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十七、君が鬱陶しい。  作者: 橘せとか
5/7

質問

それから三日経った日の放課後、帰ろうと思い玄関に行くと彼女がいた。彼女は僕を見ると間を置かず手を振ってきた。そんな経験は初めてでどうすればいいのか、手を振り返せばいいのかわからなく、ただうなずくだけだった。

「ねぇ、君の連絡先教えてよ」

「いいけど、連絡交わすことないと思うよ」

「こっちが送ったらちゃんと返信してね」

「僕だってそれくらいはするよ」

「しつこくても?」

「いつも誰とも連絡取ってないし大丈夫」

「じゃあ覚悟してね」

「わかったよ」


ありがとう


画面越しにお礼された。

「今の意味あった?」

「もらった連絡先すぐ使いたいじゃん?」

「僕にはわからないよ」

「君と私全然違うね」

「今気づいたの?僕は最初からわかってたよ」

「じゃあ、おにぎり派?サンドイッチ派?」

「サンドイッチかな」

「えー、絶対おにぎりでしょ、私達日本人だよ?」

「日本人でもサンドイッチ食べるよ」

「じゃあ、好きな映画は?」

「桜短し恋せよわたし、かな、」

「あれめっちゃ泣けたよね、ほんとに涙止まらなかったよ」

「小説も泣けるよ」

「今度貸してね。私はね、隣町の公衆電話かな」

「なにそれ、見たことも聞いたこともない」

「おすすめするよ、超面白いから」

「わかった今度見てみる」

「感想聞かせてね」

「わかったよ、そろそろ行くね」

「私もこれからお母さんと病院だから」

「じゃあまた明日」

「うん、バイバイ」

僕はレンタルビデオ店によってから帰宅した。

それから彼女は一日一回質問してくるようになった。

「洋楽と邦楽どっちが好き」とか「0.3のシャーペンと0.5のシャーペンは?」とか毎回彼女と同じ答えになることはなかった。その度に答えの理由をお互いに熱弁した。

それが楽しくてその時間のためだけに学校に行って自分がもしかしたらいたかもしれない。


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