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猛者との戦い

シュナイザー家のみんなと朝食を摂った後テセウと昼まで受け身と体術の訓練をしていると、またシュナイザー様が中庭にやって来た。


「おう、やってるな」

「シュナイザー様、また何かありました?」

「ちょっとな。テセウ鍛錬はどうだ?」

「新しいことを学べて凄く充実しています!」

「そうか、それなら良かった。今日はテセウにあることを覚えて貰おうと思ってな。クロガネ殿、昼食後に前に話したあれをやるぞ」

「あれ?あぁ、あれですか」


 あれと言われてすぐには分からなかったが、そういえばダンジョンに一緒に向かっている時に手合わせをしようと言う話になってたな。


「良いですけど、時間取れたんですか?」

「おう、何とか仕事は終わらせたぜ」

「それはお疲れ様です。方式はどうしますか?」

「何でもありで防具も武器も完全武装で来い」

「了解」

「?一体何の話をしているんだ」


 詳しい話を聞いていないテセウは俺達の会話について行けず首を傾げている。


「昼食後のお楽しみってな。集合場所は裏の訓練場だ」

「少しは面白い物を見せるつもりなんで期待しておいてください」

「???」

「それじゃあ、伝えることは伝えたし俺はこれで」

「はーい」

「???」

「続きやりますよ」


 何も教えられず困惑しているテセウを置いて俺は体術の続きを始める。


「え、あぁおう」

「それじゃあ先程の続きで蹴りから」


 教えるつもりは無いと分かったテセウはどうせ昼になれば分かるのだと切り替え鍛錬を再開する。別に教えてあげても良いんだけど、シュナイザー様が敢えて教えなかったんだから俺が言うのは違うよな。さて、蹴りは蹴りを繰り出す足の鋭さだけではなく体重を支えている片足と腰の動きが重要だ。腰が動かなければ柔軟性と高さ、威力の足りなくなってしまうし、重心が崩れれば姿勢を崩してしまう。


「踵は浮かせて腰を動かせるように。真上に足を延ばすんじゃなくて横薙ぎのように足を動かして」

「こうか」

「腰をもう少し動かして勢いを」

「っ」

「そうです」


 テセウの蹴りを受け止めながら一つ一つ丁寧に気になる部分を指摘し、少しずつ形にしていく。殴りや投げも教えてはいるけれど普段は武器を持っている前提だから蹴りは重点的なやらないとな。体術の有用性は多分だけど昼のシュナイザー様との模擬戦でより分かってくれると思うので、まずは基本を抑えて貰ってそこから発展させよう。そこから体術を昼までやり昼食を衛兵達が集まる食堂で摂ろうとすると、そこでブレストの姿を見つけた。


「あ、ブレスト」

「クロガネにテセウ様、おはようございます」

「もう昼だけどな」

「砦への救援お疲れ様です」

「今から飯ですか?」

「そのつもりだ」

「一緒に食べても良いか?」

「勿論」


 俺達は並べられている食事をよそいブレストの席へと行くと、テセウは俺のプレートを見て


「それでは少なく無いか?」

「いや、今日はそこまで動いてませんから」

「・・・・・」

「あ、違いますよ。テセウが相手になって無いとかじゃなくて普段と比べると動いて無い方って言うか」

「いや、大丈夫だ。そうか、動いていないか」

「この後動く予定があるのでたくさん食べ過ぎると良くないかなって思っただけですよ」

「そうか」


 あぁヤバいミスった!ブレストも笑って無いでテセウを慰めるの助けてくれ!


「くっあはは、大丈夫ですよテセウ様。クロガネは魔力を使った時は沢山食べますけど魔力を使わなければ普通より少し多く食べるぐらいですから」

「そうなのか」

「そうなんです!」


 何とか慰める事に成功した俺は早く話題を切り替えようと話そうとした時ブレストから質問が飛んできた。


「それで、動く予定があるって何をやるつもりなんだ?」

「あ、ブレストはこの後暇?」

「呼び出しが掛かるまでは暇だぞ」

「じゃあ、この後ブレストも裏の訓練場に行こうぜ」

「良いけど・・・・」

「何やるかはこの後のお楽しみってことで」


 どうせ戦っている所をテセウに見せるなら強者同士が戦っている所も見せてあげたいんだよな。ブレストの戦い方は特殊だけど、変わった武器や魔法を使う人はそこそこ居るから学ばせてあげたいのだ。


