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第三話

 この生意気妹様は一体どんな頭してんだよ! いくら思春期の中学生だからって妄想が酷すぎんだろうが

「俺がやったのは頭を撫でるだけだ! お前は何ちゅう事考えてんだよ」

「うるさいな! 妹の頭欲情して触ったんでしょ! 意味は一緒じゃない」

「話を飛躍させ過ぎなんだよ! てか、お前の方こそオタクなんじゃねぇの?」

「お兄ちゃんと一緒にしないでよ」

いや、その妄想は常人じゃないから

「俺はオタクじゃねぇけど、話し方で分かんだよ。お前さっき『くんかくんか』とか『だぉ』とか言ってたろ! それがオタクっぽいんだよ」

「意味分からない! もう知らない」

 そう言って妹は逃げた。

 奈々の閉めていったドアから発生した微風が俺の顔に吹き込む。

 嘘? マジ、アイツオタクなの?

 気づくと股間の痛みは消えており、俺はイスに座ると手首のKIFを指で操作してゲームの続きを始めた。

 その時だ。突然ドアが開くと手に何か持って赤面した奈々が現れた。

「今度は何?」

 てか、さっきもう知らないとか言ってなかった?

 飽きれ声で聞くと、奈々はドタドタと部屋に入ってきて俺の顔面に持っていたそれを押し付けた。

「ぬ!?」

 押し付けた物をぐりぐりしながら奈々は言う。

「さっきのはこの漫画に描いてあったの!!」

 息の限界で後ろに仰け反るとイスから転落して思い切り背中を強打した。

「殺す気か!」

 起きあがると目の前の妹に怒鳴りつけた。

 マジ、死ぬかと思ったわ!

 すると奈々はそんなのお構いなしにある漫画を俺の目の前に出してきた。

「何だこれ?」

 それは「アキハバラ☆デイズ」というタイトルの漫画で秋葉原を舞台としたオタク系漫画だった。

 そこには奈々の言うとおり主人公が『くんかくんか』とか『だぉ』とかオタク調な事を言っていた。

「いい? これで分かったでしょ? 私はこれを読んで知ってただけでオタクじゃないの」

 コイツどんだけオタク嫌いなんだよ

「でもこの漫画は?」

「お母さんの」

 母さぁぁぁぁぁぁん!! 恐ろしい! 恐ろしいよ、うちの母さん。

 あの人何ちゅう漫画持ってんのよ!?

「お前がオタクじゃないのはわかったけどよ、こんな漫画持ってる母さんがよくてゲームしてただけの俺がダメってご都合主義過ぎないか?」

「だから言ったでしょ! お兄ちゃんはキモいって」

 みんな、俺泣いていいよね?俺、ハートはガラス製だから

「分かったならもういいや。帰る」

 自分がオタクじゃない事を理解させて自己満足した妹は陽気に部屋を出て行った。

 くそぉ! 人の事オタクだのキモいだの変態だののたまわりやがって! 自分だって妄想力ヤバい変態さんのくせによぉ

 こうなったら一泡吹かせてやる! 見てろよ、変態妹!

 俺は立ち上がると部屋のドアを開け、部屋を出た。

 廊下を見ると陽気にスキップをする妹を発見。

「ひひひ、見つけたぞ」

 妹に向かって全力で突っ込み、妹の真後ろに来た所で蛙の様に跳躍した。

 そのまま奈々を後ろから捕まえて抱きつく。

「捕まえた!」

「ちょ!?」

 二人で前のめりになって廊下に倒れた。

「いったいなぁ! 何するのよ」

 俺と奈々は廊下に並列に倒れている。

 奈々が起きあがろうとしたその時俺は攻撃に出た。

「食らえ! 変態妹!」

 そう言うと俺は奈々の脇の下に両手を通し、微かに膨らんだそこに触れた。

「ちょ!?......バカァァァァァ!!」

 途端、奈々は暴れに暴れて、妹の頭が俺の顔面に炸裂した。

「がぁ!?」

 刹那、俺の目の前は暗転した。

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