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02:始まる………


Vatican VCSO headquarters


阿修羅、緊那羅、沙羯羅しゃがら摩和羅女まわらにょはバチカンにいた、何かのお祭りと思わんばかりの豪華な飾り付け、今までのバチカンから考えられないような賑わい、そして戦いにはにつかわしくない屋台の数々、世界各国の屋台がある。

そして世界各地から集まるホーリナー、そして阿修羅達が入って行った途端に会場がざわめく、それもそうだ、“天竜の阿修羅”“音速の緊那羅”“百中の摩和羅女”、そしてランギがいなくなった今対大量戦術世界一の“乱殺の沙羯羅”、この4人は世界でもトップクラス。

今や日本支部は各国支部で最強を誇っている、神選10階にいる“殺壁の帝釈天”も含めその力は神選10階ですら一目を置く。


会場には各国の待合室がある、そこには試合場を写すモニターがある、それによりココからでも四方八方から試合が観戦出来る。

阿修羅達は歩いていると“元神選10階”と書かれた待合室を見付けた。

そこにいるヘリオスは一瞬で阿修羅を見つける。


「阿修羅!」


それにより全員が阿修羅の方を向いた、そして駆け寄るヘリオス、帝釈天とタナトスはゆっくりと同時に立ち上がり、睨み合う。


「阿修羅久しぶりッスね」

「はぁ、そんな経ってないでしょ?」

「阿修羅ぁ、やっぱりダーリンとラブラブじゃない?」

「あら、色男もいるじゃない?」


緊那羅はタナトスを見てクスリと笑う、タナトスは顔を赤くして明後日の方向を見る。


「タナトスだ」

「じゃあタナトス、お手柔らかに」

「そんなもん関係ない、俺様と当たれば斬り刻むまでだ」

「なんだタナトス、貴様こんな男女が好きなのか?」

「あぁ?ぶっ殺すぞ?」

「はぁ、貴方達喧嘩以外に何か出来ないの?」


阿修羅が呆れて言うと二人はそっぽを向いて合い入れようとしない。


「このタナトスじゃないイケメンは阿修羅のお兄さんなんでしょ?」

「まぁ一応ね」

「私歳上ってタイプかも」

「はぁ、沙羯羅、帝釈天は私の双子の兄よ」

「「「「そうなの!?」」」」


神選10階待合室にいるダグザを抜いた全員が驚く。


「何だ貴様ら、知らなかったのか?」

「いやだって、何か帝釈天って大人っぽいじゃないッスか」

「貴様が子供なだけだ」

「阿修羅と双子には見えねぇな、こんな老けた10代だったら俺様は自殺を考えるぜ」

「20を越えても‘俺様’と言うのよりは堪えられるな」


二人は胸ぐらを掴みあう、タナトスは怒りを剥き出しにしているが帝釈天はポーカーフェイスに見える、しかし、その目は殺気に満ち溢れている、周りにもビリビリと伝わる緊張感、各国ホーリナーは怯んでしまう者もいる。


「はいそこぉ!シューリョーだよ、戦いたかったら勝ち残ってちゃんとした場で決めなよ、じゃないと全力で取り抑えちゃうよ?」


2人は壇上からマイクを通して喋っている元帥の全力を見たことがない、だから怖い、あの呑気な奴にどれだけの力が隠されているのか、果たしてこの2人であの元帥に勝てるのかが。


「じゃあホーリナーは自分達の支部のプレートの前に並んでぇ」

「はぁ、これじゃあ運動会じゃない」

「たまには良いんじゃない?皆任務ばっかりで疲れてるじゃない」

「はいそこ!阿修羅ちゃんと緊那羅ちゃん!」


元帥は壇上から阿修羅と緊那羅の事を指差す、それによりざわめく会場、阿修羅や緊那羅の存在に気付いていなかった者達だ、この2人程の人間がいる、改めて実感させられた。


「まぁあれだよ、一番になった支部には全員に有休をあげちゃうよ」


更に盛り上がる会場、俄然やる気が出る会場、しかし阿修羅は気付いていた、喜ぶ緊那羅達を後目に呆れて頭を抱える。


「どうしたのよ阿修羅?あんたがいれば優勝なんて余裕でしょ?」

「そうだ!阿修羅が最強に決まってる!」

「じゃんじゃん勝ち進んじゃおうよ!」

「はぁ、貴女達、この大会の落とし穴、分かってる?」

「「「落とし穴?」」」


3人は首を傾げた、阿修羅はやっぱりとため息を吐く。


「この大会、支部同士の戦いじゃなくてホーリナーの戦いなのよ?…………つまり、出るのは私達支部員だけじゃなくてあそこにいる化物、神選10階も出るの」


コミカルなオーバーリアクションで驚く阿修羅以外の3人、そして阿修羅は神選10階を見るとヘリオス、ダグザ、そしてあの帝釈天までもが妖しい笑みを浮かべて手招きしている。


「はぁ、帝釈天まで、…………………ってあぁ!」


阿修羅が叫んだのに緊那羅達はビックリした。


「どうしたのよ阿修羅?」

「やられた、この大会の本当の意味、そんなの最強を決める事じゃない」

「じゃあ他に何よ?」

「あのエロ元帥、この大会かなりの確率で私と緊那羅は神選10階入り出来るくらいの順位はいく、そして有休、これは私達を神選10階にする大会なのよ」


阿修羅と緊那羅は頭を抱える、仮に有休が取れたとしてもそれは阿修羅か緊那羅が神選10階入りを意味する(元帥達が酔っ払った勢いで決めた事はダグザ達以外誰も知らない)。


「じゃあ今回の種目を紹介するよ。

まずは遠距離最強を決める的当て、コレはただの的当てじゃないから覚悟してね、ちなみにこれは神技抜きだよ。

次に対大量戦術最強を決める早殺し、これは大量の敵に包囲された状態でどれだけ短時間で殺せるか。

最後に最強を決めるトーナメント、コレは神技だろうがなんだろうが使いたい放題だよ、VCSOが新たに開発した装置だから死ぬことはない、だから力一杯殺しあっちゃって構わない」


盛り上がる会場、神選10階にはなれなくても一点特化で名を轟かせられる。

しかしまだ誰も知らない、神選10階の本当の強さを、真に強き者は全てにおいて強き者という事を。

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