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昼食は鶏肉で

本当に長い間お待たせいたしました!今日より定期的な更新を再開します!

 時間を掛けようやく地面に落ちている大量の種を回収した俺達は良い時間になったので、爆裂樹の傍から離れ魔物の気配が無い場所を探しそこで昼食を摂ることにした。ブレストは結界を張り安全を確保すると、いつもの料理道具を並べそれを手伝っいながら今日の予定について思い返す。


一番面倒な爆裂樹は採取できたし火葬花も見つけられしあと残るのはモドリ草だけか~最初の二つを探すのに時間を取られて昼時になっちまったけど、モドリ草を見つけるのは簡単だ。本当に一瞬で終わるから、後の時間が暇になっちまうな。


「クロガネこれ切っといてくれ」

「は~い」


 俺は手渡された果実を空中に投げ包丁を使い綺麗切り分けると用意しておいた皿の上にさささっと載せる。うん、落とすことも無いし完璧だな。ナイフとは違うけれど包丁も同じような大きさと刃渡りをしているから扱いには自信があるぜ。


「何してんだ」


 上出来だと頷いているとブレストが俺の頭にチョップを落としてきた。軽いものだったので痛みはなく、俺は振り返りながら親指を立て


「ほら、綺麗に切れただろ?」

「ほら、綺麗に切れただろ?じゃねーよ。食材は魔物じゃないんだからそんな扱い方をするもんじゃない。それに食べ物で遊ぶな」

「だってこの方が早いし~」

「早くてもだ。食べる物には感謝しろって言っただろ?丁寧に扱うんだ」

「は~い、ごめんなさい」


 俺がやったことはブレストにとっては許せないことみたいで真剣な顔を叱られてしまった。食べる事が出来るってことに対しての感謝や喜びは勿論忘れたつもりはないぜ。スラムに居た時は食べれない日が何日も続いた事があるし、どんなものでも食べられるだけで嬉しかった。


 泥にまみれで踏み潰され、捨てられたクズのようなモノだとしても食えるだけ幸せだ。


 だから、その飯がどんな形やどんな調理法、そして俺ならどんな毒が盛られてようが胃の中に入れていた。その感覚がまだ残っていてどんな調理法をしようとも、それが例え落としたものだとしても最終的には必ず胃の中に入れるからどんな手段を使っても良いと思っちまうんだよな~ブレストにはこの扱いが食材を蔑ろにしている様に見えてしまうみたいだし、改めないとな~


「分かったなら良い。しっかりと遊ばず丁寧にやるんだぞ。ほら、この肉をブツ切りにしてくれ。俺はこっちで野菜を切っておくから」

「は~い、これってランナーバードの肉?」

「そうそう」


 遊んでるつもりはなかったんだけどな~だけど、そう見えたってことは俺が悪いな。俺は受け取った肉をしっかりとまな板に置き、いつものような戦いで使うナイフ捌きではなくしっかりブレストの真似をした料理用の動きで切り分けていく。串に刺せる程度の大きさにすべて切り分けると、ブレストは大きな鉄の串を取り出し肉とブレストが取り分け野菜たちを交互に刺し、塩コショウを振りかける。


「後は火を起こして焼けば良いだけだな。火にかざす様に焼くから薪を山のように組んでくれ」

「了解」


 俺は手をブレストに浄化してもらった後、拾ってきた薪を組んでいき中に枯葉を敷こうと思ったが良いことを思いついた俺は結界の外へ行きあるものを持ってきた。


「何して・・・・あぁなるほど」

「すでに燃えてるやつがあるんだから、有効利用しないとな」


 ブレストは突然結界の外に出て行った俺を見て不思議そうにしていたが俺が持ち帰ってきたものを見て納得したようだ。俺たちが今いる森は火の魔力が多くて植物たちは影響を受けている。故に葉や枝を燃やす植物たちが沢山生えているのだ。彼らが出している火は魔法による火だから暫くして魔力が切れれば消えてしまうけど着火剤としては十分過ぎるほどだ。俺は持ってきた燃えている植物を薪の中に入れると忽ち火が付く焚火は完成した。


「よし、それじゃあ焼いてくぞ~」


 ブレストは火が付いたのを確認すると串を焚火に寄り掛かるよう斜めに突き刺した。あとは焼けるのを待つだけなので俺たちは椅子に座りゆっくりと火を眺めながら待つことにした。


