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魔法を勉強!

 次の日いつも通り早く起きた俺達。


「じゃあ今日は、昨日行けなかった庭園に行くか」

「ん~実はあるか分からないけど行ってみたい場所があるんだけど良いかな?」

「勿論良いぞ、どこに行ってみたいんだ?」

「魔導書が売ってたり見れたりする場所ってあるのかな?」

「魔導書?なんでいきなりそんな物に興味を持ったんだ?」


 魔導書という言葉を聞いてブレストは首を傾げる。魔導書というのは、魔法をの種類や発動の仕方、詠唱や魔法の組み合わせなど、魔法について様々な事が書いてある本のことだ。魔法を習得しようと考えた時には、既に魔法を使える人に教わるか魔導書を読み学ぶかだ。


「昨日さ、悠久の誓いの戦い方とブレストが戦ってる姿を見て、もっといろいろな魔法が使えるようになった方が良いと思ったんだ。だから、魔法を勉強するために魔導書を見てみたいんだ」


 俺は今まで何となくで魔法を使ってきて、何も不自由が無かったけど昨日の戦いを見て俺には決め手となる強力な魔法を持っていないことに気付いたのだ。クロスボウによる強力な一撃は持っているけど、これから先大量の敵を相手にする可能性だって十分ある。その時に決め手となる魔法を持っていた方が良いと思うのだ。イリスさんのあの魔法やサリームさんの広範囲かつ強力な魔法のようなものはすぐに習得できるとは思わないけど、今から勉強すればきっと出来るようになって見せる!


「なるほどな~魔法の種類を増やして損は無いが魔導書か~俺が教えられる魔法も少ないし良い手段だと思うけど・・・・」

「駄目か?」

「いや駄目じゃ無いぞ。ただ俺が持ってる魔導書はクロガネに合わないし、店なんかには有用な物が殆ど売って無いからどうしようかと思ってな」


 魔導書というのは、魔法を極めた人や研究している人が書くのだが書き手によって、文法や図形や説明、魔法の強度などが全く違うのだ。だから、その人しか読めない魔導書が有ったり、全く使えない魔導書が沢山あるのだ。古本屋にはそういった使えない魔導書が沢山あるけど、俺が欲しいのはそういった物じゃない。

 しかも、有用な魔導書は師匠から弟子へと受け継がれ世の中に出回らないことが殆どだ。なので、俺が使えるような魔導書を見つけるのはかなり難しいと思う。


「う~ん・・・・そうだ。基本の魔導書ならあそこに置いてあるだろ。ある程度は教えたけど、しっかり正しい物を学ぶのも重要だと思うしな」

「ん?なんか当てがあるの?」

「あぁ、この王都にある国立図書館だ!」


 そう言って宿を出て案内された場所は、城の近くにある横に大きく立派な建物だった。柔らかな色をした柱によって洗練された雰囲気を出し、入り口の前には武器を持った衛兵が二人並んで警備をしているこの建物が図書館なのか・・・・


「ここはこの国唯一の図書館だから蔵書量はかなりのものだぞ」

「そんな場所に俺が入れるのか?」

「普通は三級以上の冒険者か役所から許可書を貰った人しか入れないんだが、三級冒険者が保証人になれば中に入れるぜ」

「おぉ~ありがとうブレスト!」


 衛兵に厳しい目で見られながら中に入りまずカウンターで身分証を見せる。俺は五級で資格が無いけどブレストの言う通り保証人になって貰って中に入るとそこには、壁一面に広がる本達と本を読むためのテーブルとイス。流石は国が作った図書館だな、どの家具も全部綺麗で高級感があるぜ。


「こちらにある本は自由に閲覧出来ますが、もし破損された場合は弁償をして頂きます。そしてこの館にある全ての蔵書は持ち出し厳禁となっています。中での飲食は禁止されていますので、もし発見した場合今後一切の立ち入りを禁止させて頂きます」

「はい、分かりました」

「それでは、ごゆるりと」


 鋭い目を持った職員さんが粛々と説明を行い立ち去って行った。本なんてクソ高いものなんだから厳しくなるのは当たり前だよな。取り扱いには気を付けなきゃだな。


「んじゃまず魔導書の場所に行くか」


 ブレストの後ろを付いていき、魔導書を纏めている場所へと行ってみる。並べられた本達の多くを占めているのは魔法の基本的な仕組みや、魔力について他はスキルなど知識を付ける物ばかりで実戦的な魔法についての魔導書はあまり無いようだ。


