第四話
気がつくと、俺は自室のベッドに横になっていた。
確か妹に一泡吹かせてやるとか言って中学2年生のAカップにも満たないおっぱいを触ってやった結果、見事に妹の頭突きを食らったんだっけ
どうやら一泡吹かせられたのは俺の方らしい。
俺は時間を確かめる為にKIFを操作した。
「?」
ホーム画面を見ると何か届いているようだ。
メールかと思いウィンドウを開くとそこには一つのアプリケーションが表示された。
「ディザイア? 何だこれ」
アプリの名前はディザイア。灰色のメタリックなスライムのようなものに黒い文字でディザイアと書かれたアイコンをしている。
アイコンを一回タッチすると、四角い枠に文字の羅列が現れた。
*注意*
あなたはゲームプレイヤーに選ばれました。
このアプリケーションはあなたの欲望を満たす事の出来るVRゲームです。
一度始めるとゲームをクリアするまでゲームを止める事が出来ません。
それを了承した上でゲームを開始して下さい。
ゲームを始めますか?
はい いいえ
「欲望を満たすゲーム?」
欲望を......満たすか、色々想像するわ
頭の中でありとあらゆる欲望を想像するが首を振って現実に戻る。
てか、一度始めると止められないってなんだよ
そんなゲームこんだけ技術が進んだ現代でも聞いた事ないぞ
一体どんなゲームなんだ......
正直少し興味がある。てか、ない方がおかしいだろ
だって欲望を満たせるんだぜ? それで興味ないってよっぽど臆病な奴か天性の馬鹿ぐらいのもんだろ
仮に一度始めると止められないってのが本当だとしても今は夏休み。
時間ならいくらでもある。それにクリアすればいいだけなんだからさくっとクリアして戻ってくれば問題ない。
ゲームをプレイする決意をすると俺は、机に向かって白紙を出して黒ペンで文字を書きなぐった。
『今から夏休みの宿題やるから入るな』
「よし」
書き終えると紙を持って部屋を出て、扉の外側にそれを貼りつけた。
部屋に戻って扉を閉めるとイスに座る。
何故、こんな事をしたのか?
単に邪魔されたくないからという理由だけじゃない。もちろん、邪魔除けの役目も担ってはいるがKIFによるVRゲームのダイブはゲームを起動すると意識が電子となり、KIF経由でゲームの中にダイブするのだ。
ダイブ中は眠った様に動かなくなる為、人前でやる人はほとんどいない。
だって、人に寝顔見られんの嫌じゃん?
俺はディザイアのアイコンをタッチする。注意書きが再度現れると『はい』を軽く押した。
「!?」
刹那、青白い発光と共に俺の周りを風が包むと目の前に『Welcome to Desire』とメタリックな文字が表示され意識が飛んだ。