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本能を研ぎ澄ませ

 それじゃあまずは手数で押してみるか。久しぶりに俺は周囲に多種多様な魔法の矢を展開させる。一つ一つに力を込めているから、防具を着ていないシュナイザー様でもまともに食らえばダメージになるはずだ。怒涛の矢を放ち襲い掛かると矢をシュナイザー様はこっち向かって走りながら、合間を抜け流れるように矢を剣で斬り裂いていく。


 そりゃ対応出来るよな。でも、本命は!


 大量の魔法の矢による爆発で姿を隠した俺は気配と姿を隠し矢を避ける先を読み背後か無防備な首にナイフを振り下ろす。


っ!!


 このまま当たるかと思ったがシュナイザー様は一切こっちを見る事無く前へと姿勢を落とすとそのまま空中で回転しそのまま俺を蹴り飛ばした。


「足癖が悪いな!!!」


 攻撃に気付いた俺は風の障壁を作り出し勢いを利用して空へと上がると、風の足場を作りシュナイザー様を見下ろす。


「空を飛べるとはな」


 いくらシュナイザー様でも予備動作無しにこの高さに来ることは出来ないだろう。戦いにおいて高所と言うのはとても重要であり、上に居るだけで相手が攻撃しずらくなりこっちは当てやすくなる。しかも、この何も無い平地の訓練場で高所から逃れる術はない!だけど、シュナイザー様相手じゃ何があっても可笑しくないから念の為こっちに来た時用に罠を張っておいてっと


さぁ好き放題させて貰おうかなっ


 俺は魔法の矢を大量に作り出しクロスボウにも魔力を装填すると、何かされる前に風と雷の矢による地面を蹂躙する矢の雨を降らせる。この数と威力ならば避け場所は一切無いぞ!!


「そう来たか」


 雨のように降る矢を見ながらシュナイザー様がニヒルに笑うと、縦横無尽に地上を掛けまわり一つ一つ素早く流れるように矢を撃ち落としていく。無数の矢の中にあるクロスボウによる高威力かつ闇魔法で気配と魔力を消して矢ですらも的確に一切の隙無く捌くその技量に驚愕だな。


だけど、そんなに矢ばかりに集中しちまって良いのかな?


「おっと、なるほどな」


 縦横無尽に動いていたシュナイザー様の動きが初めて止まり、その足には無数の闇の鎖が絡まっていた。俺だってただ魔法の矢を馬鹿みたいに撃ってたわけじゃない。魔法の矢に闇の鎖を加え地面へと無数に打ち込んでおいたのだ。動きが止まれば全てを捌けないだろっ俺は無数の矢と共に今出来る全力の矢をクロスボウに籠め、シュナイザー様に放つ。


 キィィン


 甲高い音が鳴り響いたと思った瞬間三つの風を斬り裂いた音が聞こえ、シュナイザー様は剣に魔力を籠め一瞬で鎖を断ち襲い掛かる矢を全て切り伏せやがった。今、何をやったんだ?剣に魔力が宿ったのは分かったが、それは剣の威力を強化しただけだ。何故空中の矢まで全てが斬られてんだ?


あ、やべ


 何が起きたのかよく分からず混乱し攻撃の手が止んだ隙に、シュナイザー様は軽く踏み込み俺の元まで飛び上がってくる。距離を取るのが遅れてしまったが、罠に引っ掛かったのはシュナイザー様だ。


「ワイズスパイダーの糸か!」


 ワイズスパイダーの糸はシュナイザー様を捉える網のように広がるが、怯む事無く剣を構え一振りするとバラバラに斬り裂かれてしまった。その勢いのまま俺の元へ来たので俺もナイフで応戦したが力負けし首元を掴まれ地面へと叩きつけられる。


「いってぇ・・・」


 風で衝撃を和らげた俺は速やかに体勢を立て直し、落ちてくるシュナイザー様の攻撃を避けた。


「空のお散歩は終わりだな」

「そうみたいですね」


 さっきの魔法の矢を一振りで全て斬り裂き、ワイズスパイダーも一振りでバラバラにしやがった。そして、また聞こえてきた三つの風の音と魔力。それから考えるに・・・・魔法剣か風の魔法か?だけど、魔力は剣からしか感じない。一体どういう事なんだ?空から地面に落ちちまったが、あの謎の攻撃が分からない以上近づく訳にはいかないな。だけど、そうさせてくれる訳無いよな!


