1/6
ミント、バニラアイスの丘で
バニラアイスの丘で寝そべって
ミントを齧った
夜は光る苔のような緑
背筋に漂う甘い香り
僕の体温がバニラアイスを溶かして
少しずつ低くなってく
アンバランスな寝床
誰も守れないと知った
手のひらが冷たくなってく
指先はきりりと
ミントの残り香を漂わせているって言うのに
バニラビーンズより弱い光
穴だらけの夜空
こぼれてく
透明な雨みたいに
降り注いで
君が
泣いてないといいな
僕は晒されるがままだけど
そんなふうに思っているよ
溶けたアイスクリームにまみれて
べちょべちょになった手で
君の涙を拭えそうにはないから
今はまだ勇敢な香りのする
指先だけを掲げて
そんなふうに思っている




