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幸福感…
ナオが言った。
「まずくない?こうやって会うの?」
…。
「キリとはうまくいってるの?」
「あんまり…」
「じゃあ…」
「それでいいの?ナオは」
…。
それからしばらく、僕らは黙って突っ立っていた。
「歩こうか?」
「うん…」
僕らは無言でゆっくり歩いた。
…幸福感。
「じゃあ、私、行くね」
ナオが言った。
「えっ?」
「その方がいいよ」
「…そーだね」
「じゃあ」
ナオがいなくなった。
…。
どうしたらいいんだろう?
僕はナオのことが好きだ。そしてナオもきっと…。
僕は当てもなく街をぶらついた。