3.非日常の証明
朝の陽射しがカーテンの隙間から差し込む朝、目覚ましの音に起こされた勇一は自分の腕を見て、「夢・・・じゃなかったんだな。」
そう言いながら、昨夜自分の身に起きた非日常的な出来事を思い出した。
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「は?魔女・・・・?」
自らを魔女と語り月村アリスと名乗った少女に対し、勇一は言った。
「はい。しかし、父が普通の人間ですし純血では無く混血ですがね・・・・」
そう言いながら、自分の説明を開始したアリスを冷めた目で見つめながら勇一は心の中で
【こいつは、いきなり何言いだしてんだ?頭の中が可愛そうな人なのか?】
すると、勇一の視線に気づいたアリスは、
「あれぇ、先輩。もしかして信じていませんね?仕方がないです。では、証拠をお見せいたしましょう。」
そう言いながら、アリスは勇一へと近づいてきた。そして右手を掴み、顔を近づけ
「拘束の腕輪よ、彼の者に我との再会の導きを・・・」
そう言い、アリスは勇一の右手にキスをした。そして
「再会の腕輪」
そう唱えた瞬間、勇一の右手首に黒い痕がリストバンドのように刻まれた。
「なんだ、これは!」
いきなりの出来事に驚きながら勇一は、その痕を左手でこすって消そうとする。しかし
「消えない!?」
「はい、それは再会の腕輪と申しまして簡単な魔術の一つです。」
そう言いながら、アリスは笑いながら
「その痕は、明日の日没と共に爆発し先輩をこっぱみじんにします。」
その予想外の言葉に勇一は、あわてながら
「爆発!?俺に何か恨みでもあるのか?」
「恨み?いえ、めっそうもないです。むしろ先輩に協力してもらいたいのですが。」
再びの予想外の言葉に勇一は、
「協力?」
「えぇ。しかし、もう遅いですし詳しくは明日学校で昼休みに体育館の裏で。来てくだされば、その術式ももちろん解除いたします。」
その言葉に勇一は、
「つまり、おどしってことか?」
「えぇ。簡単に言えば。」
そう言い、アリスは勇一に手を振りながら
「では、明日お待ちしております先輩!」
そう言うと、一吹きの強い風が起きた。その風に勇一は、一瞬目を閉じ再び開くとそこには誰もいなかった。
「なんだってんだよ。」
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その後、急いでコンビニへ行き帰ったが、あまりに遅かったため雪穂には怒られてしまった。
そんなことを思い出しながら、勇一は部屋を出た。
昨夜の謎を解き明かすため学校へと向かうために。
だいぶ遅くなってしまいましたが、第3話です。また説明系ですね。たぶん次も説明ですかね。最初4話は、序章だと思ってもらえるとありがたいですw
大学も始まりましたし、バイトもあり次の掲載はいつになるやらw
では。