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次のお客さんいらっしゃい

「ブラックスパイダーは倒したけど」

「まだ湧いてくるだろうな」

「どうせなら強くて良いから大量に湧く相手じゃ無い方が良いんだけど」

「とか言ってたら次のお客さんだぞ」


 ブラックスパイダーを倒したし、先に進もうと思ったら奥の階段からゆっくりと次の魔物が姿を現した。あっちから来てくれるならここで向かい討っていけば良さそうだな。


「インセクトウォリアーか」

「姿からしてビートルだな」

「あれは・・・・流石に援護した方が良いのでは?」

「見るからに強そうだな。ブレスト殿はクロガネ殿の援護に、俺達は自分で身を守ります」

「大丈夫大丈夫。クロガネ、やれるな?」

「もっちろん!」


 階段から上がってきた魔物は重厚な赤茶色の装甲に全身を身に包み、四肢は鍛え抜かれた大柄の冒険者より太く逞しくその力強さを物語っている。そして身長は2mはある巨体であり頭には天を差す立派な一本角が生えていた。そして何よりも目立つのが両手で持っている背丈ほどもある巨大なウォーハンマーだ。インセクトウォリアーは、自分の身体から生み出した武器を持っている種族だ。身体と同じ色をしている巨大ウォーハンマーは体と同じ装甲を持っている平らな部分と反対側に角のようなものが生えまるで爪のようになっている部分がある。


「しっかり見るとカッコイイな。あれで友好的な種族だったら良かったんだが、ダンジョンから出たってことは仲良く出来る訳無いよな」


 インセクトマンとは戦ったことあるし、上位種のウォリアーも何とかなると思うけどヒシヒシと強さが伝わってくるな。階段を登り切ったインセクトウォリアーは、堂々とした態度で仁王立ちするとその眼で俺を捉え、力強く踏み込む。


来る


 ダンッという衝撃音と共に突っ込んできたインセクトウォリアーは勢い良く俺の元に来ると大きく振りかぶり地面へと振り下ろした。俺はそれを後ろへと飛んで避けたが少し離れていても伝わってくる衝撃波に驚きながら、雷の魔力を籠めた矢を撃つが全く効いてない。


「思ったより速いな。それにあの攻撃食らったら死ぬな」


 あの重装甲からは想像が出来ない程の速さに驚きながらも、次々と攻撃を繰り出してくるのを慎重に避けていく。攻撃のキレも良いし隙も少ないな。一回懐に入ってみるか。大きく振りかぶった隙に逃げから急反転して接近し、すれ違いざまに足を思いっきりナイフで斬りつけたが表面を滑るように弾かれてしまいそんな俺を目掛けて右足が迫る。風の魔法で受け止めわざと吹き飛んで距離を取ったが、すぐに追撃が来る。


 かなり本気で斬ったんだけどな~・・・・このナイフで表面に傷しか残せないって硬すぎだろ。俺の腕じゃまだ完全に使いこなせて無いってこともあるんだろうけど、これじゃ時間が掛かるな。インセクトマンの厄介な所はその装甲の硬さだ。金属のような硬さを持つのに生き物である故の柔らかさを重ね持つため、衝撃を吸収してしまうのだ。だけど、どんなに強くなっても守れない部分はある。それは関節だ。柔軟に動くためにはどうしても関節の装甲は薄くなる。だからそれを狙えば良いんだけど・・・・


「そう簡単には狙わせてくれないよな」


 俺の速さを学んだのか常にこいつは接近してくるのを警戒するようになりやがった。近づこうとすると持ち方を変え接近に対応してくるんだよな・・・・んじゃ正面からの戦いはここらにして、いつも通りやるか。俺は気配を消し闇魔法で姿を消しクロスボウに魔力を次々と籠め、装甲を削るための風の矢を次々と撃ち込みながら周囲を走り周り翻弄していく。


 一発一発はそこまでの威力では無いが動きを止めて少しづつ削る分には十分だ。そして、俺を探し見回すインセクトウォリアーが時折混ぜる威力の高い矢に怯んだ隙に、急接近し膝に一撃だけ入れてすぐに離れるという事を繰り返しこのまま削れば・・・・ん?何かしようとしてるな。インセクトウォリアーは俺を探すのを止め立ち止まると突然ウォーハンマーを高く振り上げると、強い魔力を感じたと思ったら勢い良く地面に振り下ろし全方向に花が咲くように岩が隆起する。


「土魔法か、しかも範囲が大きい!」


 迫りくる岩を空に飛んで避けると、インセクトウォリアーは次の魔法を発動していた。ウォーハンマーを振り上げると同時に大量の石礫が天井へと飛んでいく。天井を埋め尽くすほど石礫を自分に当たる分だけ処理し地上に降りるとまた岩の隆起が始まった。


 こいつ探すの諦めて広範囲攻撃で俺を潰す気かよ!これをやられ続けたら、攻撃できない!


