王都での初依頼と観光!
さて、今日は昨日金を沢山使ってしまったので朝早くから良い依頼を受けるために冒険者ギルドに来ていた。かなり早起きしたつもりだったけど、すでにギルドには多くの冒険者が詰めかけていて吃驚だ。俺は人混みを抜けボードから俺でも受けられる討伐依頼を取りブレストの元へ戻った。
「何を選んできたんだ?」
「ジュエルラビットとホーンボア、それとカラフルバード」
「良いの選んできたな。じゃ早速行くか」
選んできた依頼は全て王都を南門から出て少し歩いた先にあるマグレットの森に生息している動物だ。魔物の討伐依頼の方が稼ぎが良いんだけど、俺の等級じゃ受けられない物ばかりなんだよな~三級ぐらいの魔物相手なら楽勝だけど、こればかりはギルドのルールだから仕方ないのだ。それに、抜け道もあるからそれを使えば金を稼げるから問題無し!
俺達は朝早くから多くの人が行き交い、屋台からは腹が減る匂いが香る通りをゆっくりと歩いて進んで行く。知らない動物を焼いてたり、蛇が丸焼きで売ってるけどあれって美味しいのかな?うわっあれってまるで前に飲まされたクソ不味い薬湯みたいな色してるけど、あんなに売れてるってことは美味いのか?え、ありがとう・・・・うまっ!!!甘酸っぱくて味が濃いのにさっぱりしてる!これなら確かに売れるだろうな~
売り出されているものを見ていると、ブレストが買ってくれて初めての味に驚き楽しみながら南門の衛兵に冒険者カードを見せマグレットの森へ走り出した。道中他の冒険者とすれ違ったが気にすること無く森へ到着した俺達は、他の冒険者の邪魔をしないように森の奥へと進む。この森は街の近くにあった森とは違い深い明るい緑に覆われ花を咲かせ、色彩豊かな植物が咲き乱れている。
「すげぇ色だな~何でこんな事になってるんだ?」
「土地の影響だろうな。植物達は地面の栄養や魔力にかなり影響されるからそれが顕著に出たんだろ」
「そうなのか~こんなに色鮮やかだと獲物を見つけるのは簡単そうだな」
「それがそうともいかないんだよ。この森に居る魔物や動物達は森に溶け込むために同じように鮮やかな羽や鱗を持ってるんだ」
「うわ~・・・・気配を頼りにした方が良いか」
「んじゃ頑張れ。俺は適当な獲物でも狩ってくるぜ」
こんな目が痛くなるほど植物と同じような色を持っているのは流石に厄介だな~目で探しはするけど気配を頼りに・・・・あれ?あそこ変じゃないか?気配を探ってみても何も感じずそこには何も居ないが、違和感を感じた俺はその場所に闇の鎖を作り出しそいつを捕まえる。
「なんだこれ、トカゲか?」
捕まえてもまだ正体を掴めないが、形からして五十センチはあるトカゲみたいだ。うねうねと動くトカゲに止めを刺してみると見る見るうちに虹色に色が変わる変な顔をしたトカゲが正体を現した。
「・・・・なんだこれ?」
一応この森に出現する魔物や動物は調べてきたんだけど、こんなの見たこと無いぞ?持ち帰って調べてみるか。変な奴と遭遇し吃驚したが、気配を頼りに依頼の動物を見つけ狩っていき、途中で遭遇した高値で売れる魔物も討伐してマジックバックに入れていると、後ろからブレストの気配がした。
「どうだ、順調か?」
「うん、依頼は終わったぜ。ブレストはどんな感じ?」
「お、流石だな。ジュエル系統の魔物をそこそこって感じだな」
「ここってジュエル系統かなり居るよな~キラキラが沢山でなんか楽しい!」
ジュエル系統とは、体の一部に魔力を貯めた宝石のような結晶を持つ魔物と動物のことを言う。本物の宝石では無いから、そこまで高く売れる訳じゃ無いけど結晶がキラキラしてて綺麗なんだよな~こういうのなんか好きなんだよな。
「魔力が多い土地なんだろうな。そうだ、新しいナイフの使い心地はどうだ?」
「めっちゃ良いよ!そんなに力を入れて無いのに骨まで簡単に切れるし刃こぼれもしない!」
依頼を受けた動物達や襲ってきた魔物達を新しいナイフで斬ってみたが、今までのナイフと切れ味が違い過ぎて声を出して驚いてしまったほどだ。力の弱い俺でも骨まで簡単に斬れるし、本当に買って良かったぜ。
「そりゃ良かったな」
「うん!あ、そうだ。さっき変な魔物を見つけたんだけどギルドで調べた時には載ってなくてさ・・・・何か知ってる?」
俺はあの姿を消す魔物をブレストに見せてみると、ブレストは声を出しながら驚いた。