「串焼きって簡単だよな~」

「だな。だけど、あんまり串焼きばかりだと飽きるから夜は少し凝った料理でも作ろうかな~」

「俺、串焼き好きだから毎日でも良いぞ」


 串焼きってすごく単純な料理だけど味付けでかなり変わってくるし、手を汚さず手軽に食えるから好きだぜ。マジックバックに入れておけば潜伏中や移動中でも食べれるしな。


「それは栄養が偏るから駄目だ。冒険者には難しいがバランスの良い食事ってのは心がけるのが大事なんだぞ」


 そう言いながら串の向きを変えるブレスト。バランスの良い食事ね~偏っていようが食べれればどんな物でも十分だと思うけどな~


「そういうもんか~?」

「前に沢山食べなきゃ大きくなれないって言ったが、ただ食べるだけじゃ駄目なんだ。骨を頑丈にするならチーズや魚に豆、筋肉をつけるならば肉や果物、髪や爪を作るのなら貝、血を作るなら貝や野菜みたいにモノによって体の力になるものが違うんだ。どこかに偏ってしまうと他がおざなりになってバランスよく育たないし、体に欠陥を抱えることになるんだぞ。冒険者は体が資本なんだから、食事ってのは大事なことなんだぞ~」

「へ~食うもんで体につくもんが違うんだ」


 食べるのは大事だと言われたけど食べる物の種類で体につくものが違うのは知らなかったな~


「そうだぞ、だから好き嫌いなくバランスよく食べるのが大事なんだ」

「わかった!でもブレストはよくそんなこと知ってるよな。料理家を目指してたのか?」

「いや、俺の居た場所ではそういう知識が普通だっただけだ」

「進んでるんだな~」


 俺は聞いたこと無いけどそう言う知識って当たり前なのかな?貴族なんかは遠く離れた場所から珍味や珍しい食材を取り寄せることが、格式高い証明になるし社交界で自慢になるらしいしそういう事も考えてのことなのか?


「ん~まぁそうだな」


 俺が言ったことはどこか違うみたい。だけど説明しなおさないってことは難しいことなんだろうな~


「そろそろ焼けたんじゃないか?」

「鳥はしっかり焼かないと駄目だからまだだ」

「え~」


 俺の目にはもう十分だと思うんだけどブレストからすればまだ見たい。肉から油が落ち蒸発することによって香ってくる食欲を誘う匂いに肉が焼ける香ばしい匂いは腹に大ダメージだぜ。


「よし、良いぞ」

「やった~~」


 許可を貰った俺は火に当たり続け熱しられた串を取り口へと運ぶ。噛んだ瞬間肉汁が溢れ出し、それが肉の表面にかけられ塩と胡椒と混ざり合い絶妙な美味さを醸し出しでいる。肉は簡単に噛み切れるし皮はパリパリで、めちゃくちゃ美味い!


「うま~~~」

「美味いのは良いが、普通長時間熱せられた鉄の串を手に持ったら大火傷だぞ」

「普通はな。だけど俺たちは冒険者で魔法が使えるんだから関係なしだろ」

「まぁな。こういう所は便利だよな~」


 確かにブレストに言う通り普通は大火傷を負ってしまうけど、魔法で身体強化と属性への抵抗を上げてしまえばこの程度の熱なんてないのも同じだ。日常の些細な面倒ごとを身体能力と魔法で解決できるのは冒険者や魔法を使う者の特権だよな~


「グリーンペッパーうまっ」

「うん、良い感じに焼けてるな。レモンを掛けても美味いぞ~」

「じゃあ次の串は掛けてみる~」


 焼いたことによって甘みが強くなり、こぼれ出た油を吸った野菜たちは塩味のある肉と相性抜群でこれだけでも十分満足いくぐらいの美味さだ。俺たちは火傷を気にすることなく次々と焼きたてを平らげていき、腹が満たされることには全て食べつくしていた。


「あ~バード肉美味かった~オークとは違う美味さがあるよな」

「だな、こっちはあっさりしてるけど甘みがあって柔らかい感じだ。焼き鳥と豚串じゃ全然違うしな~」

「焼き鳥?豚串?」

「あ~バード系統を串で焼いたのを焼き鳥って言って、オークやボア系統を串で焼いたの豚串って言うんだ。俺の場所の独特の言い方だな」

「なるほど~焼き鳥か~俺焼き鳥好きだぜ!」

「そうか、それならまた作ってやるよ」

「うん!」


 なるほど~焼き鳥か。バード系統を焼けば焼き鳥になるならもっと強くて美味いバードを焼き鳥にしたら何倍も美味いんじゃないか?コカトリスとかゴールデンチキン、インペリアルチキンなんかは魔物中でも高級食材だし・・・・ぐふふ


「どうしたんだ?そんな悪巧みを思いついたような顔して」

「いや別に?」


 見かけたら積極的に狩りにいこ~っと

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#空っぽと色

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