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つまんない?
キリを見つめる。
かわいいな…。
「なに、見てんの?」
「かわいいな、と思って」
「なーんだ」
別に、特別なことを言われたわけでもないように、キリがフーッと息をついた。
「それで私のこと、少しは好きになった?」
「…まあね」
「ふーん」
放課後。
街をぶらぶら。
「つまんなくない?」
キリが言ったら。
「いや。キリと一緒にいられるから」
僕は言った。
「キリはつまんない?」
「なんか今日はね」
…。
「今日は、これで帰ろっか?」
キリがつぶやいた。
「いいよ。キリがその方がいいなら」
「じゃあ。バイバイ!」
キリがいなくなった。
…。
しばらく街をぶらぶらしていると、またナオと出会った。