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ウォルマで依頼!

 次の日の朝、外から聞こえてくる人々の声で起きた俺達は浄化をして宿の飯は食べず外で食べることにした。俺達は朝の騒がしさを楽しみながら、道を進んで行くと客を捕まえるために大きな声で


「肉たっぷりボアシチューだよっ温かくて美味しいよ~」

「ベア肉の串焼きはいかがかね!癖になる味だよ」

「リンゴジュース・オレンジジュース、色々なジュースを揃えてますよ。食後にピッタリ是非飲んでください」

「イモコロ、イマコロ、ホクホク美味しいイモコロ。今なら焼き立てでーす」


「みんな元気だな~」

「こんなに冒険者が沢山居るなら、飯も売れるだろうな」

「良い匂いもする早く食べようよ!」

「そうだな」


 うわ~見たことの無い色の芋だな。美味しいのこれ?ん~ホクホクで甘くて美味い!芋から蜜なんて出るんだなっ王都にあった甘味に負けてないぜ。ベア肉の串焼きなんて初めてだな。うん・・・・中々獣のクセがあるけどスパイスで食べやすいな。確かにこれは癖になるかも、もう二本ください!お、ローカスの串焼きもあるじゃん食べたこと無いけど、美味しいって聞くよな。え、何でブレストはそんな顔してるんだ?流石の俺もイナゴは無理・・・・ローカスってイナゴって言うんだ。美味いらしいけど・・・・あ、駄目?分かったって、喉乾いたから果物ジュース買いに行こうぜ!


「ふ~食った食った」

「森の近くなだけあって、本当に種類豊富だな。特にリンゴのパイは格別だったぜ」

「インセクト系も沢山あるよな。あの店なんか人が沢山並んで人気そうなんだけど・・・・」

「さぁ、クロガネ。そろそギルドに行って依頼を受けに行かないと良い依頼が無くなっちまうぞ!さぁいこう!」

「はいはい」


 みんな美味しそうに食べているから、きっと美味いと思うんだけどな~どうもブレストはインセクト系を食べるが嫌みたいだな。見た目はえげつないけど、食べてみたら嵌るって言うけどな~まぁ誰にでも苦手なものはあるよな。何でもそつなくこなし、よく食べるブレストがあんなに嫌がるなんて面白過ぎる。

 新たな一面を知れて嬉しい俺は上機嫌でギルドに行くと、朝というだけあってギルドは依頼を受けに来た冒険者で賑わっている。それなのに依頼ボードにはまだまだ沢山依頼が残ってるみたいだし、数が多いんだな


「ん~インセクト系の討伐依頼が多めだな。他はボアやベアなんかの森で出てくる動物や魔物ばっかだな。採取系は・・・・ベル草にクリスタルアクア、常冬草まであるのか」

「報酬も高いな~でも、俺が受けられる依頼は少ない~」

「まぁそりゃな。ここら辺に現れる魔物達は基本五級以上の奴らだからな~俺と組めば大丈夫だからそんな顔すんな」


 む~確かにここの奴らは強くで危ない奴らばっかりだから仕方が無いんだけどさ。ブレストに頼ってるみたいで嫌だし、俺が一緒だとブレストが受けられない依頼があるからな~・・・・階級上げ頑張るか。その為にも沢山依頼をこなさないとな!


「階級あげる!」

「うおっいきなりなんだ。階級上げるのか?」

「うん!五級のままだと色々不便だろ?」

「そうか?まぁ元々クロガネは三級以上に育てるつもりだったから別に問題は無いけどさ。それじゃあ沢山依頼をこなさないとな」

「うん!まずは、これとそれ。あとあれでしょ~インセクト系も受けとかないと。採取も大事だよな」

「あんまり沢山受けすぎるなよ」

「大丈夫!全部すぐに終わる奴にしてあるから!」


 討伐依頼なら簡単に終わるし、獲物を探すのだって得意だから好きな依頼なんだよな。採取の植物は後でギルドの図鑑を見せてもらうとして、分かる奴は受けておこう。期限も三日あるし、三日あればこの量でも簡単に終わるぜ。


「やる気があるのは良い事だよな」

「ブレストは何か受けたい依頼あるか?」

「ん~特に無いな」

「じゃあ行こうぜ!」

「あんまり先走るなよ。何事も慎重にだぞ」

「分かってるって」


 俺達は受付嬢さんの元へ行き受理して貰うと、まずはこの森について深く知るために二階にある資料室へと向かった。全てのギルドには、その周辺の地図やどんな魔物や動物が居るかについてとその詳細、そして植物に関する資料が置いてあって冒険者ならいつでも見ることが出来るようになっているのだ。相手のことを詳しく知れば対処法が分かるし、偶に知らずに遭遇したら命は無いって言われるような魔物も居るからこういうこまめな情報収集は大事なのだ。


