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01:不吉な始まり

遂に始まりました『修羅の巫女』3作目!

今回は息抜き、そして次回に繋がる大切な作品になりそうです。

割と真面目にココまで進んで来たのでちょいと遊んでみようと思います。


Vatican VCSO headquarters

3日前


小部屋、そこは殺風景であるのは窓とテーブル、そして椅子のみ、窓から下を見れば5、60mはくだらない。

窓からの日の日射しはそこにいる3人を妖しく照らしている、そして3人の手元には湯気を上げるコーヒー、お菓子等は無くブラックのコーヒーのみでその場を繋ぐ3人の男達、その顔は真剣で、まるで世界大戦前とすら思わんばかりの剣幕。

しかし、そんな真剣な表情で3人が話しているのは世界を左右する事でも、何かが掛っているわけでもない、そして男、毘沙門天は机を叩いて身を乗り出す。


「ぜってぇに阿修羅が一番だ!」


そして元帥が違うね、と毘沙門天の意見を一掃し、今までに見せた事のないような鋭い目付きで毘沙門天を睨んだ、それは殺気、殺意、そのようなモノにすら受け取れる。


「君達、まだまだ何も知らないね、ロシア支部のチャンティコちゃんが間違いなく一番だよ」

「否、祝融也」

「ロリコンは黙ってろ!阿修羅が一番可愛いんだよ!」


そう、元帥とランギ、毘沙門天が話をしていたのはホーリナーで誰が一番可愛いかというもの、いつになく熱い激論を交わす3人、お互い譲ろうとはせず、意地の張り合い。

まだまだVCSOは平和である証だ、いや、呑気の間違いであろう、つい数日前にはホーリナーラグナロクがあったくらいだ、呑気すぎるくらいだ。



その話の流れで今の世界各国のホーリナーの中で誰が一番強いかという話に、そんなの相性によって変わるが今の3人にとって関係ない、何故なら今まで持っていたコーヒーがビールに変わっているからだ、酔ってしまった3人に常識などは関係ない、そして居酒屋の親父同士の喧嘩のように脈絡も信憑性も正当性も何もない。


「絶対に阿修羅が一番強いって言ってるだろうが!アイツは天竜の巫女だぜ!天竜は最強なんだよ」

「毘沙門天、親馬鹿、最強、帝釈天」

「分かってないねぇ、最強はやっぱりタナトスでしょぉ、戦いの報告書がメチャメチャなのを見ると何かを隠してるよ」

「テメェら!阿修羅が最強じゃないって言うのかよ!?」


既に得物、十字槍の岩貫を構えている。


「僕と殺り合おうっていうの?」


元帥は見えない速さで得物を取り出し、毘沙門天に攻撃を加えようとするが、毘沙門天は岩貫でそれ弾いた。


「不理解者、抹殺」


ランギは毘沙門天を得物である紐、アヌで毘沙門天を縛った、しかし長年同じ戦場で戦っていた仲間、それくらいの動きのクセや対処法は自然と理解していた。

毘沙門天はランギに突っ込むと肘先だけでランギを掴み、窓の外に放り出した。

しかしランギは冷静に道連れの道を選ぶ、元帥にも巻き付けて落ちる、毘沙門天、ランギ、元帥は地上50m以上もある部屋から飛び出した。

元帥と毘沙門天は空中でアヌをほどくと体勢を整える、そして毘沙門天は岩貫をランギに投げた、しかしランギはアヌを巻き付け勢いを殺さずに元帥に投げ返す、岩貫は元帥にたどり着く前に元帥の得物により方向を変え毘沙門天に向かう、それでも元帥の得物は見えない。

岩貫の移動速度は既に200km/hを超えている。

先に着地したのはランギ、そして頭上からは岩貫の切っ先をランギに向けた毘沙門天が、毘沙門天はそのまま岩貫をでランギを押し潰そうとする、ランギは軽々と避けると毘沙門天は地面に突き刺さった、その時の音は爆音、凄まじい音がバチカンに響き渡る。

