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精神魔法のコツ

「ぬが~またかよ!」

「もはや、そういう魔法で使った方が良いんじゃないかってレベルで成功しないな」

「力の掛け方が違うのか?コツ教えてよ~」

「いや、俺精神系統は一切使えないから教えられん」

「おわった~~」


 一日中魔物や動物相手に精神魔法を掛けまくったけど、全然成功しないで片っ端から心を壊す危険人物と化してるんだが!も~心なんて精密で壊れやすいものを操ろうなんて考えがいけないんだよ。あ~錬金魔法は新しい魔法だから、出来なくて当たり前だけど得意な闇魔法を失敗するのは少し落ち込むな。


「ん~精神が弱すぎるのが駄目なのか?もう少し強い魔物にするか」

「耐性が低いインセクトでも駄目なんだから、それ以上になるともっと難しいだろ」

「確かに」

「ん~力の籠め方と強さが間違ってるのかな。もっとじわじわと侵食するような感じで・・・・」


 お、良い所にジャイアントスネーク見っけ。全体に圧を掛けるんじゃなくて魔力を細く蜘蛛の糸が獲物を絡めとるように・・・・あ


「死んだな」

「何で!?力を込めて無いのに!慎重にごく細の魔力を編んで柔らかく赤ん坊のように優しく触ったのに!」


 掛ける圧力の問題じゃ無いならもうなんだってんだよ!あんなに細く点を突くような魔法って難しいんだぞ!それに魔力の消費も物凄いしマナポーションどんだけ飲んだと思ってんだよ!精神にも負担が掛かるから頭痛いし!


「可笑しいな~クロガネは人の心情を読むの長けているから精神魔法もうまく使えるはずなんだけどな・・・・」

「そんなこと言われても・・・・」


 確かに相手が次何をしようとしているのかや、隠してることとか企んでいることは分かるよ。魔物だって目の動きや体の動きで何処を狙おうとしているのかとか、どんな魔法を使おうとしてるのかは分かるけどさ~・・・・分かるけどなんだよ。今は段々心の動きが分かるようになったけど肝心の魔法が上手くいかないんだよ!心を誘導しようにも魔法で触った瞬間死んじゃうし。


「ん~見た感じだと魔法が触れた瞬間精神崩壊してるな。特に圧力を掛けてる訳でも強引に洗脳しようとしてる訳でも無いなら・・・・クロガネ、魔力をもう少し薄めてみろ」

「薄めるって?」

「闇属性の魔力をもっと減らして属性変化させていない魔力を混ぜるんだ」

「それだと魔法の強度と効果が落ちるだろ」


 今は闇属性の魔力を凝縮して糸のように織って使ってるんだけど、それに普通の魔力を混ぜたら効果も強度も下がっちゃうぞ。


「それで良いからやってみろ。ほら、良い所にマーダーベアが来たぞ」

「え~だって魔力の質が下がってるのに成功するはず」


 だって丁寧かつ綺麗にそして強く優しく相手を侵食するように組んだ魔法で駄目だったのに質を落とした魔法で通用するわけ・・・・


「掛ったんだけど」

「うん、クソ眠そうだな」

「え~・・・・」


 なんで~・・・・今まで俺が集中して作ってた魔法は何だったんだよ・・・・


「成功したな」

「納得いかないんだけど!!!」

「まあまま、後で説明してやるからまずは倒しちまおうぜ」


 成功して嬉しいけど今までの俺の苦労何だったのか!この複雑な気持ちをお前で発散してやる!!!!一瞬でバラバラに解体した俺は何で成功したのかをブレストに詳しく聞くことにした。


「要は魔力の強さの問題だったんだよ」

「闇属性の魔力は殆ど使ってなかったぞ!何時も攻撃で使ってる魔力の足元にも及ばないくらいの量だ!」

「量の問題でもあるし、俺が言いたいのはクロガネの魔力の性質についてだ」

「性質?」

「そう魔力の純粋なる強さと性質。人が持っている魔力はエネルギーという性質は同じだけど一人として同じ特徴を持ったものが無いんだ。一人一人違うからこそ、同じ属性でも得意な魔法が違ったり、人とは全く違う魔法が使えたりするんだ」

「あ~有名なのだと魔力を金属みたいに固く出来る人も居るらしいな」

「居るな。そういう人とは違う魔力の性質ってのがクロガネの場合は闇の特性が強すぎるんだよ」

「強すぎる?」


 強いのは良い事だろ?強ければ色々な魔法を自由に操れるんだからな。


「そう強すぎる。クロガネは髪や瞳に現れる程闇属性との親和性が高いし、闇夜の涙で作られたものを常時装備していても発狂するどころか、上昇効果を貰ってるだろ?」

「うん、このナイフを使い始めてから闇魔法が使いやすくなった」

「それははっきり言って異常なことなんだ。いやこの言い方は良くないな、特別ってことだ。どんなに闇属性の魔力を持っていたとしても、闇の塊である闇夜の涙に触れば忽ち発狂するのが普通だ。だけど、クロガネはそれを受け入れる程強い闇属性を持ってるってことだ。つまりクロガネの魔力は闇夜の涙より強力な精神作用を持っているんだ」