「マーダーマンティス・・・・人を好んで襲う危険生物か」

「風と闇魔法を使うから気を抜くなよ」

「はーい。ウッドビー、大樹の中に巣を作り強力な毒針によって獲物を狩る。刺激をした場合大軍で襲い掛かってくるので注意」

「ビー系統は手を出すなら大量のビーを相手する手段を用意しておかないと駄目だぞ。あいつらは小さいくせして強力な毒を使うし、小さいから剣で切り刻むの難しいぞ」

「風か雷で一掃するか」

「それも良いが、インセクト系統は総じて精神耐性が低いから闇魔法で眠らせるのも手だぞ」

「まだそれ出来ない~」


 闇魔法は人の精神に干渉する魔法でもあるんだけど、俺はまだ眠らせたり魅了したり催眠したりと言った人の心を操る魔法は使えないんだよな~人の心に作用してなんちゃらかんちゃらとか難しい!


「攻撃系はすぐに出来るのに、そういう系は苦手だよな」

「だって、攻撃した方が速く済むもん!」

「練習すれば効率的に武装解除が出来て便利だぞ」

「練習って・・・・どうやってだよ」

「練習相手は森に沢山いるぞ~」

「げ」

「ほら、調べ物は終わっただろ。森に行くぞ」


 ブレストがあの顔は新しい鍛錬を思いついた時にする顔だ。さっさと依頼を終わらせたかったけど、時間掛かりそうだな~

 ニヤニヤしているブレストの後に続いて町を出た俺達は、索敵をしながら森の奥へと進んで行く。依頼の相手はどこかな・・・・この気配はマンティスだな。鎌を振るう音がする方へ行くと、ブラウンベアとマーダーマンティスが絶賛戦闘中だった。二体とも大人一人は余裕であるくらい大きいが、傷を見る感じだとマーダーマンティスが有利だな。戦っている内に横やりしてどっちも倒しちゃうか。


「クロガネ、止まれ」

「え?今が絶好のチャンスなのにっ」

「確かに修行のチャンスだな」

「げ」

「こっちを意識してない相手の方が精神魔法に掛かりやすいんだ。ほら、二人にサイレントを掛けてみろ」

「え~」


 ただ倒すのは駄目なのね。はぁ・・・・苦手だって言ってるのに。俺は木の上で集中し闇の魔力を集め慎重に相手を蝕むようにサイレントを掛けていく。サイレントは、相手の落ち着かせ鎮静状態にする魔法なんだが戦闘状態で精神が昂っている相手には効きずらい。もっと力を籠めないと・・・・あっ


「失敗だな」

「うぅ~」

「力を籠めすぎると殺しちまうから力加減を間違えないように」

「は~い」


 うっかり力を強くし過ぎて、心を操るはずが潰してしまった。心を潰された二体は突然気を失ったかのように倒れ込み微動だにしていないが息はしている。止めを刺し素材を回収した俺達は次の獲物へと向かった。ブレストによる鍛錬はさっきの二体だけじゃなく、遭遇した全ての魔物や動物に対してだったので楽勝だと思ってた依頼が終わる頃にはもうぐったりだぜ・・・・


「あぁぁぁぁ疲れたぁぁああ」

「お疲れさん」

「精神魔法って魔力使い過ぎだし集中もしないといけないからすっごい疲れるんだけど!!」

「大量に魔力を持ってるクロガネだから、数をこなせるがスキル持ちじゃなければ一日に数回しか使えないぐらい消耗する魔法だからな」

「なのに全然上達しないし!」

「すぐに出来るものでも無いから気にするなって」

「もしかして、明日も?」

「おう、上達するまで」

「ぬがぁ~」


 あ~こんな疲れるのを毎日かよ・・・・早く上達しないと大変だぞこれ。溜息を付きながら町へ戻り報告を終わらせようとギルドへ戻ると、疲れていて疎かになってたけど中から強い魔力を感じた。


「なんか強い人が中に居るな」

「だな。扉越しでもビンビン感じるぜ」

「イリスさんより強いかもな。朝来た時には感じなかったのに、今日来たのかな?」

「かもな。だがこんな強い奴この国に居たっけな~」


 此処に居るぞと主張するような気配を出している正体を、確かめるために扉を開けるとカウンターの隅に王都で貴族の服と鎧を着ていない騎士のような格好を合わせた眼光の鋭い男が立っていた。服に詳しくなくても分かるほど、豪華かつ機能性が高い恰好で魔力が宿ってるってことは相当高いなあれ。


「もしかしてだけど」

「あぁ恐らくな」


 俺達が入ってきたのを見ると受付嬢がその男に何かを言ったようで、こっちに歩を進めてくる。


「こっち来てないか?」

「来てるな」

「嫌な雰囲気は感じないけど・・・・」

「クロガネとブレストだな?」

「そうですけど」

「俺はサウザード・シュナイザー。この辺境の領主をしている」


 はぁ・・・・やっぱり領主かよ!

読んで頂きありがとうございます!

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