毘沙門天の今度のターゲットは元帥、砂塵で見えない中からいきなり飛び出す岩貫、元帥はギリギリで得物を取り出し、岩貫に巻き付けて防いだ。


「やっと得物を出したか!」


元帥の得物はムチ、名はヴァルナ。

元帥は岩貫を捨てるとヴァルナを軽く振った、凄まじい勢いで毘沙門天に向かう、しかし毘沙門天は上空に逃げる、ヴァルナは地面を深くえぐった、毘沙門天の落下跡は既に10mの深さにもなっている。

ランギはその毘沙門天の右腕にアヌを絡めた、そして元帥は左腕にヴァルナを絡める。


「こんなもん!」


毘沙門天は力一杯引っ張ると二人は宙に浮いた、そして再び岩貫を顕現すると同位置にいる二人に振り下ろす………………。




音を聞いて駆け付けたダグザ、モリガン、タナトス、帝釈天、他の者達は任務のタメに出払っている。

4人はその光景を見てため息しか出ない、それは戦争、一ホーリナーの戦いにしては惨状が酷すぎる、地面に当たればそこはえぐれ、一度攻撃に入れば五月雨のように何発も攻撃が放たれる。


「ははは…………、こんなの僕たちにどうしろっていうんだい?現役の神選10階なんかミジンコだよ」

「モリガン、俺が奴らを一瞬止める、その間に地に磔にしろ」

「じゃあ俺様が気を引くぜ」

「プロテクティブ【防護】」


帝釈天が走り出した、タナトスは得物である大鎌、スケイルを投げ飛ばしてアヌとヴァルナを絡めた、そしてそのスケイルを帝釈天が掴むとランギと元帥を引き寄せる、毘沙門天は迷わず岩貫を帝釈天に振り下ろした、岩貫は帝釈天の肩に当たるがダメージはない、そしてそのまま4つの得物をぐちゃぐちゃに絡める。


「グラビテーション【重力】」


その瞬間元帥、ランギ、毘沙門天は地面に強く叩き付けられる。


「終わりだ、馬鹿共」


ダグザが3人を見下す、3人は殺気に満ちた目でダグザを睨んだ。


「テメェ!横槍入れるんじゃねぇよ!」

「死罪決定、覚悟準備」

「いくらダグザでもコレばかりは許せないな」

「貴様ら、何をしていた?」

「あれ?おい、俺達何してたんだ?」

「……………忘却」

「何か分かんないけど戦ってたねぇ」


4人の神選10階は頭を抱えて大きなため息を吐いた、本当の馬鹿だ。

先ほどからビールの匂いがプンプンする、酔った勢いでこれだけの事をされたら本部が崩壊する。


「あぁ!テメェらが阿修羅を弱いって言うからだ!」

「否、最強帝釈天也」

「だからタナトスだって言ってるんだよ!」

「帝釈天さんよぉ、これは俺様のせいか?」

「いや、馬鹿な爺のせいだ」


まだギャーギャー騒ぐ3人、そしてダグザが黙れと一言叫ぶ、それにより再び放たれる殺気。


「そんなに気になるなら決めれば良いだろ、世界からホーリナー集めて、戦わせれば早い話じゃないのか?」

「それだぜ!」

「名案」

「じゃあココに第一回ホーリナー世界大会を始める事を誓います」

「おい、ダグザ、テメェまた面倒な事しやがって」

「すまん、俺の失態だ」

「まぁ良い、それもまた一興だ」

「なんか楽しそうだね、今までにない試みだよ」

「じゃあそれで神選10階でも決めちゃおうか?そう入れ替えってやつ?」

「「「「馬鹿が!」」」」


そうして決まった、神選10階を決める、そしてホーリナー最強を決めるトーナメントが、酔っ払いの喧嘩からVCSOが変わろうとしている。
















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