで電話。
「ヨシダ、送った写真見たか?・・・・・こいつが、女子高生にちかんした。もくげきしゃは、わたし。ひにんしてるから、さいばんになる。できれば、しゃかいてき、まっしょう、したい」
「・・・・・」
「・・・ん、頼む」
電話を終える。
女子高生に名刺を渡す。
「なにかあったら、れんらくしろ。協力はおしまない。しょうげんもする。金の心配はするな」
「・・・・・」
「学校まで、おくる。高校は、どこだ?」
「・・桂城高校」
「きぐうだな・・4月から世話になる」
「・・中3?」
「小学生と、思ってたか?」
「・・・中1、くらい」
「まあ、しょうがない。高校では、よろしくたのむ、せんぱい」
10時
喫茶店。
チヨが、
「メイちゃん、遅かったね。何かあった?」
「たいしたことない」
「ボス、急な仕事が入って出掛けちゃって。お散歩は今日はなしって」
「・・そうか」
「それと、はい」
小さい箱。
「ミヤコさん、喜ぶね」
頷く。
「時間があまった。そうじ、手伝う」
「いいよいいよ」
「やらせてくれ」
「・・わかった。お願いしようかな」
12時
オムライスを食べ終わるメイ。
「ごちそうさま」
「はい、おそまつさま」
「事務所の掃除もしてもらって」
「オムライスのためだ」
チヨ、笑う。
「ミヤコさんって、幾つになるの?」
「知らないのか?」
「これだけは教えてくれないの。メイちゃんに聞くのは反則かもしれないけど」
「42だ」
「・・・30代前半くらいと思ってた。20後半でも通用するような」
「わかく見えるな」
「最近知らされたけど、五月ブランドのオーナー?創立者?驚いた」
「くわしくは、知らない、有名なのか?」
「ブランド物は私も疎いけど、かなり有名ね」
「そうか。・・安物じゃ、あまり、よろこばないか」
「違う違う。プレゼントは金額じゃないよ。メイちゃんからのプレゼントならミヤコさん喜ぶ。あんなに時間かけて一生懸命選んだ想いのこもった物なんだから」
「・・・・・」
13時
ジム。
注目の的のメイ。
15時
ケーキ屋でホールケーキを購入。
精肉店で鶏を丸ごと1羽購入。
ケーキの箱を大切そうに両手で歩道を歩いていると、
5歳ぐらいの幼児が後ろから追い越してくる。
それに気を取られる。
後ろから母親が追突。
母親共に両手に持ったケーキの箱まま倒れる。
起き上がると母親が、
「あー!ごめんなさいごめんなさい!」
手の平に擦り傷。潰れた箱。
「・・・・・」
住宅街。
家の中のリビング。
擦りむいた手を手当をしてもらう。
「ありがとう」
40歳前後の女性。
「・・もう、本当にご免」
「何度もあやまるな。ふかこうりょくだ」
「・・・・・」
女性はメイの腕の傷跡を見て、顔をしかめる。
それを察し、
「過去の古傷だ。今は、ぎゃくたいの、心配はない。しあわせだ」
「・・よかった」
ホッとし、手当てを終える。
ケーキの箱。
「・・見なくても分かるけど、中身確認してもいい?」
頷く。
箱を空けると崩れたケーキ。
「小鳥堂のケーキよね。予約したの?」
頷く。
「弁償したいけど・・これと同じ物は・・」
「形は、くずれても、問題はない」
プレートには、
ハッピーバースディ ミヤ
「お母さん?」
「・・・・・」
「お姉さんかな?」
「・・ミヤは、・・・お母さんだ」
「よかったらでいいけど、うちで手作りケーキ作る?私、ネットでお菓子とか動画上げてるの。小鳥堂さんほど上手く作れないけど、手作りならお母さん、喜んでくれるんじゃないかな?」
「・・・・・」
「材料はある。時間も急げば1時間ちょっとくらいだけど」
「・・いいのか?」
「いい!決まり!」
キッチン。
オーブンに生地を入れる。
「よし、25分待つと」
生クリームにグラニュー糖を入れかき混ぜるメイ。
女性はオーブンからスポンジを取り出し、横から3等分に切る取る。
慣れた手つきでクリームを塗り重ねる。
メイは教わりながら、絞り袋で真上から丸くクリームを絞る。
イチゴを乗せケーキの完成。
「上出来!」
「・・すごいな」
「見栄えは普通だけど、味は保障するよ」
「かんしゃだ」
「あの、鶏さんは?何か作るの?」
「脆皮炸子鶏を、作る」
「あの鶏1羽丸ごと?・・クリスピーチキン、確か香港料理だったかな?」
「わたしは、料理ぜんぱんは、ダメだが、これと飲茶とかは、作れる」
「凄いよ、お母さん、喜ぶね」
頷く。
「私、そっち系全然ダメ。スイーツ系はそこそこ自信あるんだけどね」
「たいしたもんだ。ケーキや、おかしを作れるなんて、魔法を、見てるようだった」
「慣れよ慣れ」
「楽しそうに、作ってたな」
「自分の作った物を、好きな人に美味しく食べてもらうの。その笑顔を想像しながら作るの。幸せな気分になれない?」
「なるほど、料理は、さぎょう、じゃないんだな」
「まあ基本作業だけどね。愛情を込めて作ったら、自分も幸せになれるし、食べる人も幸せになれるはず。想いを込めて作るの。料理は」
「・・想いか」
プレートにチョコで「ハッピーバースディ」と書く。
「・・・・・」
「うん、あとはお母さんの名前ね」
「・・名前じゃなく、「おかあさん」では、ダメか?」
「おかしくないよ」
「・・わたしは、養女だ。まだ、ミヤに、お母さんと、言ったことない」
「・・・・・」
「メイちゃん、ミヤさんをお母さんと呼びたいの?」
「まだ、ていこうもあるし、照れも、ある」
「じゃあ、これが第一歩ね。メイちゃんの想いを伝える」
「・・・・・」
「お母さんと書け。それ以上の言葉なんてないよ」
「・・・・・」
玄関前。
「近いね。ここから10分くらいか。まさか、ご近所さんだっとは」
「今日は、ありがとう」
「迷惑かけちゃったね」
「ゆーちゅーぶ、こんど、見る」
「嬉しい!」
「・・・あの」
「なに?」
「・・・いや、いい」
「なになに?」
「なんでもない・・」
お辞儀して立ち去る。
「メイちゃん!」
振り返る。
「今度、香港料理教えてくれるかな?メイちゃんにはお菓子作りを教えるから」
「・・・・・」
笑顔になるメイ。
「おねがい、する」
朝の女子高生が、
「えー!」
メイと母親を見て驚く。
「お母さん、・・どうしてその子と?」
「え?舞依知ってるの?この子」
20時
テーブルに切り分けた脆皮炸子鶏。
各種色とりどりの飲茶。
真ん中にホールケーキと誕生日プレゼントの箱。
ミヤが帰って来る。
ドアが開き、
「ただいまー」
テーブルの料理、ケーキに驚き、メイを見る。
「おかえり。・・・お母さん」
16終わり
2週間後
立脇洋司(62)容疑者 強制わいせつ罪 逮捕
余罪
準強制性交等
強制性交等罪
強姦(致傷)罪




