表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

魔力を持たない少女が現れた日

作者: みなも
掲載日:2026/05/25

おはようございます。朝は苦手です、とても眠いので。

しかし現実、学校へ行かねばなりません。

こう見えて私は都立魔女学校の生徒なのですよ、階級は5級ですけれど。

奇跡的に入学を果たしましたが、さすが全国でも指折りの上位高、私なんかが勉強についていけるはずがありませんでした。


ある日の授業後、今は使われていない離れの教室へ、私は先生に頼まれた不要なマテリアルを持って行くのでした。

本来であれば先生と一緒に分別して廃棄するところが、今日は先生の都合で私だけが行うこととなってしまいました。居残り確定です。

知っての通り実力主義であるこの国において私に友達などできるはずもなく、こんな時に手伝ってくれる友達を探す為にも勉強をもっと頑張らないとなぁと都度思う訳ですが。いえ、私だって頑張っているのですよ、自分でそう思っているだけかも分かりませんが。


たまに独り言を呟きながら黙々と分別をしていると、突然「ガタンッ」と物音が聞こえました。私の他にもこの物置教室にご用がある方がいらしたのかしら、そう思い興味本位で音の鳴った方へ近づいて行きました。

案の定、人はいました。壁に立て掛けられたボロボロの扉を背に。しかし不思議なことに彼女からは微塵の魔力も感じられないのです。

「えと、ここは…どこでしょうか…?」

彼女は私に尋ねました。私は「離れの物置教室ですよ」と一言。しかし彼女はあまり状況を理解できていないご様子。お近付きのご挨拶ではありませんが、先程の物音で負ったと思われる膝のケガを治してあげました。すると彼女は飛び上がり「な、治った!?」と驚かれたのです。さすがに私のことをバカにしすぎでしょう、この位は犬でもできます。それを口にはせずに「いかがですか…?」と声をかけると「あなた、凄いですね!今のなんですか!?」と言われました。なんですかと聞かれましても、ただ傷を治しただけでして。落ち着きのある心情とは裏腹に体は正直なようで、私に近づいてくる彼女を前にたじろぎまくっています。

「なんだかよく分からないけど、治してくれてありがとう!」

彼女は元気にそう言ってくれました。よく見るとこちらでは見かけない装いをしておりますし、見かけない小さいスクリーンのような物もお持ちでいる。別の学校の方かしら。なんだかよく分からないという感想はお互い様のようですが、彼女には不思議と気を許してしまう私がいました。私たちは互いを知るためにお喋りを始めましたが、やはり相性は良さそうです。とても楽しいひと時が過ごせたと、今でも思ってる。あの時、扉が閉まり始めている事に気づいてさえいれば、私が守ってあげられたのに。私は生涯にわたり悔やみ続け、彼女の想いを背負い続ける。それが、自分よがりな償いであろうとも。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