祭を眺めて笑う神
どんどこどん、ひゅうひゅらひゅう。
ほかの音を圧倒するような大きな音が周囲に響き渡る。
音に合わせるようにして人も獣も関係なく慌ただしく動き回っていた。
山に住む神様はその様子を眺めてニコニコと笑い、コレがあると皆仲良く同じ方を向くのだからもっと頻繁にあれば良いのに、などと考えていた。
人の言葉を借りるのならば、みながみな手を取り合うこれは「お祭り」と言うらしい。
ひゅうひゅうひゅう、ドンドンドン。
クライマックスが近づいているのか、段々と音が大きくなる。
そして、一際大きな音が鳴り響いた。
ドーン!
空が真っ赤に染まり、そして暗くなる。
一昼夜が明け、朝日が燃えた森を、荒廃した村を照らすのを眺めながら、神様は次のお祭りは一体いつになるのかな、と考えていた。