第五話
目を開けるとそこには青空が広がっていた。青い空と白い雲がマッチしたそんな光景を見ていると何だか穏やかな気持ちになる。
どうやら俺の体制は寝ている様で体を起こすと眼前にはファンタジー物の石畳の外装をしたオシャレでポップな洋風のイメージ漂う街並みが広がっていた。
俺はそんな街の入り口に寝そべる様にして倒れていた様だ。
一体、一日に何回気絶すればいいんだよ
立ち上がり街に向かって歩いて行く。街の中を辺りを見渡して闊歩しているとある事に気がついた。
この街、人がいない......
飲食店や宿屋、住宅まで建っているのに何故か人っ子1人いないのだ。
住人みんな一斉に出掛けたのか? そんなわけいないだろう
街の中心まで来るとそこで足を止める。街中は静まり返り、聞こえるのは西部劇の様なヒューという風の音だけ。
ここはゲームの中。しかもVRゲームだ。他のプレイヤーがいたっておかしくない。
いや、むしろいるのが当たり前。どんなゲームにもNPCと言われるプレイヤーが存在する。仮にNPCじゃないプレイヤーが誰もこのゲームを起動してないとしても今のは明らかにおかしい。
NPCすらいる気配がしない。まるで荒廃した街のようだ。
一体どうなっている? 運営が機能してないのか?
てか、そもそもこのゲームの運営は誰がしている? そんな事考えもせずにゲームを始めてしまったが大丈夫だろうか?
今になって不安がこみ上げてくる。
俺は道を引き返すと倒れていた入り口に戻ってきた。
街に背を向けると目の前には木々が生い茂った長い道が続いている。
街に誰もいないなら行くしかない。状況が全然分からないがとりあえず行ってみよう。
ゆっくり街を後にして歩みを進めた。