クソッ


 地面に落ちた俺を狩ろうとシュナイザー様は距離を詰めてくる。


近付かれると不味い!


 俺は姿勢を落としロスボウで攻撃をしながら逃げ回ることにした。素の速さなら俺の方が上だから攻撃し続ければ俺には簡単には近付けられないはず。シュナイザー様は口角を上げながら獲物を追いかける狼のように森で見せたような獣のさながらの動きで矢を避け俺に迫ってくる。


 このままじゃ埒が明かないな・・・・単純なクロスボウによる攻撃じゃ仕留められない。だけど、あの謎の技が分からない以上近接戦に持ち込むには危険すぎる。と言う事は分身を使ってあの技の正体を見極める必要があるな。でも、この状況で分身を作ってもすぐに見破られて意味がない。普通の奴相手なら闇魔法で姿を消し気配を消せば俺を捉えることは無理だが、シュナイザー様は獣のような直感で常に俺を捉え狙っている。


一瞬でも良いから意識を俺から外さないと


 だがこの敷地に姿を一瞬でも隠せるような障害物は無い。だけど、幸い地面は土だ。俺はクロスボウに高威力の風と雷を合わせた矢に棒手裏剣を装填し地面へと撃ちこんだ。そして爆発させる。


バンッ


 衝撃音と共に地面が抉れ風によって巻き上げられた細かな土が土煙となってこっちに駆けてくるシュナイザー様から俺を遮った。これなら匂いも土煙で分からないだろう。俺はそ一瞬の隙に闇の分身を作り出してシュナイザー様へ向かって突撃させ、分身だと気付かれないようナイフに風の魔法を纏わさせる。


 土煙から突然現れた分身に驚く事無く冷静に剣を振るうシュナイザー様。分身の表情を予想外とでも言いたげな顔に変え、そのまま腹に剣が直撃すると、剣を挟むように刃のようなものが一瞬見え分身は綺麗に四分割された。そういうことか!種が分かった俺は分身を闇の鎖へと変えシュナイザー様に巻き付くように操り、気配を消した俺は足元へ駆け込み膝の裏を斬りつける。


「おっと、危ない無いな」


 当たったが魔法を使って守りシュナイザー様は筋力だけで鎖を破壊した。


やっぱ単純な攻撃じゃ反応出来るよな。俺は急いで距離を取り次の攻撃に備えた。


「お、次はそっちから来るつもりか。良いぜ来いよ」


 シュナイザー様の謎の技は大体予測が付いた。だけどしっかりと見極める為に今度はこっちから仕掛けさせて貰おう。俺は雷魔法と風魔法を身体に纏わせ俺が出来る最速の状態にして、真正面からシュナイザー様に突っ込む。


「真っ向勝負か、その勇気は好きだが俺相手に勝てるとでも?」


 口では余裕そうな言葉を吐いているが、その行動に一切の油断は無い。冷静に剣を斜め下に構え眼前に迫る俺を斬り上げる。そしてその剣を筋を真似るように剣を挟差むように二本の刃が現れる。俺は真横に風の障壁を作り出しそれを蹴り上げ斬撃を避け、そして迫りくる蹴りを避けるためにまた風の障壁を作り出し頭を狙い飛び上がる。そして背後から迫りくる魔法の矢を作り出しながらの攻撃さぁどうする?


「おうおう、速いな!」


 シュナイザー様はしゃがんで避け、落ちてくる俺を追撃しようとしたが、俺はすぐに風の足場を作り俺は頭上を通りに抜けながらクロスボウで雷の矢を放ちながら背後に着地する。その様子を見たシュナイザー様は振り向きながら足払いを仕掛けてきた。


 いつも通りの威力はあるけど普通の蹴りのはず。そのまま懐に入ってしまえ確実にダメージを入れられる。だけど、ある可能性を考え俺は後ろに大きく飛んだ瞬間蹴りと共に三つの斬撃が俺の眼前を通った。


「やっぱりか」

「あと少しだったんだけどな」


 全く・・・・相当面倒な力をお持ちのようで

読んで頂きありがとうございます!

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