「でも普段使ってる時は何も無いぞ」

「多分だが今回は精神へ影響させるのを意識しているからその性質が強く出てるんだよ」


 あ~確かに普段は肉体を傷つけることに意識してるから心を攻撃するなんて考えたこと無いな。


「この世界に闇夜の涙に触って平気な奴なんて存在しない。どれだけ厳重に耐性を付けても触っていれば影響をきたすんだ。それ以上の魔力が精神に作用したら・・・・」

「ほんの僅かでも精神を崩壊させるってことか」

「そういう事だ」

「だから、闇の魔力を薄めないと駄目だったんだな」


 なるほど~疑問が解決して嬉しいけど俺の魔力ヤバすぎないか?やろうと思ったらどんな人でも発狂や精神崩壊させることが出来るってことだろ。そんな魔力を持ってる俺って一体・・・・


「俺の魔力危なすぎないか?」

「どんなに危険な魔力でも使い手次第だぜ」

「そうなのかな~」

「完全に制御できるようになれば危険なんて無いようなものだし気にするなって」

「え~・・・・」


 そんなこと言われてもな~全ての生き物を簡単に殺すことが出来る魔力を持ってる俺って、みんな言ってるようなバケモノだったんだな~それじゃあみんな俺の事を嫌って汚物を見るような目で見るのも仕方が無いぜ。

 

「ん~じゃあ、俺の魔力の性質を見せてやるよ」

「え?」

「ん~と手頃な相手は・・・・お、いたいた」


 ブレストの魔力は気になるけど、一体どういう考えなんだ?ブレストは近くに居たロックリザードを呼び寄せると


「見てろよ」

「見てろって何を・・・・」

「これが俺の魔力の性質だ」


 そう言ってロックリザードの攻撃を軽く躱し、作り出した魔法剣をロックリザードを刺すと、その瞬間ブレストから魔力が溢れ光と共に一瞬でロックリザードが灰のように光の粒子となって消え去ってしまった。


「んえ!?」

「はは、吃驚するだろ。俺の魔力の性質は消滅の力。相手に魔力を流し込むことによって内部を光の魔力で消滅させられるんだ」

「そんなの・・・・」

「化け物みたいだろ?」

「違うブレストは化け物じゃない!」

「なら、クロガネも化け物じゃ無いだろ」

「それは・・・・」

「持っている力が自分を決めるんじゃなくて、自分の意思や心が自分を形作るんだ。だから、どんな魔力を持っていようと胸を張って人生を楽しんで行け!俺なんか全くこの魔力を気にしてないどころか面倒な魔力だと思ってるからな」

「え~・・・・」

「だってどんな強敵もこれで倒せるけど、これ使うとクソ魔力使うくせして素材も何も取れないんだぞ!骨折り損だろっ」

「ふふっ確かに。冒険者としては最悪だな」

「だろ?」


 とんでもない力を見せられたけど、ブレストはブレストだな。なんか自分の事でモヤモヤするのが馬鹿らしくなっちゃった。化け物と言われようが、好きな場所に行って好きな事をして人生を楽しんでやる!ブレストと一緒にな。


「なんかスッキリした!」

「そりゃ良かった・・・・それでなんだが」

「ん?」

「悪いんだが、魔力切れでもう立ってるのもやっとなんだ。そろそろ倒れるから町まで運んでくれよろしく」

「はぁ!?」


 バタッ


 マジで倒れやがった!!!え、ブレストって俺以上の魔力を持って普段の魔法の魔力の消費がほぼ無いし、今日なんか一度も魔法を使って無いのにロックリザードを倒したあれだけで魔力切れしたのかよ!?ロックリザードって硬いけどそれだけで全然強くない魔物だぞ。一体だけで魔力切れって燃費悪すぎだろ!!!!


「ブレスト!?ちょマジで意識ないじゃん!俺も精神魔法成功させたからクッソ疲れてるんだけど!」


 化け物みたいな力を持ってる二人だけど、その力を使う燃費はクソ悪いみたい。俺だってあの動物達を即死させる魔力を使っただけで魔力の四分の一は持ってかれるんだからな!しかも、魔力抵抗が低い奴でだぞ!魔力抵抗が高い人間や魔物相手となったら・・・・一発で魔力切れになる自信あるな。それにこの魔法は精神への負荷が掛かり過ぎて頭を貫かれるぐらい痛くなるんだ。


「俺今日だけでクソ不味いマナポーションをいくつも飲んだから気分悪いのに~・・・・うぉぇ昨日の分も来た・・・・」

読んで頂きありがとうございます!

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