表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/191

日々精進

更新を忘れてしまったので、今日は二話更新します

王都へ戻った俺達はさっさとギルドへ報告に行き、待ちに待っていた様子のギルド長に事の顛末を説明すると大きな溜息をついて椅子に崩れるように座ってしまった。


「はぁ~対処してくれて助かりました。お話の中だと魔女様直々に対処してくださっているみたいですし、今後同じような事が起きることは無いでしょう。それにしても、まさか魔女様に会うとは・・・・危険な依頼を遂行して下さり感謝します」

「ギルド長もお疲れみたいですね」

「ちょっと色々な場所から圧を掛けられてましてね・・・・こんなに早く解決してくれるのは本当に有り難いんです」

「まぁ魔女が関わっているかもしれないとなるとそうでしょうね。報酬期待しておきますね」

「はい、それはもう早期解決してくれたお礼としてボーナスも付けておくので期待しておいてください」

「それではお疲れ様です」


 俺達はお疲れなギルド長の部屋を後にして、宿へと戻りババルさんの美味しくて暖かい飯を食べて今日は早く眠ることにした。そして、次の日いつもより早く起きた俺は昨日教えて貰った錬金魔法の練習を始めた。


「う~ん・・・・力が強すぎるのか」


 昨日と同じように分解する前に破壊してしまうので、雷魔法の力を落とすがそれだ石を崩す事が出来ない。一つ一つを解すように分解するって話だったから、一気に全てを分解するんじゃなくて端から少しずつやっていくか。威力はもう少し強いけど、強すぎないで・・・・こう!


「ちょ、これきつっ・・・・」


 今まで繊細な魔法制御が必要な魔法を何度も使ってきたが、これは話が違う。石を分解するが消滅させない力加減で、極小の範囲を指定し分解したい物が霧散しないように闇魔法で包み込むという繊細な作業を一度に複数行うという処理能力を試される魔法だ。


「あ~もう無理!」


 しかも本当は一瞬でやる作業を、あえて遅くしていることによってこの作業を長時間続けないといけないという難しさ。何とか暫く持たせられたが、集中力が続かず魔法が解除されてしまった。


「はぁ~難しい!でも分解は出来ているんだからさっきの威力で全体に魔法を掛ければ」


 分解するために必要な威力は掴めたから、次は範囲を広げて・・・・


「難しいな・・・・」


 そうすると威力の制御が難しいという片方が出来ると片方が出来ないという現実に頭を悩ませながらも、改善点を見つけ何度も繰り返す。初めての魔法なんだからすぐに出来るとは思っていないし、魔女が使う魔法なんだから難しくて当たり前だ。だから、少しずつ毎日練習していくしか無いのだ。そうすればきっと出来るようになる。

 錬金魔法の練習をしていると、やがてブレストが目を覚まし石を持って難しそうな顔をしている俺を見て


「魔法の練習か?朝早くから精が出るな」

「新しい魔法だから楽しいってのもあるけど、早く使えるようになりたいからな。でも、失敗続きでさ」

「技術ってのは一朝一夕で身に着くもの物じゃないからな毎日やってればきっと出来るようになるさ」

「おう!」

「今日はクロガネもやる気みたいだし、依頼じゃなくて一緒に鍛錬でもするか」

「やるやる!でも、どこでやるんだ?」


 この宿には鍛錬が出来るような広場は無いし、王都から出て森や平原でやるのかな?


「ギルドの訓練場さ」


 俺達はバルドが作るパンとクリームシチューの朝飯を食べていつもよりゆっくりとギルドへと向かった。着いた時にはもう良い依頼を求めて集まってくる時間帯を過ぎており、冒険者は外へ依頼へと行ってしまっているため冒険者ギルドは珍しく人が少なく、あの忙しそうな雰囲気は無かった。


「ブレスト、訓練場って何処にあるんだ?」

「地下にあるのさ」

「へ~・・・・それ暴れても大丈夫なのか?」


 もし高火力の魔法が天井に当たったら、ここの床が抜けて大変なことにならないか?