「インビジブルレオンじゃないか!よく見つけられたな・・・・」
「インビジブルレオン?」
「こいつは隠れることに特化していて見えず感じられずこの森で見つけるのは至難の業なんだぞ」
「そうなんだ~じゃあこれ高く売れる?」
「あぁこいつの皮は如何なる色にも変わり正体を隠す魔道具を作れるから、高く売れるぞ!」
「やった!!!」
高く売れるならもっと捕まえたいな~どこかに居ないかな?ん~ここら辺には居ないみたいだな、残念。こんな変で弱いやつが高く売れるなんて以外だよな~でも何でギルドの本に載って無かったんだろ。
「見つけるのがほぼ不可能だから多くの奴が見る本には載せて無いくらい珍しいんだからなこいつは。攻撃性も危険性も無いから、本に載せなくても問題無いんだが・・・・どうやって見つけたんだ?」
「ん~何となく変だなって見えた場所に居た」
「そうか・・・・」
俺の答えを聞いて少し考え込んでしまったブレスト。その後は二人で森を巡り軽く魔物達を討伐し、インビジブルレオンをもう一匹捕まえてギルドへと帰った。今回受けた依頼は普通の動物達だけど、偶々遭遇した魔物を討伐したことにすれば素材を買い取ってもらうことは出来るのだ。なのでついでに狩った魔物達も査定に出すとインビジブルレオンを見て、買取の人が驚いてしまった。そこから何やら偉そうな人が出てきたりと面倒だったけど、良い値段で売れたから俺は満足だぜ。
仕事は終わったが日が落ちきるまでまだ時間が有るので、ブレストが王都を案内してくれるってさ。何があるのか楽しみだな~
煌びやかな街並みの中に鮮やかに咲く花や、火を吹く芸をする人や冒険者の俺達でも驚く程体が柔らかい人など多種多様な人達が広間でパフォーマンスを行い、それで集まってきた人達を相手に沢山の屋台も集まってきている。火を吹く程辛いスープや、まるで生きてるんじゃないかと思うほど綺麗な飴細工を食べたりして、街の奥へと進んで行くと明らかにほかの地区とは違いやたらキラキラと光り、綺麗にされた場所にやって来た。
「なんかここ雰囲気違うな」
「高級店が並ぶエリアだからな」
「げっ俺場違いじゃん・・・・」
「そんなこと無いぞ。冒険者も利用する店も沢山あるし付与が付いた装飾品とか、大規模な商店とかもあるから意外と冒険者も来るエリアなんだぜ」
「そうなんだ・・・・いや~でも・・・・」
いいと言われても俺の見た目でここに来るのは、ちょっと気が引けるんだよな~貴族なんかに見つかったら難癖付けられそうだしな。
「ほらほら、気にするなって」
「え~・・・・」
ブレストは笑いながら引っ張るので渋々付いていくが、建ち並ぶ店達はどれを見ても俺には分不相応なものばかりだ。うわ~高そうだなとか思いながら見ていたが、少し下がっていた気分をドンっと上げてくれる店を見つけてしまった。
「うああああ、キラキラだ~綺麗だ~」
その店のショーケースに並べられた宝石や水晶たちは加工をされているが天然の姿を残していて、見る人によっては武骨に感じるだろうが俺には力強さを雄弁に主張する形だと思う。赤、水、銀色に輝く宝石達に思わずにやけてしまう。
「こんなにテンションが上がったクロガネなんて初めて見るな・・・・宝石が好きなのか?」
「うん!だって高いしキラキラしてるだろ!」
「あぁそういう・・・・」
「鉱石とかも好きだぜ!」
見て良し売って良し使って良しの鉱石や宝石って凄く良い物だろっ開花水晶も便利そうだから買ったけど、見た目が綺麗だったという理由もかなりある。よく分からないけど、こういうキラキラした物に惹かれるんだよな~
「そんなに気に入ったなら買うか?それとも、宝石とかを使った装飾品でも付けてみるか?」
「う~ん・・・・凄く欲しいけど最近金を使い過ぎてるから我慢する!だけど、装飾品は見てみたいな」
「そうか、じゃあ満足したら次行こうか」
インビジブルレオンを凄く良い値段で売れたけど、ナイフを買う時にかなり使っちゃったし冒険者たるもの冒険に必要な物を買わないと!・・・・付与がされた装飾品は冒険で役に立つからセーフだよな?
キラキラと輝く宝石達を引き立てながら、金属と融合した芸術品を見て満足した俺は沢山稼いで色々なものを買ってやると決意し宿へ戻るのだった。
読んで頂きありがとうございます!
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