「俺も父上が関わっているということだけは知っているが、この後何をするかは知らないのだ」

「ふ~ん、まぁ悪いことでは無そうだな」

「よし、これで一人確保!さぁさぁさっさと食べて行こうぜ」


 一戦増えるとなると時間が掛かるし、さっさと訓練場に行った方が良いだろう。俺は汚くならないように急いで食べて二人を引っ張り訓練場へと向かった。訓練場は領主館の裏にあってその大きさは大人数の衛兵達が訓練しても十分な程だ。普段は衛兵達が使っているが今回はシュナイザー様が使うという事で、仕事が休みだったり休憩中の人達が観客となって集まっている。


「人が集まってるな」

「一体何をするんだ?」

「わお、こんなに人が集まるのは予想外だけどまいっか。えっとシュナイザー様は・・・・あ、居た!」


 シュナイザー様は衛兵達と何やら話していたので俺達は駆け寄ると、こっちに気付き話を切り上げ向かってくる。


「おう、ブレスト殿も一緒か」

「ブレストも参加してくれるそうですよ」

「そうか、だが・・・・」

「本気になったら止めますよ」

「そうしてくれると有難い」


 ブレスト相手だと本気になっちまうと言っていたので、もしそんな事態になったら俺が全力で中断させれば何とかなるでしょ。まだやることが分かって無い二人は俺達の話を聞いて首を傾げているがシュナイザー様が堂々とした様子で今回やる事の説明を始めた。


「今から行うのは自分より格上の相手と戦う時どうするればいいのかをテセウに教える模擬戦だ。テセウは今まで実力が拮抗しているか自分より弱い相手としか本気で戦った事が無いだろ?」

「はい」

「だから、格上と戦うというのはどういうことなのかを今から教えてやる。しっかりと見て学べよ」

「はい!!」

「ブレストはテセウに解説してあげて」

「あいよ」


 ブレストなら俺とシュナイザー様の動きと攻撃の意図を正確に取らえられるだろうから解説役として適任だな。それと、ブレストが便利な部分はもう一つある。


「結界もよろしく」

「はいはい」

「それじゃあ、早速やるとしようか。テセウ、何一つ見逃すなよ」

「分かりました。学ばせてもらいます!」


 テセウは元気よく答えたのでそれに笑い頭を撫でたシュナイザー様は訓練場の中央へ歩いて行くので俺とブレストも付いていく。そして距離を空けて向き合うとブレストによって訓練場を囲う結界が張られた。これならよっぽどの事をしなければ、周囲に被害が出る事は無いだろう。


「それじゃあ、やるか」

「方式はどうします?」

「観客は多くなっちまったが、何でもありの本気でやるぞ」

「その方がテセウが分かりやすいですしね」

「ブレスト殿、開始の合図を頼む」

「了解です。念のため言っておきますけどクロガネが危険だったら構わず手を出しますからね」

「分かっている」

「そんな心配すんなって」


 本気でやると言っても命を取るまでの事はするつもりは無い。シュナイザー様はを俺より格上だから上手く手加減をしてくれるだろう。


「それでは・・・・・開始!」


 開始の合図共にブレストは勢いよく後方に飛び結界の外へと出た。俺はナイフとボウガンを構えいつ仕掛けられても良いように、最大限の警戒をシュナイザー様へと向けた。


 相手は格上、下手に手を出せば簡単に返り討ちになるだろうし俺はシュナイザー様の手札を多くは知らない。俺の戦い方は速さと搦手による翻弄によって優位を保つ戦法だが、仕掛けに行ってもスキルで察知されるだけだ。なら、相手から仕掛けるのを待って冷静に対処した方が良い。


「・・・・」

「フッ・・・!」


 警戒する俺を見てシュナイザー様は小さく笑うと、獣のような速さで一瞬で俺の目の前に現れると剣による鋭い突きを繰り出した。俺はそれを身体を逸らし避けると追撃の蹴りが飛んで来るので、それを地面を滑るように避け軸足を斬ろうとするが、前に飛ばれ頭を地に向けながらの回転斬りが俺を襲う。


「っ」


 それをナイフで受け止め着地先にクロスボウによる雷の矢を叩き込むが綺麗に避けれてしまった。


思っていたより鋭く速いな。だけど、対応できない速さじゃない。


「フッ」

「フッ」


 さぁ、少しでも良い所見せないとな!

読んで頂きありがとうございます!

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