「大丈夫大丈夫。訓練場は全部魔法耐性と物理耐性を付与された建材を使っているし、結界の魔道具も発動させているから二級以上が暴れない限りは壊れやしないさ。今使用申請を出してくるからちょっと待ってろ」


 なるほど、ちゃんと対策しているなら大丈夫だな。まさかギルドの訓練場で暴れる二級が居るはずな・・・・ヤバい一瞬イリスさんの顔が浮かんでしまった。あの人昂ぶり過ぎて強力な魔法を使ってたし、もしかしたらあるかもと思ってしまった・・・・なんかごめん。

 尊敬はしているしイリスさんの強さは本物だけど、あの性格というか戦闘狂なのがな~いや確かに戦うのは楽しいと思うけど流石にあそこまではな。ちょっと複雑な感情が湧いて頭を悩ませていると、ブレストが戻り不思議そうな顔をしながら


「ん?どうしたんだ、そんな変な顔して。頭でも痛くなったのか?」

「いや、なんでもない平気」

「そうか。じゃあ、早速行こうぜ」 


 頭を振り変な感情を吹き飛ばし俺はブレストの後に続き、ギルドの奥にある階段を降り進んで行くとそこには開けた広場に、そこそこの人数の冒険者が分かれて訓練をしていた。


「思ったより人が居るんだな」

「こういう王都だと好き勝手に魔法を使える場所が少ないからな。新しい魔法や戦法や武器を試したいってやつはこの訓練場を使うんだ」

「あ~なるほどな」

「さて、あそこの奥が空いてるみたいだしあそこでやるか」


 街の中で武器や魔法を使ったりしたら最悪の場合牢獄に行くことになるし、だからと言って森や平原で訓練する場合魔物や動物に襲われる可能性があるので危険だ。こういった安全に訓練できる場所ってのは冒険者にとっては有り難い場所なんだろうな。


「それじゃあまずはいつも通り魔法無しでだな。さぁ来い!」

「おう!」


 それから俺達が毎日繰り返しやっていた訓練を流しでやったが、今日もブレストに一発も当てられなかったな~スピードは自信があるんだけど、全て一手先を読まれて気配を消しているのに攻撃に気付くしもうどうやってるんだよそれ~


「ぬぁ~また当てれなかった!」

「そりゃこれでもクロガネの先生なんだからそう簡単には当てさせないぜ」

「ブレストってさ実際どれくらいの強さなんだ?イリスさんと普通にやり合えてたし、絶対三級じゃ無いだろ。実際何級ぐらいなんだよ」


 模擬戦でイリスさんを相手してた時は終始余裕そうだったし、触れちゃいけない禁忌である魔女を相手するかもしれないって時も一歩も怯む事無く戦うつもりだったみたいだし、絶対三級じゃ無いって。


「さぁ?」

「さぁ?ってなんだよ・・・・」

「階級は冒険者としての大体の強さを簡単に理解できるようにした指標でしか無いんだ。冒険者じゃなくても、馬鹿強い人は居るし階級で表せない人も居る。三級の中でも一分野では二級以上の強さを持つ人だっているし階級なんて飾りなのさ」

「へ~誤魔化そうとしてるだけだろ」

「そんな事ないぜ。ほら、休憩は終わり。もう一回やるぞ」

「は~い」


 はぁ~なんか誤魔化されちゃったけど、まぁブレストが本気になるくらいまで俺が強くなれば実際どれくらい強いのか分かるようになるだろ。さて、次はもう少し真面に攻撃を受けさせてやるぞ!


「今のはもっと踏み込まないと駄目だ」

「っ!!」

「左足が疎かになってるぞ~」

「!!」

「今の一撃は良かったな。それを他の攻撃でも出来るように」

「っっ」

「避けられないなら、出来る限りの受け身をしなきゃダメだ。魔力を集中させるのが一瞬遅れたな」


 ブレストの攻撃を防ぐのが遅れてしまった俺は吹き飛ばされて終了。俺は水分補給をしながら壁に寄りかかる。


「む~反応遅れた・・・・」

「自分のペースに持ち込むのも大事だが相手のペースに合わせるのも大事だぞ」

「は~い」


 ブレストの言う通り自分が得意な状況に持ち込もうとし過ぎたな~反省だ。さっきの手合わせの改善点を考えながら、訓練場に居る冒険者達を眺めていると


「そんな真剣そうに見てるなんて誰か気になった奴でも居たか?」

「ん~あの茶髪の人は体格的にロングソードじゃなくてショートソードの方が良さそう。あそこで魔法を練習している人は、魔法をしっかり構築出来て無いのに発動させてるから失敗してるな。槍の練習してるあの赤髪の人は、足捌きが上手いな」

「いや、そういう意味じゃ無かったんだが・・・・まぁいいや。クロガネはもう戦法を確立してるが、他の人を見て学ぶことも大事だぜ」

「おう、その為に見てた」

「クロガネにはまだまだ早いか」


 誰か俺でも使えるような武器や戦い方をしている人が居ないか見ていたんだが・・・・どういう意味だったんだろう。


読んで頂きありがとうございます!

コメント・感想・評価・ブックマークお願いします。

基本毎日投稿しており、時間は決まってません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