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意外と本気?
ナオと並んで歩く。
正直、ナオよりキリの方が、数段かわいい。
けれど、ナオはそれでも魅力的だ。
瞳が。
綺麗な瞳が、いつも、真っ直ぐ前を見つめている。
「ナオは、彼氏、いるの?」
「今はいない」
「そう…」
…。
「あなたがなってくれるの?」
「…えっ?」
「冗談よ」
…。
「だって、ケンはキリと付き合ってるんでしょ?」
「うん。そうらしい…」
「でも、意外と本気だったりして…」
「何が?」
「…別に」
ナオが向きなおった。
「じゃあ、私、そろそろ行くね」
「うん。楽しかったよ」
「私も。じゃあね!」
「じゃあ…」
ナオがいなくなった。
はあ…。
ややこしいな…。
ため息をついて、僕は帰り道を歩きはじめた。