 俺は岩の隆起を飛んで避けず岩の隙間を縫うように通り抜け、次の魔法を発動しようとしているインセクトウォリアーの元へ走りマジックバックから糸を取り出し投げその上に幻影を作り出し奴へと突撃させる。すると魔法を止め殴り掛かってきたので、まんまと引っ掛かった奴は糸まみれだ。その隙に背後へと周り魔力を籠めたナイフで両膝を斬りつけ至近距離で魔力を大量に込めた雷の矢を撃ちこむ。


「これで少しはダメージ負ってくれると良いんだが・・・・駄目か」


 糸まみれになったというのに技のキレは落ちず、素早い動きで振り向きながらウォーハンマを横振りしてきたので、俺は頭を飛び越え反対に回りながら今度は違う糸を取り出し風の魔力を籠め関節に巻いていく。これは力を籠めれば籠めるほど肉に食い込んで体を斬っていくこれで動きは止まるだろ。


 ギィィ


 確かに動きは少し止まったけど、これ長くは持たないな。さっさと倒さないと。切断できるよう魔力を籠め身体強化をして、次々と関節を切り刻みクロスボウに棒手裏剣を装填し体に打ち込み爆発させると、糸が限界を迎え解放されたインセクトウォリアーが地面にハンマーを叩きつけその衝撃波で吹き飛ばされてしまった。


「頑丈過ぎるだろ。あれで決め切るつもりだったのに、切断も出来なかった・・・・」


 でも、十分ダメージは与えられたはず後は少しずつ削って・・・・うわ、元気だね。


 ドゴンッという音を立て、ウォーハンマーを地面に叩きつけると周囲に岩が複数浮き上がりそれを殴ると砕け散り石礫が生まれ俺に襲い掛かる。俺はそれを避けながら接近すると、砕け散った岩がインセクトウォリアーを取り囲み岩の防壁となり近づかせてくれない。足が止まった所にウォーハンマの追撃が来て相手のペースに飲まれちまったな。


 不味いな、このまま戦ってればいずれ倒せるだろうけど階段の奥から新しい気配がする。乱戦に持ち込まれると面倒だ。一気に畳み掛けて片付けないと!


 飛んで来る石礫、隆起する地面に素早く重いハンマーによる攻撃を丁寧に避けながらクロスボウに棒手裏剣を装填し、今まで一番の魔力を籠める。これはイリスさんも防御するのが大変だったんだ柔らかい場所に当てれば必ず刺さる。隙を作るために幻影を作り出し気配を消すと、流石に対応し始めたインセクトウォリアーが広範囲の魔法を発動しようとした瞬間、全力の速さで接近し懐に潜り込み胴体の装甲の隙間に矢を放つ。


よし、刺さった!


 限界まで魔力を籠めて爆発させるがそれでは致命傷にならないことは分かっている。だけど怯んだ瞬間にナイフの刃に今出来る限界の威力の風の魔法を掛け、関節に当て斬り飛ばす。まずは右腕、次は左腕。もうこれで武器は振るえないだろ!止めに首に刃を当てると、まるで強固な岩に当たったように刺さってしまい刃が進まない。


こいつ身体強化に全魔力使いやがった!


 ナイフを止められ抜けないので、風の刃を回転させる魔法をナイフに使ったがそれでも斬れない。こいつ、さっさとくたばれ!抜けないなら、魔法を内部に叩き込むっナイフの先から体の内部へ高威力の雷魔法を何発も叩き込み、倒れそうになった瞬間こいつは周囲に岩を展開し俺を潰そうとしてきた。


 インセクトウォリアーを蹴り飛ばし。全方向から迫りくる岩を何とか回避した俺は魔力切れを起こした奴の頭にクロスボウを放ち風穴を作り奴は倒れた。


「しぶとすぎる!!」


 ふ~何とかなったけど時間掛かり過ぎだし手こずり過ぎだ。やっぱりどう考えても火力不足だよな~俺。普段は切れ味の良いナイフと魔法で何とかなってるけど、こういう風に俺の攻撃力を軽く上回る硬さの奴には有効打が本当に少ない。何か新しい手を考えないと駄目だな。


「お疲れさん、苦戦したな」

「うん、魔法をうまく使う奴って厄介だな。それに硬い」

「だいぶ魔力を使ったみたいだが、まだいけるか?」

「おう、大丈夫!さて、素材は回収しておいて・・・・次はインセクトマンか」


 ウォリアーと戦った後だと、なんか気が抜けちまうな。いや、インセクトマンも強いんだけどな。

読んで頂きありがとうございます!

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