「クロガネの属性は、風と雷と闇だからこれとこれと、この本も良さそうだな。それと、今後魔法を学んでいくなら魔法文字も学んだ方が良いな」

「うん、読んでみる」


 俺は近くにあった椅子に座り選んでもらった本をテーブルに置きまずは魔法に関しての基礎から振り返ることにした。魔法というのは魔力を持った人間が魔力を操る事によっておこる現象であり、起こせる魔法は魔力の属性によって左右される。これは、そのままの意味で魔法はその人が持っている属性によって使える魔法が違うのだ。


 俺なら風と雷、闇の魔法が使えるぜ。


 属性は基本属性と特殊属性があり、基本属性は火・水・風・木・土・雷・闇・光の八種類である。そして特殊属性は空・時の二種類である。身に宿す魔力の属性としては通常一つや二つだが個人差が大きい。また特殊属性を持つ人間は極めて希少である。魔法の性質を大きく左右するのが属性だが、魔法を使えるかどうかはその者の才能に左右される。


 つまりは普通は一つや二つしか属性を持っていないけど、人によっては沢山持ってるってことだな。俺が知っている人だとブレストが良い例だと思う。ブレストは火・水・風・雷・木・土・光の七つの属性を持っているんだってさ。だけど、木と土は苦手で殆ど使わないし使えないらしい。沢山属性を持っていても魔法が使えるとは限らないんだぜ。


「どうだ、何か読めないものは無いか?」

「うん、取りあえず全部読めそう」

「そうか、何か分からないものがあればいつでも聞いて良いからな」


 ブレストは魔女の歴史という本を読んでいる。さて、続きを読もう。


 魔法を発動させるためには、魔力を操り構築する必要があるがその作業は精密かつ緻密であるため魔法を安定させるためには詠唱が必要である。詠唱を行う事によって、魔力の流れを制御し規模が大きな魔法でも安定して使うことが出来るのだ。


 ふむふむ・・・・小さな魔法なら無詠唱でも使えるけど大きな魔法は魔力を操るのが大変だから詠唱が必要になるんだな。確かに魔法の範囲を広げようと思うと、魔力がブレちゃうんだよな~さてさて基本は読んだから次は実践的な魔法を見てみるか。


 まずは風の魔導書だな。風の刃・風の矢これはもう使えるから読まなくて良さそう。風を吹かせるのも出来るし風を一点に集中させて吸い込むのも出来るしな~変わった魔法も無いみたいだし残念だ。


 じゃあ次は雷の魔導書だ!雷を飛ばすのはクロスボウを使った方が強いから使わないけど、雷の球体は何処かで使えそうだから覚えておこう。偶に使えそうなのが有るけど、どれも規模が小さくて大魔法といったものは載って無いんだよな~基本の魔導書だから仕方が無いんだろうけど。最後の闇の魔導書は見た目からして、他のやつと違うから期待しておこう!


 さてされ中身は~闇の魔法は禁忌であり凶悪で卑劣な属性である。


はぁ?


 闇の魔法は人を貶め狂気へと至らせる魔法であるため、これを学ぼうとする者は罪深きものであり裁きが必要だ。闇の使い手が悪だというのは歴史が物語っている。遥か昔より闇の使い手は光の者を貶め世界を支配しようと考えていたが、光の神エウロ様により闇の神ピアセスを打ち倒し世界には平和が訪れた。つまり光を司る物が正義であり闇は悪なのだ!


「なんだこれ」

「ん?どうしたんだ?」

「なんかクソみたいなこと書いてある」

「え?・・・・うわ、こんな本を図書館に置くなよ。クロガネ読んだことは全て事実無根だから気にするなよ」

「うん・・・・」


 闇の魔法や黒って言うのは色々な人から嫌われていたり不吉の象徴だって言われてるのは知ってたけど、本にこんな風に書くまでとはな~


「闇属性ってのは善い人も悪い人もどちら持ってる属性だし、闇を持ってるから悪いやつなんて決してそんな事は無いんだからな。偶にこういう過激な奴らは居るけど、闇属性なんて別に珍しい属性じゃ無いんだぞ」

「そうだよな~闇魔法だって滅茶苦茶便利で使えるのに全部否定するなんて酷いぜ」


 姿を消したり音を消したりと闇魔法は便利なんだぞ!


「そうそう、属性だけで判断するのは馬鹿のすることだから気にすんな。全く何でこんな本を置いておくんだか」


 そう言ってブレストは俺が呼んでいた闇の魔導書を取り上げると棚へと戻した。その後も色々な魔導書を見てみたけど、使えそうな大魔法は載っていなかった。少し残念だけど、使えそうな魔法もいくつか見つけられたから収穫無しとは言えないよな。 

読んで頂きありがとうございます!

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