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「君は僕の宝石」
所謂テンプレ乙女ゲームで、突然魔力に目覚めたヒロインが魔法学園に編入した所からゲームは始まる。
攻略対象者は王子様(俺様)、騎士団長子息(熱血)、魔術師団長子息(腹黒)、宰相子息(ワンコ)の4人。攻略対象にはそれぞれライバルとなる婚約者がいて、ライバルの妨害を受けつつ攻略を進めていく。エンドは3種類、ハッピーエンド、ノーマルエンド、バッドエンドで、ハッピーが結婚、ノーマルが友人、バッドが失恋。隠しキャラはおらず4人を全エンド攻略すると逆ハーエンドが解放される。
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うーん、確かこんな内容だったかなぁ。
私は寝台の上でゴロゴロしながらゲームについて思い出していた。
ゲームの内容自体は簡単で特筆すべき所も無く、本来なら数多あるゲームの中に埋もれていっても可笑しくないものだったが、人気イラストレーターが描くスチルが秀逸で爆発的にヒットしたのである。特に王子様エンドのスチルはイラストレーター本人がこのスチル以上の絵は描けないと絶筆したとかしなかったとか・・・。
そのスチルは、王太子の正装である漆黒の軍服に漆黒のマントをなびかせ優美に微笑むもの。
どのエンドもその装いは変わらない。