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十七、君が鬱陶しい。  作者: 橘せとか
7/7

帰り道

彼女と話し合う。窓の外は暗く、彼女の笑った横顔が反射して映る。時計を見ると二時間ほど経っていた。

「だいぶ時間使わせちゃったね、ごめんね」

「全然、僕は暇だから」

「そろそろ帰ろっか」

「そうだね、暗いし送るよ」

「一人で帰れるし大丈夫!家遠くなっちゃうでしょ」そう言って彼女は店を出て右に曲がった。帰り道は同じらしい。僕は慌て駆け足で彼女の元へ。

「車椅子押すよ」

「わざわざいいのに、見た目通り優しいんだね」

「僕も帰りこっちだから」

「そうなの⁉住所は?」

「4丁目13-2」

「割と近いじゃん、私2丁目」

「こっち来て住所教えての初めて」

「私も全然気づかなかったわ〜」

「あー、星見た時はお母さん呼んでたもんね」

「ごめんね、車で送ってあげればよかったんだけどあの後病院だったから」

「気にしないで、そんなに遠くなかったし」

「病院行ったら10時くらいまで残されたんだよ、お腹空いて死ぬかと思った」

「車椅子…」

「ん?なんて?」

「あ、いや、なんでもない」やっぱり車椅子には触れられない。

「ここ曲がって」

「わかった」

「あの家から2軒目の所」

「え、ここ毎朝通るんだけど」

「うそ、全然見かけないよ」

「朝わりと遅いからね」

「私車椅子だからすごく早いよ、すごく遅い時もあるけど」

「だから見かけないのか」

「たぶん、そゆこと。あ、大丈夫?帰らなくて」

「そうだった、そろそろ帰るね。じゃ」

「うん、バイバイ!」

一人になった帰り道。音がなる携帯をポケットから取り出す。


今日すごく楽しかった!明日の朝からお迎えよろしくね♪


感謝とともに図々しい内容のメッセージ。朝も暇だと思われたらしい。明日の朝からお迎えというワードにちょっと戸惑った。

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